知っているようで知らない「利子・利息・金利」の違いを学ぼう
金利・利息・利子・・・お金の話になると、よく耳にするこれらのワード。使い分けや違いをご存知ですか?住宅を建てる、車を買う、学資保険に入る、老後に備えるなど、これから金融機関に預ける・借りる場面に遭遇したときに知っておきたいこれらのワードについて、3分で理解できるように解説します。
利子と利息って何?違いはあるの?
お金の貸し借りの際に発生する「利子」や「利息」。お金を借りた側が貸してくれた側に払います。
100万円を貸して100万円が返ってくるのでは、貸した人には何の得もありませんが、貸してくれた御礼に5万円を追加して105万円払えば、貸した人には利益が発生します。例えば、ローンを組んで自動車を買った場合、自動車自体の代金(元金)に加えて利息が発生します。また銀行に預金をすると利子をもらえますね。
ではこの利子と利息の違いはいったいなんでしょうか?一般的に、「受け取るのは利子」「支払うのは利息」とされることが多いのですが、実は厳密には決められていないのだそうです。
<用例>
○定期預金の利子を受け取った
○カードローンの利息を払った
金融機関によっては上記の例と異なる使い方をしている場合もあり、あまり違いを気にする必要はなさそうです。
金利って何?利子や利息との関係は?
さて、お金の貸し借りにあたって、もうひとつ、よく出てくる用語が「金利」です。金利は、お金を借りたときに払う利息の割合のことです。
<用例>
○金利0.2%で100万円を借りたら、利息は2000円だった
○リボ払いにしたら金利は1年で15%になる
つまり、利子や利息は実際に払ったりもらったりするお金そのものを指し、金利はその割合を指すという違いがあります。「利率」というのも金利と同じ意味の言葉ですね。
利子や利息と同じ意味で、金利という用語を使う場合もありますが、逆に、利息や利子を金利と同じ意味で使うことはありません。
<用例>
○住宅ローンの金利を払った
×住宅ローンの利息が0.1%だった
金利の種類についてもう少し詳しく
金利には「単利」「複利」「変動金利」「固定金利」などいろいろな種類があります。この種類についてある程度理解しておくと、金融機関のサイトなどを見るときにも役立ちます。
単利と複利は、利子の増え方の違いを示す言葉です。
・単利は元本に対してのみ利子がつく
・複利は運用期間中に発生する利子を元本に組み込んで計算する
という違いがあります。
例えば資産運用で元本100万円を金融機関に預け、1年間の利子が10%である場合、単利では10万円の利子がついて1年後には110万円になります。そして2年目はやはり元本の100万円に対して10%の利子がついて10万円増え、合計は120万円になるわけです。
それに対して複利の場合、1年目は単利と同じように10万円がプラスされ、110万円になります。2年目には元本に利子を加えた110万円に対して10%の利子がつくため11万円増えて、合計は121万円になります。
変動金利と固定金利は、ローンの返済などの際に適用される金利のタイプを示す言葉です。
・固定金利は借り入れから完済まで金利が変わらない
・変動金利は一定期間ごとに金利を見直す
という違いがあります。
固定金利は借り入れ時点で返済額を確定させることができる、変動金利は返済が長期にわたっており情勢が変わっても柔軟に対応できる、といったそれぞれのメリットがあります。
「利子・利息・金利」の違いについて、ご理解いただけましたでしょうか?お金を借りたり、資産運用で増やしたりするにあたっては、金利について理解することがとても重要です。まずは基本的な用語を理解した上で、知識を深めていってくださいね。