意外!電気代コスパ最強の暖房器具はアレだった
目次
冬の電気代に大きく影響を及ぼす「暖房器具」。暖房器具にはエアコン・石油ストーブ・ガスファンヒーター・電気ストーブなどさまざまなタイプがありますが、実際のところ、電気代が安くコスパのよい暖房器具はどれなのでしょう。今回は、冬に使う暖房器具の性質、またコスパのよさについて、徹底比較していきます。
コスパを考える前に、まずは各暖房器具の「性質」を理解しよう!
たとえば「エアコン」は、広い部屋を暖める能力に優れていますが、部屋を乾燥させやすいというデメリットがあります。
「石油ストーブ」は、エアコン同様に広い部屋を暖められ、かつ乾燥にも強いですが、その分、部屋の換気や灯油の入れ替えなどの手間が発生します。
近年人気の「セラミックファンヒーター」は好きな場所に手軽に設置できるメリットがありますが、その分暖まるまで時間が掛かり、暖められる範囲も狭いというデメリットがあります。
暖房器具は「部屋を適切に暖められるか」、「日々快適に利用できるか」という部分も重要なので、まずはそれぞれの器具の「性質」をよく理解しておく必要があります。
それでは、身近でポピュラーな以下5タイプの暖房器具について、それぞれの性質をわかりやすく比較解説していきます。
<比較する暖房器具>
・エアコン
・石油ストーブ
・ガスファンヒーター
・セラミックファンヒーター
・電気ストーブ
エアコン
・暖め方・・・「ヒートポンプ技術」で暖気(もしくは冷気)を作り出し、部屋全体を暖める
・暖まるまでの速度・・・やや速い
・暖まる範囲・・・広い
・向いている場所、使い方・・・リビングなどの広い部屋
・メリット・・・広い部屋をしっかりと暖められる、灯油やガスより安全面で優れている
・デメリット・・・部屋を乾燥させやすい、フィルターが汚れているとホコリや悪臭が漂う、 業者による工事が必要で設置後に移動や持ち運びができない
石油ストーブ
・暖め方・・・「灯油」を使い、中心にある燃焼筒を燃焼させ、発生する赤外線の力で暖める(芯式の場合)
・暖まるまでの速度・・・速い
・暖まる範囲・・・広い
・向いている場所、使い方・・・リビングなどの広い部屋、コンセントのない広い部屋
・メリット・・・灯油の燃焼で蒸気が発生するため乾燥防止になる、乾電池のみで利用できるためコンセントは不要
・デメリット・・・灯油の燃焼により二酸化炭素などが発生するため換気が必要、定期的に給油が必要、熱源は高熱になるため触ると火傷などの危険性あり
ガスファンヒーター
・暖め方・・・ガスで熱を発生させ、発生した熱をファンの力で放出
・暖まるまでの速度・・・速い
・暖まる範囲・・・広い
・向いている場所、使い方・・・リビングなどの広い部屋、「ガスコンセント」のある部屋
・メリット・・・広い部屋でもしっかりと暖められる、ガスの燃焼で蒸気が発生するため乾燥防止になる
・デメリット・・・基本的には近くに「ガスコンセント」が必要、ガスの燃焼により二酸化炭素などが発生するため換気が必要
セラミックファンヒーター
・暖め方・・・電気で内部のセラミックを暖め、発生した熱をファンの力で放出
・暖まるまでの速度・・・遅い
・暖まる範囲・・・狭い
・向いている場所、使い方・・・台所や脱衣所などの狭い部屋を程よく暖めたい場合に利用
・メリット・・・軽量コンパクトな製品が多くさまざまな場所に設置できる、「マイナスイオン発生」や「加湿」など機能が豊富、デザインがオシャレな製品が多い
・デメリット・・・暖まるまで時間がかかる、暖められる範囲も狭い、消費電力が大きい
電気ストーブ
・暖め方・・・電気を使い、ハロゲンランプから発生する放射熱で周囲を暖める(ハロゲンヒータータイプの場合)
・暖まるまでの速度・・・とても速い
・暖まる範囲・・・とても狭い
・向いている場所、使い方・・・足元などに置き、自分の近くのみを暖めたい場合に使用(局所暖房)
・メリット・・・暖まるまでの速度が最も早くスピーディに周囲の温度を上げられる、軽量コンパクトな製品が多くさまざまな場所に設置できる
・デメリット・・・部屋全体を暖めることは難しい、熱源は高熱になるため触ると火傷などの危険性あり、消費電力が大きい
電気代(燃料代)の安い暖房器具はどれ?
それでは本題となる「電気代(燃料代)」について、前述した5タイプの暖房器具の電気代をシミュレーションしていきます。
エアコンの電気代
エアコンの電気代は、「1時間あたり最小約2.8円~最大約39円」が目安となってきます。
※パナソニックCS-X229C(6畳用)の場合。
※電気代の単価は「公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会」が規定する27円/kWhで計算。
パナソニック 1時間あたりの電気代って何円くらいなの?
石油ストーブの灯油代
石油ストーブの灯油代は、「1時間あたり約17円」が目安となってきます。
※コロナ2215Y(6畳用)の場合。
※3.7L(タンク容量)÷17時間(燃焼継続時間)×80円(灯油代を1L=80円で想定)で計算。
ガスファンヒーターのガス代+電気代
ガスファンヒーターのガス代+電気代は、「1時間あたり約11円」が目安となってきます。
※大阪ガスの計算値を参考。
大阪ガス ガスファンヒーターが選ばれる8つのワケ
セラミックファンヒーターの電気代
セラミックファンヒーターの電気代は、「1時間あたり約27円」が目安となってきます。
※日立HLC-R1040(3~7畳用)のメーカー公表値を参考。
日立HLC-R1040 セラミックファンヒーター
電気ストーブの電気代
電気ストーブの電気代は、「1時間あたり約27円」が目安となってきます。
※日立HLH-HS307のメーカー公表値を参考。
日立HLH-HS307 ハロゲンヒーター
最も電気代(燃料代)の安い暖房器具は「エアコン」だった
今回紹介した5タイプの暖房器具の電気代(燃料代)の安さをランキング化すると、以下のようになります。
<電気代の安さランキング>
1位・・・エアコン(1時間あたり最小約2.8円~最大約39円)
2位・・・ガスファンヒーター(1時間あたり約11円)
3位・・・石油ストーブ(1時間あたり約17円)
4位・・・セラミックファンヒーター(1時間あたり約27円)
4位・・・電気ストーブ(1時間あたり約27円)
最も電気代が安いのは「エアコン」です。
エアコンは、部屋の温度が安定し「弱運転」で稼働させれば、1時間あたり最小2.8円の電気代で済みます。
ただし注意したいのは、エアコンの電気代には波があり、使い方や環境によっては電気代が高くなることもありますので、その点は頭に入れておく必要があります。
<エアコンの電気代が高くなるケース>
・強運転を続ける
・設定温度を高める
・外気温が低い環境であり、設定温度との差が大きい
・頻繁にスイッチをON・OFFするような使い方をする など
本来であれば1円あたりのエネルギー効率性は、電気よりもガスや灯油の方が優れており、ガスを使う「ガスファンヒーター」や灯油を使う「石油ストーブ」の燃料代も良好です。しかし、それでもエアコンには勝てません。
というのも、エアコンは「ヒートポンプ技術」という独自の方法で電気を熱に変換しています。
これにより例外的な電気代の安さを獲得しているのです。
一方で「セラミックファンヒーター」や「電気ストーブ」のような、エアコン以外の電気を使う暖房器具については、ご覧のとおり電気代が一回り高くなってしまっています。
本体価格の比較:買うときはどれが一番安い?
最後に、コスパを考える上では「本体価格」も重要になってきます。
本体価格については、メーカーや機種、また購入する販売店などでも異なりますので、おおよその目安として紹介していきます。
<本体価格の目安>
エアコン・・・約4万円(工賃別途)~
石油ストーブ・・・約7000円~
ガスファンヒーター・・・約1万7000円~
セラミックファンヒーター・・・約1万円~
電気ストーブ・・・約3000円~
最も価格が安いのは電気ストーブですが、電気ストーブは部屋全体を暖めることはできないため、これだけで冬を越すのは難しいでしょう。また、前述したように電気代も高めです。
エアコンは電気代は安いものの、本体価格が最も高く、長く使わないと元は取れません。
最もコスパが良いのは?
「石油ストーブ」は、燃料代も安く、本体価格も約7000円~とリーズナブルですので最もコスパの良い暖房器具です。それでいて、部屋全体を暖める能力も持っているので、石油ストーブ一台で冬を越すこともできるでしょう。
とはいえ石油ストーブにも、換気や灯油の入れ替えが必要であったりと、なにかと弱点もありますので、パーフェクトな暖房器具というわけではありません。