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eスポーツ先進国では大会の優勝賞金が高額で、年収2〜3億円を超えるプロゲーマーがごろごろいます。その一方で、eスポーツ発展途上国の日本だと、世界大会に出場する高ランクのプロゲーマーでも年収2000万円台。eスポーツ先進国に比べるとまだまだですが、今の盛り上がりを見ると、近い将来、日本のプロゲーマーも人気スポーツ選手並みの稼ぎを手にするようになりそう。
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今回は、eスポーツのプロゲーマーとして活躍する福岡在住の選手を直撃。eスポーツで戦うことを仕事にする彼らの日常と、ストイックな競技生活を覗いてきました。
プロゲーマーの練習風景をナマで見られる「SG.LAN」!
西鉄二日市駅からすぐのeスポーツ専門ネットカフェ「SG.LAN」は、運営元の「Sengoku Gaming」がプロチームをマネジメントし、店内の一角を公開練習所として展開しています。
eスポーツはシューティングやパズルゲーム、格闘ゲームなど各部門に分かれていて、シューティングや格闘ゲームのプロゲーマーであれば、平均年齢は18〜20代前半なのだとか。反射神経の鋭さが勝利を左右するので、若年層のプレイヤーが活躍し、逆に選手生命が短いというシビアな一面も。
福岡初のeスポーツのプロチーム「Sengoku Gaming Extasy」は、シューティングゲーム「レインボーシックスシージ」を専門に取り組んでいます。4人の選手たちも18〜22歳とフレッシュな顔ぶれ! ただしゲームは実力主義とあって、年齢重視の縦社会ではありません。
プロゲーマーってどんな人? いつも何をしているの?
ベールに包まれた彼らの素顔を覗くべく、現在18歳のプロゲーマー・GatoRada(ガトラダ)さんにインタビュー。「Sengoku Gaming Extasy」のメンバーであり、YouTubeのチャンネル登録者は現在約1万6000人、ゲーム動画の再生回数も8.5万超えと要注目人物です!
「Sengoku Gaming Extasy」のメンバーであり、YouTubeのチャンネル登録者は現在約1万6000人、ゲーム動画の再生回数も8.5万超えと要注目人物です!
eスポーツはインターネットに繋いでオンライン上でゲームを行うので、選手の拠点が全国各地バラバラでもチームは組めます。また、一ヵ所に集まってオフライン上で結束を固めるチームもあり、体制はさまざま。
「ミーティングも練習も全てオンライン化しているプロチームもありますが、僕らはあえて地域性を重視し、福岡を拠点に毎日ここに集まっています」とGatoRadaさん。東京出身のGatoRadaさんをはじめ、チームメンバーも全員「Sengoku Gaming」とプロ契約を結び、他県から福岡へ移住したそうです。
定休日の月曜以外は毎日「SG.LAN」でみっちり練習。チーム全員で対戦ゲームを行い、ミーティングで戦略をつきつめ、年に何度か開催される国内試合やゲームイベントに出場しています。
ところで、「SG.LAN」では最新技術搭載のゲーミングPCを多数取りそろえています。ハードディスクがスケルトンになっていたり、キーボードやヘッドホンにカラフルなネオンが仕込まれていたりと、ゲーマーのテンションをぐいっと上げるデザイン! ゲーム専用の椅子もばっちり完備。こちらは肘掛の高さが調節できて、長時間座っていても疲れにくいとか。
椅子(黄):COUGAR Armor Gaming Chair
ヘッドセット:MSI IMMERSE GH70
キーボード:MSI VIGOR GK80 SILVER
昼夜逆転も致し方なし。過酷なプロゲーマー生活
「Sengoku Gaming」ではきちんと定時が設けられていて、出社時間はなんと夕方の16時。
「僕らはオンライン上でチーム戦を繰り広げながら日々腕を磨いていますが、その対戦チームが出そろうのがだいたい夜9時くらい。他の人はたいてい学校や仕事があるので、夜がオンラインゲームのピークタイム。夕方は自主練して、夜からひたすら5〜6時間チーム戦を繰り返し、終了後にメンバーとコーチで反省会を開きます。帰宅するのは深夜ですね」とGatoRadaさん。
「Sengoku Gaming Extasy」のコーチは高知に在住しているそうで、選手とコーチのミーティングは、パソコンとマイクを使ってオンライン上で行います。
「メンバーとは1日の大半一緒にいるので仲がいいですし、コミュニケーションも密で結束力も強い。試合後もみんなでご飯を食べながら、気になったことを共有し合って高め合える。趣味を仕事にしているから楽しいですし、今の環境がベストです!」
出勤前、選手たちの体のメンテナンスを担当している「むさし鍼灸整骨院」へ行くこともしばしば。院長にはトレーナーとして大会に同行してもらっているそうです。
18歳でプロゲーマーになったGatoRadaさん。趣味から職業にしたきっかけは?
高校1年生の頃「レインボーシックス シージ」の実況動画を見て、興味本位でやりはじめたと語るGatoRadaさん。それまではほとんどゲーム自体やったことがない初心者でしたが、天性の反射神経でキャラクターを巧みに操作し、たった1年半で日本トップクラスに昇りつめました。
「プロを意識し始めたのは17歳くらい。ちょうど日本チームが世界大会に出場できるようになったと聞いて、自分も本気で挑戦してみようかなと思いました」
とはいえ、当初はeスポーツを職業にするつもりはなく、「世界大会に出たい!」という気持ちが先だったとか。そんな中、GatoRadaさんの天才的プレーを目にした「Sengoku Gaming」からスカウトされました。
「当時は高校2年生でした。お給料をもらいながらプロゲーマーとして世界大会を目指さないかと誘われて、高校を中退し、プロゲーマーになることを決意しました」
こうしてGatoRadaさんは、東京から福岡へ移住し、2018年10月に「Sengoku Gaming Extasy」に正式加入。
ここが気になる! eスポーツ選手の収入ってどのくらい?
「Sengoku Gaming」の選手は会社が契約している家賃補助付きの社宅(ワンルームマンション)に住み、チームメイト全員が同じマンションで暮らしています。プロゲーマーとしての給料は現在月15万円。毎週月曜が休みで、GatoRadaさんは休日にショッピングを楽しんでいるとか。プライベートはやっぱり等身大の18歳なんですね〜!
また固定給のほか、YouTubeの動画配信の副収入も得ています。一般投稿のほか、視聴者から投げ銭(支援金)をもらえる生配信「スーパーチャット」で収益を得ているプロゲーマーも多いそう!
▼登録者数約1万6000人を誇る、GatoRadaさんのYouTubeチャンネル
YouTube
「GatoRadaは俊敏な動きと華麗な技でバンバン敵を倒して、視聴者が思わず釘付けになるような“動画映え”するプレーを炸裂するんです」とマネージャーの齋藤さん。
こんなにイケメンなのにYouTubeでは基本的に顔出しをせず、プレーの実力だけで視聴者を集める“本物”のプロ。ちなみに公開試合で甘いマスクが披露され、一気に女性ファンが急増中! これからブレークすること間違いなし!!
eスポーツの未来は明るい! これからのプロゲーマーの飛躍に期待!!
「Sengoku Gaming」のように“地域性”を重んじるプロチームが今後増えることで、Jリーグやプロ野球と同じように、地元に人に応援される存在へと発展しそう。さらに福岡は九州最大の都市で、eスポーツ大国の韓国や中国にも近いので、これからプロゲーマー同士のグローバルな交流がもっと盛んになるはず。
「僕らもアジア大会までは進出できました。でも、そこから先の世界大会進出の夢はまだ叶えられていません。まずは直近のアジア大会で優勝して、世界大会の切符を手に入れること。そして最大の目標は、世界でナンバーワンになることです!」
神がかり的な凄腕プレーヤーがそろう「Sengoku Gaming Extasy」なら、世界制覇も夢じゃありません。まもなく行われる国内予選、そして12月から1月にかけて行われるアジア大会にぜひ注目してくださいね!
プロゲーマー GatoRada(ガトラダ)
2000年生まれ。東京出身。16歳でゲームを始め、驚異の天才的プレーで1年後には日本トップクラスの仲間入りを果たす。2018年に福岡発eスポーツプロチーム「Sengoku Gaming」にスカウトされ、18歳でプロゲーマーに。公開試合で観客を沸かせる好プレーを連打するカリスマ的存在。
Sengoku Gaming
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