「キャンプは楽しい」をみんなのものに。キャンプ女子のスタートアップ
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「キャンプは楽しい」をみんなのものに。キャンプ女子のスタートアップ

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コアなファンから最近始めた人まで、いま大きな盛り上がりを見せる「キャンプ」。福岡市で女性のキャンプデビューを応援する、その名も「キャンジョ」というサービスを立ち上げたのが、橋本華恋さんです。このサービスをなぜ始めて、いまどのように運営しているのかをインタビューしました。

Q.「キャンプ女子」とは、どんなサービスですか?

Q.「キャンプ女子」とは、どんなサービスですか?

「キャンプをもっと身近に楽しんでほしい!」というのが目的で始めました。サービスとしては、設営から撤収までをスタッフに任せて手ぶらで楽しめる「キャンシェルジュ」や、キャンプギア(道具)を持ってない人たちに貸し出すシェアリングエコノミー、女性向けのキャンプメディア「キャンジョ(@camjyo)」のSNS運営などがあります。2019年の7月からサービスを始めたばかりなので、どんなニーズがあるのかを探りながら、新しいサービスも検討しています。

「ホテルではなく、キャンプ場に泊まる」ということが日常になってほしいと考えています。キャンプは、自然の中に身を置いて、四季を感じることができます。土地に泊まった感覚が強く残るので、単なる宿泊が、忘れられない体験になります。さらに日本各地で言われている宿不足の解消のための一つのアイデアとなると思います。

これらを実現するのに、どんなサービスがあったらいいかな?と考えて立ち上げました。あ、「女子」と名付けていますが、どなたでも利用していただけます(笑)。

Q.なぜこの事業を立ち上げることになったのですか?

もともと会社に所属して営業の仕事をしていました。キャンプは趣味だったんです。時々キャンプの予約で不便なことが多いなーということを考えていました。設備の内容が分からなかったり、同じ情報で比較して予約までできるサイトがなかったり。とにかくキャンプ場ってアナログで、一つひとつ調べて、電話で予約、という感じなので。ホットペーパービューティーや楽天トラベルのキャンプ版みたいなポータルサイトがあればいいのに!と思いました。
仕事をしていても、自分の将来のビジョンが描けずにいたこともあって、「私が不便だなと思っていることは、きっと他にも同じように考えている人がいるはず。これを仕事にできないかな?」と考え始めたのが最初のきっかけでした。

Q.どのように準備を進めたのか、教えて下さい

事業計画などを自分で立てたこともなかったので、最初は会社に勤めつつ、福岡市がグローバルなスタートアップを育成するために募集していた「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA 2018」に参加しました。この時はインバウンドにキャンプ場を使ってもらうには?などの視点で企画を立てました。

よい経験になったのが、シリコンバレーへ研修に行ったこと。facebookやGoogleなど今をときめく企業も、最初は「こんなのがあったらいいのにな」という小さな動機から始まったと知って、勇気をもらいました。

その後「これはWEBの知識が必須だ」と感じ、プログラミングやエンジニアリングを学ぶ学校に通うことに。週末に学校があるので、ウィークデイに課題をこなす毎日でした。

この時に驚いたのが、「同世代の人たち、こんなに勉強しているんだ!」ということ。みんな仕事をしながら、新しいスキルを貪欲に学んでいて、最初は「まずい、これまでどれだけ時間をムダにしちゃったんだろう」と思いました。

Q.なるほど。大変さよりも、焦りが先にあったのですね?

けれど、この世界を知って足を踏み入れてからは、刺激が多くてわくわくしました。周りもがんばっているので、自分の励みにもなりました。

この時期に、「誰のために、何の会社を起こすのか?」ということを突き詰めて考えました。「キャンプのハードルを下げて、もっと多くの人に楽しさを知ってほしい」ということを実現するには、予約サイトを作ることだけが答えじゃないと考え、現在のようなサービスに発展していきました。

Q.サービスが立ち上がって、どんな使われ方をしていますか? お客さんからはどんな反応がありますか?

Q.サービスが立ち上がって、どんな使われ方をしていますか? お客さんからはどんな反応がありますか?

まずキャンプギアのシェアリングエコノミーサービスは、やはり「興味はあったけれど、なかなか踏み切れなかった」という方に人気です。女性同士、女性一人、ご家族など様々な方に利用していただいています。モノを保有するのが難しい、大学生の利用もあります。なるほど!と思ったのが、購入を検討しているキャンプ道具を、お試しで利用できていい!という意見をいただいたことでした。

男性が「今日は料理を使ってもてなすよ」と、女性をグランピングデートに誘うというシーンもありました。こんなふうに誘ってもらえたら、ステキですよね!

さらに、福岡市南区の油山市民の森の一画で、「油山グランピング」を行っています。これは、食材のみ持ってきていただければ、テントや必要な道具(テント・タープ・椅子・テーブル・食器等)を全てキャンプ場で貸し出し、設営も経験豊富なスタッフがサポートするというもの。こちらは「テントを立てたことがない」「子どもが調理をする時間がなかなか待てない」といったみなさんから好評です。

なんと会社の忘年会でこのスペースを利用していただいたことも。福岡市内から30分という立地のよさが功を奏したパターンですね。みなさん火を囲んで、ふだんとは違った忘年会を楽しんでくださいました。

Q.この仕事を始めてよかったと思うことはどんなことですか?

Q.この仕事を始めてよかったと思うことはどんなことですか?

キャンジョのInstagramを通じて、キャンプ愛好家の方たちを募ってイベントをしたことがあります。ごはんを食べてお酒を飲み、泊まる、というなにをするでもないイベントに15組60人くらいの人が集まってくれました。その時に、会った人たちが初対面とは思えないくらい、仲良くなったんです。なかなか大人になって友達になるのは難しいと思うのですが、自然と助け合う風景が見られて。しかもそこから仕事が生まれたりもしています。キャンプって、急速に人と人との距離を縮めるんだな、と改めて実感しました。

Q.「女性」で「起業する」ということについての特別な意識はありましたか?

よく聞かれるのですが、あまり「女性ならでは」みたいなことはないんですよね。男性も女性も、やったことがないことを始めるという意味では一緒じゃないかな? 私は一緒に起業した仲間がいたこともあって、人がいてくれることのありがたみは強く感じます。

起業したい!という希望を持つ女性たちの会で、お話をさせていただくこともあるのですが、「会社員でいることが辛くて起業するのはやめたほうがいい」とよく話します。

いまうちの会社は超ハードですよ! 朝8時から夕方6時くらいまではキャンプ場での仕事、それから事務作業を深夜まで。その間に、次の企画を考えるんですから。ところが肉体的にはハードですけど、おもしろいことしかないです(笑)。自分が考えてやったことが認められれば、それに対して対価が返ってくるのですから、すごく楽しい。まるでゲームみたいです。この感覚を楽しめる人は、起業に向いているかもしれませんね。

Q.ご自身のお金の使い方に変化はありましたか?

いまは創業期ということもあって、何にもお金を使う時間がないんです(笑)。自分自身について言えば、前ほど物欲がなくなったような気がします。

事業そのものは、メーカーさんの協力も受けて、自己資金で立ち上げることができました。今後展開によっては借り入れなどを検討することも出てくるかもしれませんが、成長のスピードに合わせて、自分たちらしくやっていきたいです。

Q.これからどんなことに取り組みたいですか?

Q.これからどんなことに取り組みたいですか?

今後は多くの人が日常的にキャンプを楽しみ、その先にある感動体験をもっと気軽に感じることができる世界にしたいです。

そのために、私たちは快適な場所を提供したり、ITの力を使って安心・安全な体験をも提供したり、キャンプに対するハードルを払拭し、キャンプで世界を変えていきたいです。

インバウンドに向けてキャンプ場を新たな宿泊施設として、提案もしていきたいですね。

キャンプ女子株式会社代表 橋本華恋

キャンプ女子株式会社代表 橋本華恋

1990年熊本県生まれ。会社員として働く中、友人に誘われキャンプに行ったことをきっかけに、キャンプに魅了される。2018年キャンプの楽しさを伝えるべく「キャンプ女子/キャンジョ」コミュニティを立ち上げ。2019年6月にキャンプ女子株式会社設立。

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