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「老後破産」したくないけど今ガマンして節約もしたくない/30代女性相談  

そなえる 白浜 仁子

「老後破産」したくないけど今ガマンして節約もしたくない/30代女性相談  

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仕事もプライベートも脂が乗っているわたし。でも気づいているんです。「老後破産」という言葉を見て見ぬふりをしていること…。そうならないために、30代独身女性がいまできることを教えてもらえますか?

Q1 長生きが最大のリスクって本当?

A1 30代シングル女性は、ある程度時間やお金が自由に使えてとても楽しい時期。ただ、今だけでなく将来のことも考えておかないと、大きなツケがくるので注意が必要です。60歳を迎えた女性の平均余命は約89歳。仮に60歳まで働いたとすると、セカンドライフはこれまで歩んできた人生と同じくらいあることになります。国からもらえる年金は65歳からなので、退職して5年間は無収入で生活。その後も、年金をもらいながら不足分は貯金を切り崩していくことになります。「長生きはうれしいけれど、途中で貯金がなくなったら・・?」「病気や介護状態になったら?」なんて考えると長生きがリスクだと感じます。でも、寿命なんて誰もわからないし、心配し過ぎて暗くなる必要もありません。「何かしなくちゃ」と気づいたら早めに対策をしましょう!

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Q2 何歳までにいくらあれば、安心ですか?

A2 シングル女性のセカンドライフを考える時は、自分が毎月いくら必要なのか計算することから。総務省家計調査(平成27年度)によると、60歳以上のシングルの生活費は、月に15万6000円程。60歳~90歳の30年間なら、5,616万円必要ということになります。一方、65歳からもらえる年金は、例えば定年までの平均年収が400万円の人なら、月額約13万円が目安。65歳~90歳までの受取総額は3,900万円になります。つまり、年金収入から生活費を引いた差額の1,716万円(5616万-3,900万)を準備しておけば、とりあえず何とかなるということです。趣味やレジャーなど充実させたい人は、その分上乗せして試算しましょう。

Q3 会社員のわたしなら、どんなマネーライフになりますか?

A3 必要資金が分かったら、あとはマネーライフを見直すだけ。いくら退職金がもらえそうなのか職場の規定をチェック。勤続年数だけでなく、役職や職級などで金額が違ったりするので、「部長を目指そう!」「将来は役員に!」などモチベーションアップにも繋がります。さて、退職金の目安がわかったら、Q2で試算した60歳時に持にもっておきたい資金1,716万円から退職金分を引きます。仮に1,000万円が見込めるなら差額の716万円を準備すればいいですね。30歳の人は目標達成まで30年間あるので、年間約24万円(月額約2万円)貯めていけばOK。40歳なら約36万円(月額約3万円)、50歳なら約72万円(月額6万円)です。早めにスタートを切れば楽に準備できますね。

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Q4 とはいえ、老後のことを考えて、いま我慢ってできそうにありません。

A4 確かに、日々の生活費のほか、近い将来を見越しての貯金、そして老後の貯金となると少し大変かもしれません。ただ、上記の試算は全くお金が増えない前提です。今は金利が低いので預貯金だけだとほぼそうなります。そこで提案したいのが「資産運用」。少し視野を広げて殖やすことにチャレンジするのも手です。「株の運用なんて難しそう・・」と思う人は、銘柄選びをプロに任せられる「投資信託」がおススメ。リスクはありますが、仮に3%を目標に運用するなら、30歳女性の積立額は月1万3000円程でよくなります。自分ばかりが働くのではなく、お金にも働いてもらいましょう。また、運用だけでなく、仕事に関連のある資格を取得するなど、キャリアアップ(=収入アップ)を目指すのもいいですね。

Q5 これから結婚したら、マネーライフはどう変わりますか?

A5 結婚したら、マネーライフは家族単位で考えます。晩婚化が進んでいますが、その場合「結婚~セカンドライフ」までの期間が短くなるのが特徴。中には、「結婚してから貯めよう」と何もしていない人もいるので、パートナーと一緒に「子どもは何人産みたいのか?」「マイホームは買うのか?」「老後はどう過ごしたいのか?」など、今後のライフプランを話し合い、マネープランを立てていきましょう。