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「お金おろせばいいやん、銀行いこ!」子どものお小遣い・金銭教育何歳から?

ためる 白浜 仁子

「お金おろせばいいやん、銀行いこ!」子どものお小遣い・金銭教育何歳から?

【画像出典元】「iStock.com/RichVintage」

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの白浜仁子(しらはまともこ)です。

お金は、機械(ATM)からいくらでも出てくるものと思っているお子さんはいませんか?実は、我が子がそうでした(汗)。今回は、子供のお小遣いはいつから始めるのがいいのか、小学生・中学生・高校生のお小遣いの平均金額は?使いみちやおすすめの管理など、子供の金銭教育に通じるお小遣いについてのお話です。

「お金おろせばいいやん。ギンコウいこっ」

2、3歳頃の長男の口ぐせ。お金は、機械(ATM)からいくらでも出てくるもの。そう信じて疑わない息子でした。お菓子やおもちゃ売り場で欲しいものがあれば泣き出し、「おろせばいいやん」のありさまなのでたまりません(=貯まりません。(笑))。ヤバイ・・教えなければ。

私が初めて「金銭教育」を意識したときだったかもしれません。
もちろん子供が悪いわけではなく、人間界のルールを知らないのだから当たり前ですが。僭越ながら、今回は、私の経験や考えを紹介していきたいと思います。どうぞお付き合いください。

お小遣いを始めるのはいつから?どれくらい?

支払いをする女の子
【画像出典元】「iStock.com/shironosov」

私は3~4歳から検討していいと思います。なぜなら、鮮明な幼児期の記憶があるからです。

幼稚園の年少組のころ、私のおもちゃ箱には、真っ赤なハート型のプラスチックケースがありました。そこには茶色のお金という物体が1枚。
おそらく誰かにもらったのだと思います。あるときふと、それがお金という「物体」から「価値あるもの」に見えてきました。
普段、母から買ってもらうように私も何か買えるはずだと。
近所の駄菓子屋へ一目散に駆け出し、棚の前でキラキラの眼差し。だって好きなものが好きなだけ買えるなんて夢のよう。

普段買ってもらえない大きな箱のお菓子や可愛いおまけが付いたお菓子。なかなか決められません。
どれだけの時が過ぎたでしょうか、心配した母が様子を見に来て「これしか買えんめーもん」と手のひらにチロルチョコを1つ。
夢は見事に砕け散りました。きっとこんな経験(失敗?)から、お金を学んでいくのだと思います。

幼児期の記憶に加え、3人の子育てをした立場からいえば、お金と交換するとモノが手に入ることは理解していますが、まだ価値は分かりません。だから3~4歳は生活を通して学び始める良い時期だと思うのです。

皆さんはどう思いますか?

お小遣いは定額制と歩合制のどっち?お小遣いの平均金額は?

定額制と歩合制のどちらでも多くのことが学べます。お金があれば欲しいものが手に入り、使えばなくなる、ムダ遣いをしていると本当に欲しいものが買えず大きな我慢をしなければならない、少しずつでも貯めていくと結構貯まる。でも、大きなものを買えばお金はあっという間になくなるなどです。

では、定額制と歩合制の違いはなんでしょう。例えるなら、定額制がサラリーマン、歩合制が自営業という感じかもしれません。

サラリーマンは、風邪をひいて数日休んでも収入を得られ先々の計画が立てやすいのが特徴です。1ヵ月の中で一定のやり繰りと決まった額の貯金をしていけば、そのうち大きな買い物ができるようになります。
一方、自営業は仕事をするほど収入は増えますが、風邪で休むと無収入になるため、不安定で先々の計画が立てにくい状況です。より“お金“について“リアル”に感じる立場ともいえます。

どちらがいいかは賛否両論あります。子供のうちからお金のためにお手伝いをする(働く)のは、家族の役に立つという本来の意味を見失うため好ましくないという意見があります。
一方で、お金は降ってわいてくるものではないこと、働く大切さを学べるという意見もあります。

ちなみに我が家は歩合制。定額のときもありましたが、そもそも頼んでも家の手伝いをしてくれないお恥ずかしい家庭でした。なのに、お小遣いをもらう時だけニヤニヤすり寄ってくる。
悶々としてきたので歩合へ変更(笑)。こんな感じで、親の考えや子どもの性格によって使い分けていいのかもしれません。

子供のお小遣いの全国平均は?小学生、中学生、高校生はいくら?

金融広報委員会の「子どものくらしとお金に関する調査(2015年)」によると、お小遣いは定額制が7~8割と圧倒的に多いようです。
また、お小遣い帳をつけているのは2~3割と少なく、なんと、というかやはり、つけている子供の方が貯金を多くしているという結果のようです。大人も子供も同じですね。

なお、お小遣いの金額は、小学生500~700円、中学生2000~3000円、高校生5000~7000円が最も多い金額とのこと。
私の感覚では高校生の7000円は多い気がしますが、塾に行く前にコンビニで買うおにぎり代なども含まれているとしたら妥当なのかもしれません。

お小遣いを決めるときに、子供にいくらいるのかをプレゼンさせて妥当な金額を決めていくのもおもしろいですね。

FPが説く子供の「お金」教育とは?

貯金箱を持つ女の子
【画像出典元】「iStock.com/Photodjo」

電子化が進み、かざすだけでモノが手に入る便利な時代になりました。金銭教育がより重要視される時代のようにも感じます。
たとえば、お小遣いからの貯金で株式や投資信託を買ってみるというのもいいですね。投資とはどんなものか、どんなリスクがあるのかを体感でき、自然に資産運用について学べます。

子供のお小遣いは、お金との距離感を学ぶ大切な役割をはたします。子供のうちに金銭感覚が身につけば、大人になってからのマネープランもきっと見事に熟していくことでしょう。

今回は、子供のお小遣いの平均金額、いつから始めるのが良いのかなど、自身の経験とFPとしての視点からお伝えしました。ぜひ参考にしてください。