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ドコモ?楽天?ポイント投資は最強のお金の勉強!初心者向けFP解説

ふやす 中村 賢司

ドコモ?楽天?ポイント投資は最強のお金の勉強!初心者向けFP解説

【画像出典元】「iStock.com/PeopleImages」

皆さんは、買い物で貯まったポイントをどのように使っていますか。マイルに変えたり、他のポイントへ移行したりと、使い方は色々ありますが、特に使い道が決まっていなければ、そのポイントで投資を始めるのはいかがでしょうか。

今回はドコモのdポイントや楽天市場の楽天ポイントなど、貯まったポイントを使って気軽に投資ができる「ポイント投資」について説明します。初心者にも分かりやすいよう、ポイント投資の運用先やメリット・デメリット、商品の選び方なども解説しますので、最後までお付き合いください。

1 気軽に始められるポイント投資の仕組みと種類

ポイント投資とは、ポイント制度を使って資産運用ができるサービスです。最近さまざまな企業がポイント投資サービスに参入して種類が増えてきており、投資をしたことがない人であっても、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

何を隠そう、私もポイント投資をしています。投資したポイントが毎日変動するのを見ているだけでもワクワクするものです。購入している銘柄は、投資の定番といわれる米国大型株指数と連動するETF。セゾンカードで貯まった永久不滅ポイントを運用しています。積み立て設定ができるので、売買のタイミングに迷うこともありません。また、Tポイントを活用してSBI証券で現金化し、国内外の株式投資信託を購入しています。

1-1 ポイントで投資を始めるのに必要なことは

ポイント投資をするためには、まずある程度溜まったポイントが必要です。世の中にはさまざまなポイントがありますが、ポイント移行制度を使って、まとめられるものはひとつのポイントにまとめることで、ポイント投資が始めやすくなるでしょう。また、ポイントの種類によっては、何の手続きも必要なく始められるポイントや、証券会社に特定口座を開設しないと始められないポイントもあります。

何か景品に交換するほど貯まっていないポイントや、有効期限が迫っているポイントを、後述するポイント投資ができるポイントへ移行して、ある程度まとまったポイント数にしてからポイント投資を始める準備をしてみましょう。

1-2 ポイント投資には「ポイント増減型」と「現金購入型」の2種類がある

ポイント投資には、ポイントをそのまま投資するサービス「ポイント増減型」と、ポイントを一度現金化して投資する「現金購入型」の2種類があります。

ポイント増減型は、ポイント数が増えても税金はかかりませんが、現金購入型の場合は、利益に対して税金がかかります。しかし現金購入型の場合、NISAやつみたてNISAの制度を利用することもできるので、ポイント投資でも非課税制度の恩恵を受けることができます。特定口座や総合口座でポイント運用した場合は、通常の投資同様、利益に対してはおよそ20%の税金がかかります。

具体的には、dポイントや永久不滅ポイントが「ポイント増減型」、楽天ポイントやTポイントが「現金購入型」で運用することとなります。

2 ポイント投資のメリット・デメリットは

スマホを見ている主婦
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2-1 ポイント投資を行うメリットとは

ポイント投資は、100ポイント(100円相当)から購入できる会社が多く、少額から投資できるため、まとまったポイントがなくても気軽に始められます。投資したポイントが仮に減ってしまい損をしたとしても、実際にお金を使っていないので諦めがつきやすいことがメリットといえます。

また、今まで投資をしたことがないという初心者にとっては、実際のお金を使わずに投資の疑似体験ができるので、投資の勉強になります。これも大きなメリットですね。普段は投資しないようなハイリスクハイリターンの運用にもチャレンジできると思います。実際にポイント投資をしている私も実は、ハイリスクハイリターンの運用で一部のポイントを運用しています。投資初心者はまずポイント投資から始め、慣れてきたら実際に自分のお金を使って本当の投資を始めてみましょう。

2-2 ポイント投資のデメリットやリスクは

ポイント投資は少額で行える一方で、もし増えたとしてもリターンが少なく、投資の魅力を感じにくいのがデメリットといえるでしょう。更に期間限定ポイントなどはポイント投資に使えない会社が多いようです。また、投資なので増えることもありますが、購入時のポイント数(価格)よりも下がることもあります。

また、現金購入型の場合、証券会社が破綻しても自分が購入した投資信託は保護されますが、ポイント増減型の場合は保護されない可能性が高いという違いもあります。更にポイント投資をしている本人が亡くなった場合も同様で、現金購入型の場合は投資信託などを相続人が相続できますが、ポイント増減型の場合はそのポイントを相続することができないケースがほとんどです。

3 ポイント投資を選ぶ判断基準は

まず投資初心者は、dポイントや永久不滅ポイントのポイント投資がおすすめです。この2つのポイント投資は、ポイント増減型なので証券会社に口座を開設する必要はありません。それぞれの専用サイトから「ロボットアドバイザー」や「テーマ型投資」を選ぶという流れなので、手続きがとても簡単です。実際に私も永久不滅ポイントを運用していますが、手続きは3クリックほどで完了しました。初心者にとって難しい銘柄選びがなく、大まかな投資方針だけ選択すれば良いところがおすすめのポイントです。

投資経験者は、楽天ポイントやTポイントがおすすめです。ポイント投資といっても証券口座を通じて直接投資信託や株を購入する流れなので、自分で銘柄を選ぶ必要があります。更に楽天ポイントは楽天証券に、TポイントはSBI証券やSBIネオモバイル証券に、それぞれ証券口座を開設する必要があるので、既に口座をお持ちの方は追加購入をポイントで購入できるのが魅力のひとつです。

それぞれの証券会社は100円(100ポイント)から投資信託を購入することができるので、ポイントが100ポイント以上貯まっていれば投資信託の購入を検討してもよいでしょう。

3-1カードのポイント還元率が高いか低いか

ポイント投資に使われるポイントは、クレジットカードなどを利用したときに還元されるポイントですが、それぞれカードの種類によってポイント還元率が違います。

dポイントは1.0%~4.0%、楽天ポイントは1.0%~5.0%、永久不滅ポイントは0.5%~1.0%、Tポイント0.5~1.0%となっており、同じポイント制度でもカードの利用頻度や条件によってその還元率は異なります。知らず知らずのうちに貯まっていくポイントですが、還元率の高い会社をうまく利用してみましょう。

3-2運用方法は自動か手動か

次にポイント投資の運用方法について説明します。ポイント投資の運用方法には大きく分けて現金購入型とポイント増減型があることは先に説明した通りですが、現金購入型は自分で銘柄を選ばないといけないので「手動」で行うポイント投資といえるでしょう。一方でポイント増減型の方は、ロボアドバイザーやテーマ型投資といったように投資先さえ選べば後は「自動」で運用を行ってくれます。つまり現金購入型が「手動」であるのに対し、ポイント増減型は「自動」でポイント投資ができるといえます。

3-3どこに投資できるか

投資対象には、投資信託やETF(上場投資信託)、ロボアドバイザーやテーマ型投資があります。投資信託を購入できるのは、楽天ポイントやTポイントのように証券口座が必要とされるポイント投資で、楽天証券やSBI証券で扱っている投資信託を全て購入することができます。単位も100ポイント(100円)から投資できるので気軽にスタートできますね。

また株式会社お金のデザインが提供するロボアドバイザー「THEO+」で運用できる会社もあります。ロボアドバイザーであれば、自分で投資先を選ばなくていいので、ポイント投資のハードルは更に下がり投資が始めやすいですね。

他にも日経平均に連動するETFや、テーマ型投資というものもあります。テーマ型投資とは、新興国、生活必需品、ヘルスケアといったテーマに沿った会社に投資を行うもので、ブラックロック・ジャパン株式会社が提供する投資信託です。これらも自分で銘柄を選ぶ必要がないので、ロボアドバイザー同様初心者に向いています。

3-4 現金とポイントどちらが増えるのか

現金の投資とポイント投資を比較した場合、どうしてもポイント投資の方が少額となりますので、その分利益も少なくなります。大きな金額を投資したいという人は実際に貯金等の一部の現金を投資に回しても良いと思います。

たとえば運用益が5%だったと仮定すると、100円(100ポイント)の5%は5円ですが、100万円の5%は5万円です。

4 各社ポイント投資の特徴をおさえよう!

投資でお金が増える
【画像出典元】「iStock.com/Indysystem」

ポイント投資ができるサービス会社は複数社ありますが、自分に合った投資スタイルを選ぶと良いでしょう。主なサービス会社4社を比較してみました。

ポイント投資 主なサービス会社一覧

ポイント

運営会社

銘柄選び

運用種類

証券口座

開設

投資対象

dポイント

NTTドコモ

自動

ポイント

不要

ロボアドバイザー、
テーマ型投資(ETF)

永久不滅

ポイント

クレディ

セゾン

自動

ポイント

不要

投資信託、

ETF、
株式コース

楽天ポイント

楽天ポイント

クラブ

自動

ポイント

不要

投資信託

楽天ポイント

楽天証券

手動

現金

必要

投資信託、

ETF、
株(10/28~)

Tポイント

SBI証券、

SBIネオ

モバイル証券

手動

現金

必要

投資信託、

ETF、株

dポイントは、運用を全てAI(人工知能)にお任せする「ロボアドバイザー」か、今後成長が見込める分野を選択する「テーマ型投資」を採用しています。テーマ型投資の中には「新興国」、「コミュニケーション」、「生活必需品」、「ヘルスケア」などのテーマがあるので気になる分野を選択してみてください。 

永久不滅ポイントは、投資信託の場合はアクティブコースかバランスコース、日本株かアメリカ株に連動するETF、この4つから選択します。また、株式コースとして日清食品、カルビー、ホンダの株価に連動するコースも選択することができます。

楽天ポイントは、ポイント増減型か現金購入型の2種類から選ぶことができます。ポイント増減型の場合はアクティブコースかインデックスコースを選ぶだけです。現金購入型の場合は、楽天証券が扱う投資信託およびETF(上場投資信託)、株式(2019年10月28日スタート)をポイントで購入することができます。

Tポイントは、SBI証券が扱う投資信託およびETFを購入することができます。更に最近設立したスマホ専用証券会社のSBIネオモバイル証券で株を購入することができます。どちらもご自身で銘柄を選択しないといけないので、投資経験者に向いています。

「ポイントで稼げるって本当?」楽天・dポイント投資が人気の理由

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まとめ

すでにポイント投資を始めている私は、色々試してみたかったので、永久不滅ポイントで海外ETFを毎月一定額積み立てる設定をしています。楽天ポイントではポイント運用を選びアクティブコースで、TポイントはSBI証券で投資信託を購入しています。ただし、これはあくまで私の実験例なので、投資初心者の方はまず、どれかひとつのポイントにまとめて運用されることをおすすめします。

ポイント投資は、投資デビューのきっかけには最適です。まだ投資をしたことがないという人には特におすすめです。実際に自分のお金を運用するわけではないので、懐が痛まない分、気軽にスタートできます。貯まったポイントはなかったものとして、リスクとうまく付き合い、投資デビューのきっかけにしてください。