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年末調整、控除申請漏れない!?チェックすべき項目まとめ

そなえる

年末調整、控除申請漏れない!?チェックすべき項目まとめ

【画像出典元】「iStock.com/Deagreez」

毎年恒例の年末調整。会社に書類を出すとお金が戻ってくるアレでしょ、と知ってはいても、詳しいことはわからないという方も多いのでは?所得控除には保険料の控除や扶養控除、住宅ローン控除などさまざまな種類があり、控除ごとに適用される条件が異なります。気づかないうちに申請漏れで損していませんか?どのような所得控除があるのか意味や仕組みについて確認し、自分に当てはまる控除について整理してみてください。

給与天引きの所得税は「概算」だから年末調整が必要

電卓と数字
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毎月、給与から天引きされている所得税は、前年の所得をもとにした「概算」です。そのため、実際の所得に応じた所得税の金額とは異なります。

その概算で支払った所得税を確定させる作業を会社が行ってくれるのが「年末調整」です。確定した所得税が概算で支払った金額より少なければ、差額が還付金として返ってきます。逆に支払った金額より多ければ、差額を支払わなければいけません。

所得税を計算する際に考慮されるのが「所得控除」。扶養者がいる・高い医療費を払ったなど一定の条件にあてはまる場合、所得の合計金額から定められた金額を差し引く制度です。

納税者の個人的な事情に応じて、一定金額を所得から控除(差し引く)することで、納める所得税が少なくなるという仕組みになっているのです。

年末調整で対応できる所得控除とできない所得控除

所得控除にあてはまるかどうかは、個人個人で異なります。そのため、年末調整の際には、自分のあてはまる所得控除を書類で申請しなければいけません。

所得控除には、配偶者控除・扶養控除など14種類あります。このうち、11種類が年末調整で控除できます。

また、年末調整では対応できない所得控除に、雑損控除・医療費控除・寄付金控除があり、あてはまる場合は、年末調整とは別に、個人での「確定申告」が必要となります。

所得控除のための情報は「控除申告書」に記入

所得控除のために記入する書類は、

「給与所得者の配偶者控除等申告書」
「給与所得者の保険料控除申告書」

の2種類です。平成30年の年末調整から、提出書類が新しい様式となりました。会社からの案内や記入の説明資料をよく確認し、しっかり申請して漏れを防ぎましょう。

該当する人がいれば適用できる控除

幸せそうな家族
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それでは、控除の詳細を見ていきましょう。まずは、生計を同一にする家族に該当する人がいれば適用できる控除をご紹介します。

・配偶者控除
・配偶者特別控除

所得が少ない配偶者がいる世帯で、世帯主の税負担を軽くするための控除です。妻が専業主婦で収入がない・パートで年収が150万円以下であるといった場合に、配偶者控除が適用されます。また、妻の年収が103万円を超えている場合は配偶者特別控除となり、段階的に控除額が減り、201万円まで適用されます。

・扶養控除
自分以外に養っている家族がいる場合に、扶養者の税負担を軽くするための控除です。配偶者以外の小さな子どもやリタイアした親を扶養している場合に適用されます。

・障害者控除
自分または、控除対象の配偶者、扶養親族が障害者に該当する場合に適用される控除です。

・寡婦(寡夫)控除
夫や妻と死別または離婚した人で、諸々の要件を満たすと適用される控除です。見逃しが多い控除のため、シングルマザーなど、あてはまるかもという方はよく確認しましょう。

・勤労学生控除
学校に通いながらアルバイトなどをして働いている場合に、年収など一定の条件を満たすと適用される控除です。アルバイト先の会社に学校の証明書と控除申告書を提出します。

上記のほかにも、条件があてはまり、資料がそろっていれば年末調整できる控除として以下のものがあります。

・住宅ローン控除
住宅購入の初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は必要書類を控除申告書に添えて会社に提出することで年末調整での対応が可能です。

・ふるさと納税
ふるさと納税は寄付金控除に当てはまりますが、一定の条件を満たしていれば、年末調整での対応が可能となりました。ふるさと納税をしている人は必要書類等を確認して、会社に提出しましょう。

生命保険やiDeCoなど保険料の支払いに関する控除は4つ

電卓で計算しながら書類に記入
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次に、保険料を支払うことで適用される控除をご紹介します。

・生命保険料控除
生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合に適用されます。

・地震保険料控除
火災保険とセットで地震保険に加入しており、地震保険料を払っている場合に対象となります。火災保険だけでは対象となりません。

・社会保険料控除
自分または配偶者、その他の親族の社会保険料(国民年金、国民健康保険、健康保険・厚生年金保険など)を納めた場合に適用されます。社会保険料は、会社勤めであれば天引きで支払う際に控除が適用されていますが、何らかの事情で自分の分や家族の分を支払った場合は、その分を申告することで所得控除されます。

・小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済や確定拠出年金(iDeCo)の掛金を自分で支払っている場合、掛け金の全額が所得控除されます。

年末調整でできない控除の種類は3つ

薬局で買い物する女性
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年末調整ではできず、確定申告することで控除が適用される項目には以下のものがあります。

​・雑損控除
災害や盗難などで損害を受けた場合、その損失の一部を所得から控除できる制度です。

​・医療費控除/セルフメディケーション控除
医療費控除は、1年間の医療費が10万円を超えた場合、超えた金額を所得から控除できる制度です。2017年からはセルフメディケーション控除として、対象医薬品(市販薬)を年間12000円以上購入した場合に控除適用される制度が登場しました。医療費控除とセルフメディケーション控除は、どちらか一方を選択して申告します。

​・寄付金控除
国や地方自治体など、特定の団体に2000円以上の寄付をした場合、その金額を所得から控除できる制度です。


所得控除の項目、実はこんなにたくさんあったんですね!今まで気づかず見逃していた・・・という項目はなかったでしょうか?しっかりチェックして、1円でも無駄に支払う税金を減らして還付金を受け取りましょう!

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