「豊かな未来」は狙って手に入れよう!
監修・ライター
「貯金ができない!」「お金に弱い!」という人、大歓迎の、泉先生のお金アカデミー。
ここでは毎回、お金のプロ・泉正人先生が、社会に出て約5年になる20代のAくん、Bさんに、お金のことをもっと身近に、楽しく考えてもらえるようなレクチャーを行っています。お金について知ることができた人には、今よりももっと自由な日々が待っている!
みんなで一緒に「人生の貯金額」、どんどん増やしちゃいましょう!
経済的、心理的に自立した人生ってどんなもの?
さて、ここまでお金について様々なことを伝えてきたけれど、ふたりにとって今、お金とはどんな存在かな?
存在ですか。う~ん、強くて頼もしい存在?
少しずつ、距離が縮まってきた友達みたいな存在かなぁ…。
なるほど。ちなみに僕にとってもはやお金は、「空気」のような存在なんだ。
空気!
それって、「ある」ことが当たり前っていう感覚ですか?
そうとも言える。「お金の教養」が身につくと、お金を意識せずに生活ができる状態になり、お金が空気のような存在になるんだ。
先生、いくらでも使えるくらい、お金持ちってことじゃないですか!いいなぁ。
いやいや、ここで言う「お金を気にしない生活」というのは、端的に言えば、「ものごとの判断基準がお金ではなくなる」ということなんだよ。
どういうことですか?
「無駄遣いをやめないと」とか「節約しなくては」といったことを特に意識することなく、普段通りに生活できてお金が貯まり、本当に自分が好きなこと、必要なことにお金を使えるようになることだよ。
わ~、経済的にも心理的にもすごくラクな状態ですね!
さらに、お金の教養が身について経済的・心理的に自立した状態になると、自分のためではなく、自分以外の人のための文化の継承のため、社会貢献のためなどにお金を使うようになれるんだ。
富豪の人や海外の映画スターとかが寄付やボランティアに積極的なのは、そんな思いがあるからなのかなぁ。
そうかもしれないね。自分のためだけにお金を使っていた頃よりも、何倍も人生が豊かになったと感じられると思うよ。
人からも感謝され、心も豊かになる。素敵ですね!
そう。しかも一度「お金の教養」を身につけることができれば、生活のためではなく、自分のやりたい仕事、やりがいを感じることに没頭できる環境が手に入り、何ともいえない幸福感で満ち足りた気持ちになれ、見返りを求めずに人のため、世のためにどう生きるかを考えられる気持ちの余裕が持てる、というように、雪だるま式にさらなる豊かさを享受できるようになるんだ。
僕も早く、その域に到達したいです!
そのためにはまず、私たちもお金ではない自分の価値観で、ものごとを判断できる人にならなくちゃ。
さらにこの考えは、仕事にも活かせるんだ。最初、仕事は苦労するものだけど、しばらくすると、雪だるま式に覚えることができるよね。
確かに。最初は何事にも手間や時間がかかるけど、徐々に頭を使わなくても適切な判断ができるようになります!
成功者は、さらなる成功を引き寄せる力を持ち、落伍者は失敗を引き寄せてしまいがち。だからこそ、スタートで転ばないようにしよう!
はい!
お金が持つ見えない価値を意識しよう
ねぇBさん、自立した豊かな人生を切り拓くためには、お金が持つ「見えない価値」を知ることが重要なんだよね。それって、#10 (かしこくお金と付き合いたい! 誰も教えてくれない「資産」のこと)で知ったマイホームの選び方みたいに、今、目の前にあるお金だけで判断してはいけないことだと思うんだけど、身近なところで他にどんなことがあると思う?
いろんな場面で出てくると思うんだけど…ぱっと思いつかない!悔しい!
それならこんな問題をふたりに投げかけてみよう。大雨の日に、会社から取引先に行かなければいけない状況にあったとする。いつも利用する電車ならば200円。一方で、タクシーを使えば2000円かかる。さぁ、どちらを選ぶかな?
そりゃあ電車ですよ! タクシー1回分で電車に10回も乗れますもん。
私も!そのタクシー代を払うなら、いいランチを食べたいって思っちゃう。
なるほど。無駄なお金を使わないという意味では、電車を使うべきだといえるかもしれないね。でも大雨の中を歩いていけば、「濡れたままのスーツで取引に支障が出るかもしれない」「風邪を引くかもしれない」といったリスクはないかな?
あっ、実際にあります。びしょ濡れになって風邪ひいたこと…。
確か2,3日休んだような…。
となると、ここでのタクシー代2000円には、その価格以上の価値があると考えられないかな?
確かに。会社休んで、病院に行って、薬もらって…2000円の損失どころじゃないですね。
ということは、目の前にある価値だけにとらわれることなく、その価格の先にある本当の価値を見抜くことで、お金の価値そのものを最大化させることが可能になる、ということだよ。
節約できれば万事OK、なんて考える私たち、まだまだですね!
日々の生活の中で、本当の価値を見極める力を養うには、「価格当てゲーム」がお勧めだよ。
価格当てゲーム!? どこに売っているんですか?
ははは。残念ながら、ボードゲームとかの類ではないよ。これは例えば、スーパーでものを買うとき、飲食店で注文を考えているとき、あるいは家電量販店やウィンドウショッピングをしているときなどに、値札を伏せて、そのもの自体をじっくり観察し、いくらなのか予想するゲームなんだ。
面白そう!
この「価格当てゲーム」を行うことで、価格の先にある本当の価値を考えてから買い物をするクセをつけることができるんだ。さらにこれは、ビジネスにも応用できるよ。
ビジネスにも!? どんなふうにですか?
同じ100円のものを売っている営業マンでも、人によって売り上げは大きく異なるよね。その要因のひとつが、この価値と価格を見極める力の差だといえる。このゲームを続けていくことで、プレゼンや商品開発、営業活動などあらゆるビジネスの場面で、TPO(時と場所と状況)に応じて、値段だけではない本当の価値を相手にアピールできるようになるんだ。
僕、今日から早速やってみます!
ぜひ。そしてもうひとつ、「見えにくい価値」は、収入(働き方)にも存在する。ここでまた1つクイズを出すよ。同じ手取り18万円の収入が得られる正社員とアルバイト。その収入の価値は同じ?または違う?
社会保険の手厚さとかが違うから、違う!
正解! ほか、老後の年金受給額にも大きな差が出てくるよね。さらに20年後の手取り収入も、おおむね正社員であれば増えているかもしれないけれど、アルバイトでは、ほとんど横ばいか、増えても微々たるもの。退職金の有無にも差が出てくるから生涯年収で考えると、数倍もの差がつくこともある。となると、多くの人にとって、正社員のほうが見えない価値があるといえるよね。
やっぱり、正社員で働き続けるべきなのかなぁ…。
ただし、働き方の多様性で見た場合には、アルバイトに魅力を感じる人もいる。「子どもを幼稚園に預けている間だけ働きたい」という人にとっては、正社員よりもパートやアルバイトのほうが価値がある場合もあるからね。
TPOに応じて生活スタイルを変化させるかどうかもまた、その人の価値によるんですね。
そうだね。見えない価値は、人や立場によって異なるもの。正社員と派遣社員でも異なるし、会社員とフリーランス(個人事業主)でも異なる。一見すると同じ収入であっても、その裏にある価値の差は大きいことを忘れないようにしよう。
はぁ~。本当の豊かさを得るためには、人生におけるあらゆる場面で、隠れた価値にまで気づく必要があるんだなぁ~!
大変だけれど、「見えない価値」を見つける能力が身につくと、相手の心をつかみやすくなる。仕事の成否を分けるほとんどの要因がここにあるともいえるよ。
「見えない価値」を捉えながら、未来を切り拓く人生を歩いて行こう!
おー!
「本当の豊かさとは?」自分に聞いてみよう
「価値を知る」って、奥が深いよね。時代によっても全然違うし。
本当にそう。だってかつては、いい大学・会社に入ることが、本当の豊かさへの近道だと考えられていた時があったんだもんね。
ふたりとも、「価値」について興味を持ってくれているね。そう、Bさんのいうとおり高度経済成長期には、それはほとんどの人にとって正しいことだった。学歴や勤め先の会社名が、そのまま個人一人ひとりの信用につながっていた、という言い方もできるよね。
でも、今はひとつの会社で定年までずっと働けるという時代ではなくなりつつありますよね。
不況とか企業買収とかで人員整理があったり、働きがいや自分らしい生き方を求めて転職することも普通。起業したり、会社に頼らないフリーランスという働き方を選ぶ人もいます。
「同じ会社で働き続ければ、自然と収入が上がっていく」という定説のようなものも、徐々に変化しつつあるよね。
でもそれって、どうしてなんだろう?
いい会社に就職しても、社会人として収入に見合った価値を提供できるようにならなければ、社会人としての信用や価値は下がっていく時代だからだよ。
そうなれば、収入も年齢とともに下がっていくことも考えられますよね。怖いな~!
そうだね。転職や独立をするときはもちろんのこと、同じ会社で働き続けるという場合においても、確実に一人ひとりの個人の価値・信用が求められる時代になってきたんだ。
もう、何かに依存して過ごしていける時代じゃないんですね。
そう。本当に豊かな生活を歩みたいのなら、さらに30代・40代を輝かせたいと思っているのなら、これからは会社や学歴などに依存しない、個人の価値・信用を高めていかなければならない。そして、その個人の価値・信用を高めるうえで絶対になくてはならないものが、「お金の教養」なんだ。
うわ、今、ビビッときました!
わたしも!
「類は友を呼ぶ」というように、もし20代のうちに「お金の教養」を身につけ、個人の価値や信用を高めることに成功できたならば、30代・40代になったふたりのまわりには、個人の価値や信用を高めることに成功した人ばかりが集まってくると思うよ。ふたりにとってこれは、明るい未来を切り拓き、本当の豊かさを手に入れるための最大の財産となるんじゃないかな。
本当の豊かな生活、自分で切り開いていきたいです!
僕も。「お金の教養」、これからコツコツ身につけて、必ずマスターします!
そしてこれも大切なこと。「デキる社会人像」を、いつも明確に自分の頭の中に思い描きながら、進んでいこう!
はい!ありがとうございました!
まとめ
「豊かな未来」を狙って手に入れるためには、「お金の教養」を身につけて、経済的、心理的に自立し、さまざまな物事の中にある「見えない価値」を見極められるような人になることが大切です。そうすればきっと、会社や学歴に依存せずに生きていける、「デキる社会人」への道が拓かれて、その先には、明るい未来、本当の豊かさが待っています!