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親の相続が発生、必要な手続きと費用は?まずは誰に相談すればいい?

FPにききたいお金のこと 中村 賢司

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今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、親の相続が発生した際に何から手をつけたら良いのかという40代男性からのご相談です。相続発生時、誰に相談すればいいのか、司法書士と税理士それぞれの役割や費用について解説します。

40代男性からの相談

親の相続をすることになったのですが、相続における司法書士と税理士の双方の役割や進め方が今ひとつ理解できていません。どのように進めるのが理想的なのでしょうか?また費用は一般的にどのくらいみておけば良いですか?

相続は突然やってくる 

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相続対策を完璧に準備しているご家庭は数える程だと思います。相続は突然やってくるもの。葬儀が終わり心の整理がつき始めた頃、相続手続きの必要性に気付くことが多いでしょう。相続手続きは複雑で多くの専門知識が求められます。

相談者の40代男性のようにどの専門家に相談するのがベストなのか、相続における司法書士と税理士の役割や手続きの進め方について解説していきます。

親が亡くなった後、相続の手続きが必要になることは避けられません。しかし相続は予期せぬタイミングで発生するため、準備が整っていない場合がほとんどです。特に初めての相続手続きは、不安や疑問が尽きないのではないでしょうか。

葬儀が終わり落ち着いたら、まずは遺言書の有無を確認

葬儀が終わり心の整理が進んだら、まずは遺言書の有無を確認しましょう。遺言書が存在する場合、その内容に基づいて相続手続きを進める必要があります。遺言書がない場合は、法定相続分に従って手続きを進めることになります。

相続人の調査、相続財産の確定

次に相続人の調査と相続財産の確定が必要です。相続人が誰であるかを確認し、遺産の内容を明確にすることが重要です。不動産、金融資産、負債など、すべての財産と負債を把握することで、適切な相続手続きを行うことができます。

それぞれ誰に相談すれば良いのか

相続手続きには、法律や税務の専門知識が必要です。そこで、誰に相談すれば良いのかを事前に知っておくことが重要です。司法書士や税理士といった専門家の役割を理解し、適切なサポートを受けることで、スムーズに相続手続きを進めることができます。

相続における司法書士の役割

司法書士は法律の専門家として、相続手続きをスムーズかつ円滑に進めるためのサポートをしてくれます。特に不動産が相続財産に含まれている場合、所有権の移転登記は不可欠です。この手続きは専門的な知識が要求されるため、司法書士に依頼することが一般的です。

司法書士がサポートしてくれる具体的な手続き

相続人調査:戸籍謄本などの書類を収集し、相続人の範囲を明確化
遺産分割協議:相続人全員が納得できるよう、遺産分割協議を円滑に進行
遺産分割協議書の作成:遺産分割の内容を明確に記載した法的効力を持つ遺産分割協議書を作成
不動産の名義変更手続き:相続により取得した不動産の所有者を、相続人に変更する手続き
相続放棄の手続き:相続財産に債務がある場合など、相続放棄の手続き代行
遺言執行:遺言書の内容に基づき、遺産の分配や財産の管理

その他にも、相続による銀行預金の解約・払戻しの手続き、株式・投資信託など有価証券の名義変更手続き、遺産分割協議がまとまらない場合の調停や審判の手続きも司法書士に依頼することが可能です。

司法書士に相続手続きを依頼した際の費用

司法書士への報酬は手続きの内容や財産の価額によって異なりますが、司法書士報酬の他、印紙代や郵送料など手続きに必要な実費費用もあり、目安としては20万~50万円程度が相場と言われています。ただし司法書士によって費用体系は異なるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。

相続における税理士の役割

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税理士は、税務の専門家として相続税の申告や相続財産の評価など、税務面でのサポートを行ってくれます。特に相続財産が基礎控除額を超える場合には相続税の申告が必要となり、この申告には財産評価、税額計算など専門的な知識が欠かせません。

税理士がサポートしてくれる具体的な手続き

相続税の申告:相続財産の評価に基づき相続税の申告書を作成し税務署に提出
相続財産の評価:不動産や株式など様々な財産の価値を評価し、相続税の計算に必要な資料を作成
相続税の節税対策:相続税を合法的に節税するための対策を提案

その他にも、年の中途で死亡した人の場合、相続人が被相続人の1月1日から死亡した日までに所得した金額および税額を計算して、準確定申告を行わないといけません。この準確定申告についても税理士のサポートを受けることができます。

税理士に相続手続きを依頼した際の費用

税理士への報酬は財産価額の規模や作業量によって異なりますが、目安として30万~100万円程度が相場と言われています。特に相続財産に土地や建物などの不動産が含まれる場合は、その評価方法によって相続税額が大きく変わり、税理士報酬の金額も大きくなる可能性があります。こちらも司法書士と同様、事前に見積もりを取ることをおすすめします。

まとめ

相続手続きは遺言書の確認から相続人の調査、財産の確定、名義変更、税務申告まで多岐に渡ります。以下のポイントを押さえることで、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。

誰に相談して良いか迷った時は、下記の司法書士会や税理士会の相談窓口、もしくはお住いの自治体の相談窓口などへ問い合わせてみてもよいでしょう。

日本司法書士会連合会「司法書士総合相談センター」
司法書士会は各都府県にあり、無料相談を行っている相談センターもあります。

日本税理士会連合会「税理士会の相談会」
税理士会は原則として国税局単位で15税理士会、税務署単位で494の税理士会支部があります。無料相談を行っている税理士会もあります。

相続手続きは複雑で多くの時間と労力を要しますが、司法書士や税理士といった専門家のサポートを受けることで、スムーズに進めることができます。それぞれの専門性を理解し適切な準備と活用を心掛けるだけで、安心して相続手続きを進めることができるでしょう。