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夢の一戸建て!メンテナンス計画はどう立てておく?

500万円でかなうコト 松山 真介

夢の一戸建て!メンテナンス計画はどう立てておく?

Ryan McVay/DigitalVision/Thinkstock

一戸建て住宅の購入を考えているのですが、マンションと違って修繕積立金がないので、いざという時にリフォームの蓄えがあるか不安です。戸建てのメンテナンスはどれくらいの頻度で、どんな内容で行ったらいいのでしょうか?

Q1 戸建てのメンテナンスってどれくらいの頻度で行うものですか?

家の外壁

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A1 極論を言えば、1回もせずに住み続けることは可能です。メンテナンスとは機能性や快適性を維持するためのものなので、それをどれくらい求めるかによります。例えば、カーテンを洗濯する頻度で考えてみてください。購入後、1回も洗ったことがない人もいれば、年に2回は必ず洗濯するという人もいます。

ただ外壁の塗装だけは10~15年に1回は行うことをおすすめします。ただし、これも家がどこにあるのかで頻度は変わってきます。海沿いや車の交通量の多い場所では、傷みも早くなるからです。

Q2 メンテナンス費用はどれくらい考えておく必要がありますか?

住宅の計画

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A2 一般的には30年の修繕費用として、500万円を考えておくとよいでしょう。500万円と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、月に換算すると約1万4000円。マンションの修繕積立金と同じくらいです。

主な修繕費用としては、外壁の塗り替えに50~70万円、屋根の修繕、塗装に30~60万円、サッシ周りの防水などに20~30万円、キッチンやトイレ、間取りの変更など室内設備をリフォームする可能性を考えるなら、10年ごとに100~200万円。30年では総額300~600万円が必要となる試算です。

Q3 メンテナンスはどこにお願いするもの?購入した住宅メーカーですか?

フローリング工事

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A3 基本的には家を建てたメーカーや工務店などに依頼するのがいいでしょう。建物の勝手がわかっていますし、修繕履歴もあります。中古物件で、メーカーや工務店がわからない場合には、自分で工務店を探すことになります。

最近はDIYも流行っていますし、ペンキを塗ったり、壁紙を貼ったりと自分たちでできることもたくさんあります。休日にはレジャー感覚で、親子でDIYに取り組むのも一つの手。欧米の映画でよく出てくる、家の壁をペンキで塗る、あれです。自ら手を加えることで家への愛着が増し、家族の絆を深めることもできますよ。

Q4 バリアフリーのように将来に備えて、戸建てを購入する時点で考えておくべきことってありますか?

テラス

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A4 街を見渡してみてもバリアだらけです。家だけを完璧にバリアフリーにしたいなら、施設に入るという選択もあります。個人的な意見になりますが、車を乗り換えるように、家も家族の変化に合わせて住み替えていくという考え方はアリなのではないでしょうか。どうなるかわからない遠い将来のことを考えるよりも、今の状況を大切にして家を建てる方がいいと思います。

Q5 地震や台風、大雨など、最近は天災も明日は我が身という感じですが、メンテナンスで予防できることってありますか?

家の調査

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A5 まずは家の購入前に、行政のハザードマップで安全な土地を探すこと。東日本大震災にしろ、先の熊本地震にしろ、想定外の規模でした。

どんな被害を受けるか、すべてを想定した家を建てることは事実上不可能なので、家を守るというよりは、家族の命を守るという観点で、例えば寝室だけを耐震補強にするというようなメンテナンスはできます。そして、火災保険や地震保険に入るのをおすすめします。


“家を購入したら一生住み続けるもの”という発想を転換した方がよさそうです。いずれにしてもある程度の蓄えは必要だけど、どうなるかわからない将来のことばかり考えずに、今を大切にして家づくりを楽しみたいと思います。