ふるさと納税の“ポイント三昧”が終わる!?ポイント還元終了はいつ
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「ふるさと納税」は税金が控除され返礼品が貰えるだけでなく、ポータルサイト等を通じてポイント還元を受けられることが魅力でした。しかしポイント還元について2025年10月より禁止される予定となっています。なぜこのような事態になってしまったのでしょう。
この記事では、ポイント還元が禁止される理由や損しないための注意ポイントを解説しますので、ご参考ください。
ふるさと納税とポイント還元の関係
ふるさと納税を行うと一緒にポイント還元を受けられていたことはご存じでしょうか。まずはふるさと納税とポイント還元の関係を解説しますので、ご一読ください。
ふるさと納税とは?
「ふるさと納税」は、自分の故郷や応援したい自治体など、自治体を自由に選んで寄附ができる制度です。寄附をすると実質自己負担額は2000円のみで税金の還付・控除を受けられ、さらに応援したい地域の名産品や宿泊券を返礼品として受け取れる制度です。
ポータルサイトを使えばポイント還元も受けられる
『ふるなび』『さとふる』『楽天ふるさと納税』『au Payふるさと納税』等のふるさと納税ポータルサイトでは、全国各地のふるさと納税情報が集約されています。こうしたポータルサイト経由で寄附の申し込みをすると「△△ポイントを○○%還元」のようにポイント還元を受けることができました。またポイントだけでなく、Amazonギフトカードやマイルで還元しているポータルサイトもあります。
このようにポータルサイトを利用すればプラスαのポイント還元を受けられるため、ふるさと納税の人気に拍車をかけていました。
ふるさと納税のポイント還元はなぜ禁止される?
好評であったふるさと納税のポイント還元がなぜこの度禁止されてしまうのでしょう。ここでは制度改正の概要や禁止される理由を解説します。
制度改正の概要
2024年6月28日、総務省より「ふるさと納税の指定基準の見直し等」が公表されました。「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」と明記されており、制度改正後は、従来のようにポータルサイトで申し込んでもポイント還元を受けられなくなるのです。なおこの制度改正は、2025年10月1日より適用されることが予定されています。
なぜ禁止される?
ポータルサイト側は、これまでサイト内にふるさと納税情報を掲載する代わりに自治体側から手数料を得ておりこの点が問題視されていました。また、ポータルサイトの間でポイント還元競争が過熱しており、還元率に目を奪われ自治体を選ぶユーザーも増えている状況でした。
ふるさと納税は、寄附者が応援したい自治体を支援するための制度であり自治体の財源確保を目的としています。そのため本来の趣旨に軌道修正するため今回の制度改正が行われたと考えられています。
「クレジットカード決済」のポイントは禁止されない
誤解されやすい点ですが、クレジットカード決済のポイント還元は制度改正後も禁止にはなりません。今回の制度改正でポイント還元が禁止されるのはあくまでポータルサイトを通じて付与されるポイントであり、クレジットカード決済のポイントは対象外となります。たとえば1%還元のクレジットカードを使いふるさと納税をした場合、従来通り1%のポイントを獲得できます。
楽天は反対、総務省を提訴
新たな動きとして2025年7月10日、楽天は今回の制度改正に反対し、総務省告示の無効確認を求める行政訴訟等を東京地方裁判所に提起しました。楽天側は「今回のポイント付与禁止の告示は、民間原資のポイントまでも禁止し、地方自治体と民間の協力、連携体制を否定するものであり、各地域の自律的努力を無力化するものです」と反対の姿勢を見せ、これに対し290万件以上の署名も集まっています。
これまでふるさと納税の普及にも大きく貢献してきた楽天による提訴となるため、今後の動向が注目されています。
ポイントが付く期限はいつまで?損しないための注意点
ふるさと納税の制度改正が近づく中、私たちはどのような行動を取れば良いのでしょう。ここではポイントが付く期限や損をしないための注意点を解説します。
ポイントが付く期限は9月30日まで
今回の制度改正によりポイント還元が禁止されるのは、2025年10月1日以降に付与されるポイントです。つまり2025年9月30日までに付与されたポイントであれば、これまで通りポイント還元の対象となります。
駆け込み需要の増加に注意
制度改正される前に、駆け込み需要で寄附が集中する可能性があります。人気の返礼品が在庫切れとなったり、配送時期が遅れたりするケースもありますので、できるだけ早めに申し込みを行いたいところです。
上限額を計算しておく
ふるさと納税の上限額は、その年の給与年収額、家族構成、扶養家族によって変わってきます。上限額を超えると超過分は全額“自己負担”となりますので、損をしないためには上限額をしっかりと計算しておくことが大切です。
上限額の目安値は総務省のふるさと納税ポータルサイトでまとめられており、ネット上には計算シミュレーションできるサイトも多々存在します。ただしネット上に掲載されている値はあくまで目安値であり、具体的な計算方法はお住まい(ふるさと納税翌年1月1日時点)の市区町村や税理士に問い合わせましょう。
クレジットカードを使う
繰り返しとなりますが、クレジットカード決済であれば制度が改正される2025年10月1日以降もポイント還元を受けられます。「○○カードで寄附すれば△%還元」といったクレジットカードを利用したキャンペーンが登場する可能性も考えられるため、この機会にクレジットカードでふるさと納税を行ってみるのも良いかもしれません。
以上、ふるさと納税のポイント還元の禁止について解説しました。
今後はポータルサイト経由でポイント還元を受けられなくなるため金銭的なお得感は減ってしまいますが、それがふるさと納税制度の本来あるべき姿とも言えます。ポイント還元率に惑わされなくなるこの機会に、自分が本当に支援したい自治体を探してみてはいかがでしょう。