【アンケート結果】お金の悩み「ある」と最も回答した世代は?
変化の激しいデジタル時代において、人々の「お金」に関する意識や価値観、行動はどのように変化しているのでしょうか?
ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同企画・運営する「マネーインサイトラボ」では、お金に関する調査・研究を実施し、その結果をご紹介しています。
第1回目となる今回のテーマは「お金の悩み」について。
Z世代(17~25歳)、Y世代(26~41歳)、X世代(42~57歳)計3,000名を対象に、お金の悩みや不安についての意識調査を行いました。
どのような悩みを持ち、誰に相談しているのでしょうか?また世代ごとにその違いはあるのでしょうか?
それではさっそく結果を見てみましょう。
お金の悩みや不安を感じたことはある?
お金の悩みを感じたことがある人は全体の8割超
お金の悩みや不安を感じたことが「ある」と回答した人は全体で80.3%と非常に多く、5人に4人はお金の悩みを抱えたことがあるようです。
では世代ごとに差はあるのでしょうか?
特にY世代は全体より約5%高く、85%以上の方が「お金の悩みや不安を感じたことがある」と回答しました。
26~41歳はライフステージの変化が大きく、結婚・出産・子育てなどの大きな出費や、老後を含めた今後のライフプランを真剣に考える機会が増えます。ライフステージが変わるタイミングでお金の悩みが顕在化しやすいことを考えると、この結果には納得ですね。
お金の悩み、多くは「貯金ができない」
お金の悩みや不安を感じたことが「ある」と回答した人は、具体的にどのようなお金の悩みを持っているのでしょうか?
アンケートの回答で多かったコメントはこちら。
最も多かった回答は「貯金がない」という悩みや、「老後や将来の資金」についての悩み。将来に対する漠然とした不安を感じている人が多いようです。
また、17~25歳のZ世代では、「使いすぎ」や「クレジットカードの引き落としができているか不安」「お金を使いたいところに使えない」など、お金の使い方・管理についての悩みも多く挙げられました。中には奨学金やローンなど長期返済に頭を悩ませている方も。
お金の悩み、誰に相談する?
お金について相談できる相手が身近にいる人はどのくらい?
「お金の悩みや不安を相談できる相談相手が身近にいるか?」という質問に対して、「いる」と答えた人は全体の約65%。お金の悩みや不安を感じたことがある人よりも少ない結果になりました。
世代別にみてみると、Z世代が最も多く76.5%。Y世代64.3%、X世代59.1%と年齢が上がるにつれて身近な相談相手が減っていくことが分かります。
母親に相談すると答えたZ世代は7割以上
「誰に相談するか?」という問いには、高校生や大学生も含まれるZ世代では、母親への相談が圧倒的に多い結果となりました。2番目に多い相談相手は父親ですので、親の金融リテラシーが子どもに大きな影響を与えると言えるでしょう。
婚姻率が上がるY世代、X世代では、配偶者への相談が1位を占めます。またこの世代はそれ以外の身近な相手への相談が減る分、ファイナンシャルプランナー等のお金の専門家へ相談する割合が増えていく傾向があるようです。
お金の悩みが顕在化しやすい世代は、専門的な知識を持っている人に相談したいというニーズが出てくるようですが、それでもX世代で15.6%。2割にも満たない数字となっています。欧米と比較して貯金の割合が多く、投資に消極的な日本においては、資産運用について専門家に相談する人があまり多くないというのも影響していると考えられます。
お金で困らないためにやっておくべきことTOP3は?
「お金で困らないために学生時代にやっておけばよかった(やっておきたい)ことは?」と聞かれると、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?
どの世代も、最も多かった答えは「貯蓄」。続いて「投資」という回答も多く見られました。Z世代ではやっておきたいこととしてTOP3に入らなかった「投資」ですが、Y世代、X世代では2位につけており、上の世代では「早くから投資をすればよかった」と振り返る人が多いようです。
全体の3位には「お金の勉強」がランクイン。働いてお金そのものを稼いだり、貯めたりするのと同様に、お金をどう管理・活用すべきかを早くから学び、資産形成をする必要性を感じている人が多いようです。2022年度から高校の授業として必修化された金融教育ですが、諸外国のようにさらに早い時期からの実施も検討の余地がありそうですね。
以上が今回の調査結果です。
いわゆる「老後2000万円問題」や昨今の値上げラッシュによる家計の圧迫など、多くの人が直面するお金の問題。今回の調査でも、悩みや不安を抱えている人はやはり多いという結果になりました。
また多くの方が「やっておきたかったこと」として「お金の勉強」を挙げている点も印象的です。
お金の教育を重要視している欧米では、幼稚園や小学校でも金融教育の場が設けられています。その点で遅れをとっているとされる日本も、2022年4月から高校での金融教育が必修となり、「お金の勉強」に触れる若者も徐々に増えていくでしょう。
しかし、お金の勉強は子どもや学生だけのものではありません。今はYouTubeなどでも手軽に専門家の知識に触れることができ、NISAやiDeCoなどの資産形成に関する税制優遇制度の認知度も高まりつつあります。家計簿アプリやお金の管理に役立つツールもたくさん出てきているので、それらを活用するのもひとつの手段ですね。
情報が溢れている分、それらの取捨選択が重要になってきますが、デジタルツールも活用しながらお金の悩みや不安に向き合っていくのも忙しい社会人の方にとっては一つの方法かもしれません。
【調査概要】
・調査対象:Z世代(17~25歳)、Y世代(26歳~41歳)、X世代(42~57歳)
・調査集計期間:2022年2月16日(水)~2月21日(月)
・調査機関:iBankマーケティング株式会社
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:3,000サンプル(Z世代1,000名、Y世代1,000名、X世代1,000名)
【マネーインサイトラボについて】
マネーインサイトラボは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同企画・運営するお金に関する調査・研究組織です。デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化や、新しい金融サービスの可能性について新たな視点を見出すことを目的に活動しています。