新入社員諸君へ!!これが“陰謀論が渦巻く世間の歩き方”だ!!
【画像出典元】「Just dance/shutterstock.com」
監修・ライター
新入社員諸君!!そろそろどうだ!?壁にぶち当たってはいないか!?こんなはずじゃなかったよな!? いわゆる五月病の季節。弱った時の心の隙間には、『陰謀論』なるものが渦巻き、はびこるから気をつけろ!!こういう時の心がけを還暦を過ぎたワタシ(中村修治)が教えてあげる。
世間様の不安が好物の『陰謀論』。
世の中が不安になると「まことしやかな陰謀論」がSNSを駆け巡る。煙のないところに、火は立たない。誰かが仕掛けてないと説明もつかないことなら、その誰かを知りたくなるのは当然だ。
誰かが儲けて、誰かが損をしている。そんな合理がなくては落ち着かない。まぁ、そういうものだと思うので…どんな陰謀論も一旦は、あぁぁそうなのかぁ!?と、ワタシは聞くことにしている。読むことにもしている。でも、聞いた論を誰かに伝えようとは思わない。その流布を喜んでいる誰かがいると考えるのも、また合理だ。
事実は、誰かの思惑より生まれている。フィクションがノンフィクションになる。それが社会の実相であるなら、世界に生きる数十億人の人間は、そんなドラマ進行のエキストラである。どこまで行っても主役ではない。シナリオの全てを知っていると言いたい「賢そうなエキストラ」になりたいだけの話である。
真実などひとつではない。
「私は真実を知っている」「シナリオの真意を読んだ」というエキストラを、ワタシは、やっぱり信用できない。こんなことを書き続けていることも、陰謀論にささやかな抵抗をしていることも、たぶん、なんの役にも立たない。そんなこたぁ、嫌というほど分かっている!!
真実なんてひとつではない。この世にあるのは、一人ひとりの前に現れる事実だけである。そんなもんに振り回されるくらいなら、ワタシは、なーんも知らんかった市井のエキストラとして死んでいく。
我々は、どう生きたところで、結局は、誰かの合理の一部でしかない。
我々は“公”を生きている。
この世はすべて他力である。
ワタシという漢は、
他力の中で、誰かの他力となって生きていくだけのこと。
そう考えたら『陰謀論』などネタである。
世界とは、なんと面白いものなのだぁ!!ってことぐらいのコトで
誰かをタタキ、マウントするためのものでは、断じてない。
この世に一発逆転などないのだよ!!
アメリカのトランプ大統領が巻き起こした「自動車と自動車部品の輸入に25%関税」発表。この一発逆転政策を支持している層は、“強いアメリカ幻想”に憧れ続けている低所得者層である。このトランプ支持者の多くが未だに「関税は出荷元(中国やメキシコなど)が負担する」という懲罰のようなものだと勘違いしている人が大半だという。関税で打撃を受けるのは、中国製品を買っている低所得層や、輸入原材料に頼る中小企業なのに、その層こそが一番熱狂的に支持している。
この例のように、現代の陰謀の多くは「人生の一発逆転」の要素を含むので、貧窮している弱者に浸透する特性がある。言い換えると弱者ほど、陰謀論を支持し、願うように流布する。これでは、陰謀の主の思う壺ではないか!?
陰謀など解釈でしかない!!
情報は知識ではない。知識は知恵ではない。陰謀論は解釈でしかない。我々ごときの知ることのできる「情報」を“陰謀”であると流布する輩は、信用に値しない。
ワタシは、世界のことなど、何も分かっていない。
分かろうとしたって、もう複雑過ぎてお手上げだ。
今なお戦火のウクライナまでは、西に8300kmの距離がある。この絶対的距離を埋められる想像力などワタシにはない。今、おふくろが棲む横浜までは東に870kmある。この絶対的距離が、どれだけワタシを穏やかにしてくれているか。
…であるなら、今日を生きる。
目の前に現れ出でる人たちとの約束を守る。
その地続きが、未来であると確信することである。
そうして拡がって見えてきた世界の、
そのまた先に、未知なる世界が拡がっていく。
新入社員の諸君!!
良い社会人になるということは、
一発逆転などないものだと知り、
あなたが他力の中で、
誰かの他力になっていることを知ることなのだよ。
立ちはだかる“壁”を、
一つひとつ“扉”となるように歩いていくことだけである。