渋谷円山町のユーロライブでは、20代のカップルがシブラク（渋谷らくご）デートをしていたり、和女子の粋な休日の過ごし方は着物で寄席だったり。ここ10年ほどひたひたと来ていた落語ブーム。そして今秋、落語ブームの中心は博多になる?! 知って得する落語の効用と福岡での楽しみ方を紹介します。

落語は万病に効く ストレス解消や免疫力アップに高い効果

雲田はるこのマンガ『昭和元禄落語心中』のアニメ放映（福岡はBS-TBSで土曜深夜0時30分から）をきっかけに、今、落語ブームです。落語は扇子と手ぬぐいのみを使う究極の一人芝居。室町時代の御伽衆を源流に、江戸文化の粋や人情を今に伝える古典芸能ですが、なんといっても一番の魅力は大笑いができること。笑う時間はそれだけで心が癒されますね♪　医学的にも落語の笑いには、リューマチのつらい痛みさえ軽減し、炎症を抑える効果があると証明されています。さらに落語を聴くと脳の血流が増えて、リラックスして集中できます。また、笑うことでNK細胞が活性化されて免疫力アップにもつながります。10分間の大笑いは、約30～40kca のカロリー消費になるなどいいことずくめです。落語で笑う時間が、心と体をリフレッシュしてくれます。

日本最大の落語フェス「博多・天神落語まつり」

秋、全国の落語ファン注目のイベントは、日本最大の落語フェス「博多・天神落語まつり」。福岡ではもうおなじみですね。第10回目の2016年は、11月3日～6日の4日間。この時期ばかりは、所属協会の垣根を取り払って、東西の落語家が一斉に博多に集まってきます。これを見逃す手はありません！　 FFGホール、イムズホール、キャナルシティ劇場、JR九州ホールの4会場でたっぷりと落語を堪能しましょう。それに先立ち、7月19日に福岡市民会館でプレイベント「秋まで待てない落語会」が開催されます。プロデューサーを務める三遊亭円楽のほか、笑福亭鶴瓶など5人の名人が揃う落語会。記者会見も見せてもらえるのでお得です。

能舞台やお寺、博物館でも聴ける☆落語会福岡情報

もっと落語をライブで聴きたい!! 　だったら気軽に行ける天神イムズへ。イムズホールでは、月1回、柳家喬太郎、桂吉弥などの人気落語家を招く「イムズ寄席」のほか、独演会なども開催されています。もうひとつのおすすめは、落語好きの女性3人が運営する「美案寄席」。桂米團冶や三遊亭円楽、若手の桂三四郎と出演者は多彩。森本能舞台や料理屋の座敷で演じられる落語はホールとは違う味があり、距離も近くて寄席気分を楽しめます。

JR博多シティのJR九州ホールでは、柳家権太楼、立川志らくなど個性派実力派を集めた落語会「博多四季の会」が年4回開催されています。そのほか不定期ですが、エルガーラホール、アクロス福岡、唐人町商店街の甘棠館笑劇場などで落語が楽しめます。花見の季節は、聖福寺の恒例行事「花見落語会」が人気です。北九州では、NPO法人「古典落語を守る会」が北九州芸術劇場や小倉井筒屋パステルホールなどで落語会を開催しています。太宰府市の九州国立博物館は、かつて「九博朝日寄席」を開催していた博物館。2016年に始まった「みゅーじあむ寄席」もおもしろそうですよ。

福岡でもまだまだ増えそうな落語イベント。チケットサイトでは探せない情報もあります。各施設や主催団体にお問い合わせください。テレビやラジオとは違うライブで聴く落語のおもしろさを、ぜひ体験してみてくださいね。