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30代シングルマザーの家計簿/養育費が途絶え、パート月収12万で子育て

うちの家計簿 世継 祐子

30代シングルマザーの家計簿/養育費が途絶え、パート月収12万で子育て

FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの家計簿をmymo誌面で公開してアドバイスする【うちの家計簿】。今回のお客さまは、35歳パート勤務の女性Hさん。11歳と8歳のお子さんの3人家族です。2人の子供を育てるシングルマザーHさんはパートを2つ掛け持ちして孤軍奮闘しつつ家計を切り盛りされています。

そんなHさんのお悩みは子供たちの「教育費」。元夫からの養育費が途絶えて1年、児童扶養手当が支給されて子育て費用の負担は減るものの、全てをカバーできるかというと難しいところ。30代女性Hさんは毎月どのように子育てしながらやりくりされているのか…それでは家計簿の内訳を見ていきましょう。
 

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母と子
【画像出典元】「iStock.com/Geber86」

元夫からの養育費が途絶え、子供2人の教育費の負担増が心配

(Hさん談)離婚して6年経ちます。元夫からの養育費が1年位前から途絶えてしまい連絡も取れなくなってしまいました。これから子供たちの教育費の負担が増えそうで怖いです。

現在2つパートをかけもちしています。外食はできるだけ控えたいと思っていますが、コンビニで食事を済ませることも多く不規則な生活のためか「高脂血症」と診断され、健康にも自信がなくなってきました。収入を増やすため正社員になりたいと考えていますが、来年PTAの役員が回ってくるため、正社員は難しいかなと思っています。今後、どのようにしていったらいいでしょうか。

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現在、貯蓄が70万円あります。月々の家計は1~2万円程度赤字になりますが、児童扶養手当で補てんしている状況です。

「仕事」と「育児」を頑張るお母さんの健康は何より大切。地道な体調管理を

離婚後、突然養育費の支払がなくなってしまい、2人のお子さんを抱えパート収入のみということで、Hさんの不安は大きいと思います。また、シングルマザーの場合、家計を支えるのが母親1人なので体の不調にはデリケートになりますね。

一家の唯一の働き手であるHさんの健康はとても大切です。Hさんが体をこわして働けなくなったりしたら、お子さんたちが路頭に迷ってしまうことも考えられます。

Hさんご自身の健康管理をおろそかにしないようにしてください。生活習慣や食生活などで改善できる部分は、医師のアドバイスなどを仰いで改善していきましょう。

PTAより正社員を目指して収入を増やすのがベスト!

下のお子さんが成人するまで12年。大学卒業まで14年。10年頑張ればご長男も成人され、家計も助けてくれると思います。まず、これから10年を頑張りましょう!

2つの仕事をかけもちするのは、どうしても体の負担が大きくなります。できるだけひとつの仕事で生活できるよう正社員などの仕事を探し安定収入を目指しましょう。

PTA活動のために正社員をあきらめる必要はありません。お子さんのことを考え「できるだけのことをしてあげたい」というお気持ちはわかりますが、Hさんの収入が安定しない限り、家計はいつまで経っても不安定なままです。

PTAの役員の順番など気になるお気持ちはわかりますが、役員の代わりはいても母親の代わりはいません。生活の基盤を作るために優先順位を立て、危機感を持って就職活動を頑張ってみてください。

月々の支出を手取りで得られるような仕事が見つかると、不安がぐっと軽減されると思います。

子供2人にかかる教育費は期限を決めて貯めましょう!

教育費
【画像出典元】「iStock.com/Steve Debenport」

お子さんが大学進学を希望された場合、初年度に一番お金がかかります。国立大学で入学料28万2000円、受験費用や入学しなかった学校への納付金等で51万5000円、授業料53万5800円で合計133万2800円が必要です。*文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」をもとに試算

これはあくまでも4年前の費用で、上のお子さんが大学進学を迎える7年後には費用も増加する可能性がありますが、まず150万円を目安に教育費を計画的に貯めていきましょう。

子供の教育費を貯めるには?Wallet+を使ってシミュレーション

長男の教育資金150万円を7年で貯めるには・・・

長男の教育資金計画
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長女の教育資金150万円を10年で貯めるには・・・

長女の境域資金計画
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お2人分で1万8000円と1万3000円で月3万1000円、年37万2000円を貯めていく必要があります。児童扶養手当が年間で46万円ありますので、その分からこの金額を参考に教育費の積立貯蓄を始めてみませんか。

(Hさん談)7年過ぎたら積立は下の子の分だけでいいですね。「いつまでにいくら」貯めないといけないかわかると、お金の整理がしやすくなる気がします。

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30代シングルマザーHさんの家計簿診断を終えて

どうしてもお金が必要になったときには、「母子父子寡婦福祉資金」など経済的な自立を支援する公的な制度も準備されています。教育費も奨学金などの制度も上手に利用して考えていきましょう。

心も体も元気でないと、ストレスがたまりお金も多く使いがちです。

ご自身とご家族のために、体調管理にはどうぞお気をつけください。