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妻が知らない!? 夫の確定拠出年金の活用法

そなえる 白浜 仁子

妻が知らない!? 夫の確定拠出年金の活用法

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今熱い! 確定拠出年金制度。この制度は、老後資金を準備するのに“最強“といわれ、今ブームを巻き起こしています。タイトルを「妻が知らない・・」としたのは、普段のライフプラン相談で、夫の勤め先に確定拠出年金制度があることを知らない(または、忘れている)妻が意外と多いと感じることからです。そこで今回は、専業主婦が確定拠出年金制度を検討するときの考え方をお伝えします。

ブームなのは「個人型」!?

悩む主婦

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この制度は、もともと2001年からあったものが今年1月に法改正され、これまで対象外だった専業主婦や公務員などを含め、ほぼすべての人が利用できるようになったことが火付け役となりました。

制度の概要は、以前書かせていただいた記事をご参照いただければと思いますが、最大の特徴は、掛け金や運用益に対する税の優遇が大きいことがあげられ、“最強”といわれるゆえんとなっています。

【そなえる】最強の老後資金の作り方! 確定拠出年金って知ってる?

確定拠出年金制度は、大きく分けると個人で加入する「個人型(愛称:イデコ)」と企業が導入する「企業型」の二つに分けられ、今、注目が集まっているのは、法改正で対象者が拡がった「個人型(イデコ)」の方です。

ただ、専業主婦、またはパートの主婦が個人型(イデコ)を検討するなら、まずは、夫の職場に企業型がないか確認することから始めてほしいと思います。

夫の職場の福利厚生をチェック

大勢の会社員

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現在、確定拠出年金を導入している企業は約2万5000社あり、サラリーマンの6人に1人が加入している状況です。もしかしたら旦那さんの職場にもこの制度があるかもしれません。

企業型は、会社が掛け金を出してくれるケースや制度の枠組みだけ提供してくれるケースなどそれぞれですが、「マッチング拠出」や「選択制」の仕組みがあるならしめたもの。夫の確定拠出年金で積み立てた方が有利になります。その理由は二つ。

理由1:節税メリットを最大限に活用できる

専業主婦より、所得税や住民税をしっかり納めている夫の方が、税制メリットが大きくなります。

たとえば、35歳の夫(年収550万円)が、毎月2万円ずつ積み立てた場合、節税効果は年間約4万8000円、60歳までの25年で約120万円にもなります(※)。専業主婦、またはパートの妻は、取りもどすだけの税を払ってないので夫の方が有利というわけです。また、前述の「選択制」の確定拠出年金を採用している企業の場合は、さらに、社会保険料が軽減されるメリットもあります。

※所得税10%、住民税10%で試算

理由2:コストを節約できる

制度の利用時にかかる口座管理料等のコストは、通常、会社が負担してくれます。

個人型の場合は、金融機関によって、加入時に3000円程度&ランニングコストとして毎月200円弱~600円ほどがかかります。数百円でもちりも積もれば山で、トータルで数万円~数十万円の負担になりますね。


このように、確定拠出年金で積み立てるなら、まずは、夫の勤め先に制度はないかを確認し、もしないのなら、個人型で積み立てることを検討。妻が専業主婦のケースでは、節税効果が高い夫が積み立てる方が有利です。

老後資金を作るには最強の確定拠出年金制度。上手に活用して、充実したリタイア生活に備えましょう。