転職したばかりで妊娠発覚!産休・育休取得できるの?
転職が当たり前になりつつある昨今。しかし、転職して間もなく妊娠が判明した場合、「産休や育休は取れるの?」「キャリアはどうなるの?」と不安になる人も多いでしょう。そこで今回は、勤続年数などによる育休・産休取得の条件や、その他の給付金が受け取れるのかどうか解説します!
そもそも産休・育休制度とは?
まず産休は正式には「産前産後休業」といい、労働基準法に基づき出産前後に取得できる休暇です。具体的には、出産予定日の6週間前(双子などの場合は14週間前)から産前休暇を取得でき、出産後は8週間の産後休暇を取ることができます。
次に育休は「育児休業」といい、育児のために取得できる休暇です。こちらは育児・介護休業法によって保障され、子どもが1歳になるまで男女問わず取得可能です。また、保育所に入れない場合は1歳6カ月まで延長できます(最長2歳まで)。
それでは次に、働き出してすぐに妊娠出産をしても産休・育休が使えるのか見ていきましょう。
誰でもすぐに取得できる産休制
産休は雇用形態や勤続年数に関係なく、雇用されているすべての女性が取得できます。正社員はもちろん、契約社員やパートタイムでも問題ありません。また、出産時に受け取れる給付金には次のようなものがあります。
出産手当金
出産手当金は、雇用されて働く女性が受け取れる給付金です。産休中に受け取る賃金が減る(なくなる)ことに対し生活費を保障する制度で、産休前の直近12ヵ月間の標準報酬月額平均額÷30×2/3に相当する金額が支給されます。
出産育児一時金
こちらは働いていない女性でも受け取れる給付金です。出産ごとに50万円支給される一時金で、健康保険や国民健康保険の被保険者なら誰でも受け取ることができます。
一定の条件がある育休制度
育休は産休と異なり、取得するには次のような条件を満たすことが必要です。
・子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
参照:厚生労働省「育児休業や介護休業を することができる 有期雇用労働者について」
子どもが1歳6カ月となるまでに雇用契約が満了しない場合、育休取得ができます。つまり、正社員や労働契約の更新がないことが確実に決まっていない人なら、転職した直後でも育休取得が可能ということです。
ただし、労使協定によって入社1年未満は育休の対象から除外すると定められている場合、会社が拒否すると育休取得はできないため注意しましょう。
また育休が取得できなくても、入社から1年経った時点で申請すれば、その1カ月後から子どもの1歳の誕生日前日まで育休を取ることができます。
1月に転職しすぐに妊娠が発覚、8月に出産した場合を例に説明しましょう。まず、8月の出産前後は産休を取得。そして産休が終わったら職場に復帰し、翌年1月になってから育休を申請できます。期間は子どもが1歳になる前日まで。
このケースはあくまでも法律にのっとった数え方であり、企業によって異なるケースもありますので、まずは自社の規定を確認してください。
育児休業給付金
育休中の収入減を補うために「育児休業給付金」が支給されます。受給には育休開始前の2年間に11日以上働いた月が12カ月以上必要ですが、前職の雇用保険加入期間も合算できます。そのため、転職後すぐでも条件を満たせば給付金を受け取れる可能性があります。
知っておきたい!その他の育休・産休中の優遇制度
妊娠出産に際し、知っておきたいサポート制度を簡単にまとめました。
産休・産休中の社会保険料免除
産休中は「産前産後休業保険料免除制度」、育休中は「育児休業保険料免除制度」によって、健康保険と厚生年金の保険料が免除されます。免除期間中も保険資格はそのままで、年金も支払った期間として扱われるため、将来の年金受給に影響はありません。
国民年金保険料の免除
国民年金に加入している場合、出産予定月の前月から4カ月間(多胎妊娠の場合は6カ月間)、年金保険料が免除されます。この期間中も年金は支払ったものとみなされ、将来の受給に影響はありません。
転職後すぐの妊娠であっても、産休は問題なく取得でき、条件を満たせば育休も申請可能です。また、出産や育児に際して利用できる給付金などもあるので、しっかりと活用して無理なく仕事と家庭のバランスを取りましょう。