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平成が終わり、時代は令和へ。平成の終盤に異常に発展した携帯電話やスマートフォン、インターネットなどの通信機器やインフラのおかげもあって、私たちの生活環境は平成元年の頃と比べるとその有様を大きく変えています。そんな、まだ通信インフラも整っていなかった平成時代にヤングと呼ばれた人たちはすでに30代後半から50代へ。働き盛り真っ只中で、まさに今の時代を引っ張っているかつての平成ヤングたち。そんな彼らが、今現在ヤングを謳歌している令和ヤングの悩みや相談にアンサーする新企画『令和ヤングと平成ヤング』。令和ヤングにもおなじみ、福岡のウェブメディア「AFRO FUKUOKA」では令和ヤングの生態にせまるお話しを、こちら「mymo」では今や賢者となった平成ヤングのアンサーを、それぞれのマルチアングルコラボとしてお届けします。
令和ヤングと平成ヤング #1
質問する人
令和ヤング 高須ほのりさん(19歳・学生)
短大2年生。歯科衛生士になるために勉強中。高校生の時に始めたInstagramのアカウントは、サロンモデルとしての一面や、飾らない日常の投稿に注目が集まり、フォロワー1.5万人を超える。
答える人
平成ヤング 本城茂太さん(Hey&Ho オーナー)
波佐見焼メーカー「マルヒロ」の姉妹店「HEY&Ho.」を2015年にオープン。豊富な商品ラインナップと飾らない人柄が人気を呼び、県内外問わず訪ねてくるお客様も多い。
【令和ヤング 高須ほのりさんのお悩み】
「お金の管理が苦手でなかなか貯金ができません。アルバイトをレストランと居酒屋で掛け持ちしていて、遊びの資金はそこから出しているのですが、今月あといくら使えるとかどのくらい残っているのか考えずに予定を入れてしまいます。3月に海外旅行に行くという目標もあるのですが・・・。どうすればお金が貯まりますか?」
ー まずは今回の令和ヤングの高須ほのりさんは19歳ということですが、本城さんが19歳だった頃のお話をお聞かせいただけますか?
特にこれっていうやりたいこともなかったので、ひとまず海外に行こうと。で、言葉ももちろんわかってない状況でしたが、前準備もさほどすることなくヨーロッパへ行きましたね。
ーその時の旅行の資金はどうやって準備されたんですか?
ぜんぶスロットです(笑)スロットに行くといいと思いますよ。ビギナーズラックでいけますよ。僕は本当にスロットで50万円貯めてヨーロッパに行きました。ただ、その頃はまだパチンコ屋さんにモーニングっていう、朝一で並べば何台かに一台は当たるっていう、よくできた制度があったからできたことなのかもしれないですけど。
ーその50万円でどのくらいの期間滞在されたんですか?
1ヶ月半です。はじめはスイスに行って、パリへ行ったけどパリは自分にあわないなって半日で見切りをつけて、それからロンドン行ったんですけど、そこで詐欺にあってしまって所持金全部なくなっちゃって…。でもトラベラーズチェックだったので保険でその後一部帰ってきて助かったんですけど、その戻ってきたお金でスペインに行って、最後はイタリア。まぁ現地でいろいろありながらもなんとか生きていけてたんで、そのままずっといたかったんですけど、成人式があるってことでやむなく帰国しました。まさに19歳の時の話しです。
ー そこから社会人になっていくわけですが、最初のキャリアはどんなお仕事でしたか?
帰国の報告をするためによくいく洋服屋に行ったら、人が足らないから働かないかって誘われて、まぁ何もプランもなかったしいいかと思って働いてたらあっという間に15年経ってしまって(笑)で、さすがにそろそろだなってことで辞めた頃にちょうど東北の震災があって、何かできればということで、九州の野菜を東北に送るっていう仕事をしばらくやってたり、造園屋さんやったり、といっても草むしりばっかりでしたけど(笑)で、さすがに親に心配されてしまって、親の紹介でしばらくサラリーマンとかしてました。
ーではなにか目標やプランがあってという感じではなかったわけですね。
そうそう。だから僕なんかの話しが参考になるとは思えないんですけど(笑)サラリーマンの頃に結婚もしまして。ちゃんとしないとなぁなんて思いながらも、サラリーマンがほんと向いてなくて。入社して一週間で気づいたものの、なんとか三年やり遂げて、いや、遂げてないか(笑)ちょうどそのころ北九州に住んでいたんですけど、嫁が北九州より福岡が好きな人で、先に子どもも連れて福岡に帰っちゃったんですよね。だからいい機会だなぁということで僕も会社やめて福岡に戻ってきたわけです。だからまぁノープランですね完全に。
ーそこから今のHey&Hoへのつながりがなかなか見えてこないですね(笑)
そうですよね、僕も福岡に帰ってきた時は何も考えてなくて。でもなにかしないとまずいとは当然思ってるわけですよ。で、たまたまその時に昔からよく遊んでいた友人が地元の波佐見で面白いことを始めたと聞いて、根拠とか自信とかそういうのは全くなかったんですけど、なにか楽しそうと思ったんでしょうね、すぐに電話して、福岡でお店やるから商品の取り扱いをさせてくれって話したら、いいよってことになって、わずか5分で話しが決まって。さぁお店やるかという感じで始めたのがこの店(Hey&Ho)だったんです。だからめちゃくちゃこれがしたい!という想いではなくて、僕の場合はめちゃくちゃサラリーマンを辞めたい!という想いが強すぎて今があるという感じです。これ、ちゃんと記事になりますかね(笑)
ー 結構その時その時の流れに身を任すタイプなんですかね?
ですです。流れには逆らってないですいっさい(笑)その時その時の流れに身を任せているうちに結婚もしちゃったし子どももいるし、気づいたらお店はじめてたみたいな。あえていうなら、サラリーマンをむりやり辞めたくらいですかね、流れに逆らったのは。
ーそれはそれでスタイルとして後悔とかはないですよね。
ないない。ないどころかそれでよかったと思ってる。だから、今の若い人とかにアドバイスできるとしたら、ほんとあまり先のことを考えすぎて動けなくなっちゃうくらいなら、やりたいこととか好きなことに没頭したほうがいいと思います。最近は車も買わないとかお酒も飲まないとかって子が多いでしょ?たぶんリスクヘッジっていうのかな、そういうことを考えすぎな気がする。だから今回お話しをくれたこの子の「やりたいこと、好きなことが多くてお金が貯まらない」っていう悩み、すごくいいことだと思うんですよ。ちゃんと最近の若い子にもこんな俗っぽいことをちゃんと言ってくれる子がいるんだって思ったら、僕は嬉しいですよね。だからそのままお金貯めずに遊んだらいいよねほんと。親御さんに怒られるかもしれないけど。ていうかこれ記事になります?(笑)
ー失敗しないとわからないことってたくさんありますしね。
そうね。ほんとそうだと思います。僕はもう失敗だらけだから、といっても失敗に気づいていないこともたくさんあるだろうから、自分で思うよりもっと失敗だらけなんでしょうけど、今はこうして一応なんとかなってるし、そんなに早くにちゃんとしようと思わなくていいよ。
それに若いうちは失敗しても周りがなんとかしてくれるし。あとはいっぱい外で遊んだりしないと、友達もあまり増えないというか、人間関係が小さくなっちゃうでしょ?それがほんとよくないと思う。
ー高須さんはほぼ毎日誰かと過ごすくらい一人が嫌な性格らしいですよ
最高だね、それが一番いい。僕も結局はこの店のはじまりにしろ、ロゴのイラスト(NONCHELEEEさん)にしろ、これまで遊びまくってきた周囲の友人たちのおかげで全部なりたってるから。だからよく考えてみると「毎日友達と遊びすぎてお金がなかなか貯まりません」って最高じゃないかな。きっとこの子は将来今の友達や今過ごしている時間に救われることがあるかもしれないよね。しかも将来は歯科衛生士の資格をとるっていうから、もう最強でしょ。僕なんかがあれこれ言うことないよ。
ー しいて何かアドバイスするとしたら?
うーん、ほんと何もないけど、しいて言うならこの子は結婚願望あるんですかね。
ー結構強めにあるとのことでした。
あーー、そこかな。結婚ははやまらないほうがいいかも。あくまで個人的にではあるけど、僕が19歳に戻るとしたら結婚はもうすこし後にしたかなぁ。
ーでもご結婚されてお子さんもいらっしゃったからサラリーマンを辞めて福岡に戻ってこられてると考えたら、それもよい流れの一つだったのかもしれませんね。
んーーー、そうですね(苦笑)そうかぁ、確かにそうかもなぁ。…でももうちょっと後でもよかったなぁ(笑)19歳に戻るとしたら結婚はもうすこし後にしたかなぁ。
今回の平成ヤングからのアンサー
失敗は恐れずにどんどん外へ出かけてお友達を増やしましょう。きっとそのつながりや時間が将来大切な財産になってあなたを救うことになるはずです。