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「お金」について、毎回決まった質問に有名店のオーナーやデザイナーなどさまざまな方面で活躍する方々に答えていただくmymo人気企画「お金にまつわる10の質問」。
第5回は、福岡市南区の住宅地に溶け込むプランツ＆サロン「TABLIER（タブリエ）」の店主である相川剛さん。1階では絵本の中に出てくるような不思議なお花や植物を、2階ではヘアスタイリストの奥さまがヘアサロンを営んでいらっしゃる、知る人ぞ知るお店です。
植物に限らず、大好きな絵本を並べたり、バレンタインの季節にはお気に入りのチョコレートを販売したりと、相川さんはたくさんの「好きなもの」とのコラボを楽しんでいる様子。
それでは「10の質問」スタートです！
① いま一番欲しいものと、その価格、理由を教えてください
うちには今5歳と2歳の娘がいるんですが、子どもが生まれてからはすっかり物欲が減ってしまって。考えることも自然と子どものことが中心になっています。だから、「もの」ではなく、子どもが小学校に上がる前に、2週間くらい家族4人でイタリア旅行に行ってみたいです。
私は以前からイタリアに興味があり、20代の頃は2年ほど住んでいたこともありました。ローマやナポリも楽しかったし、今度はバーリやアルベロベッロなど、自分がまだ行ったことのない場所にも出かけて、あの風景や雰囲気を家族で一緒に味わいたいなぁといつも思ってます。これはあくまでも壮大な夢なのですが（笑）。
新婚旅行で奥さんと2人で2週間くらいフランス・イタリアなどヨーロッパ旅行をしたときは、50万円くらいかかったので、予算はそれにプラス子ども2人分です。
② いまどんなお財布を使っていますか？
新婚旅行で立ち寄ったパリで買ったA.P.C.（アー・ペー・セー）の革財布です。ちょうど安くなっている時期で、150ユーロくらいだったと思います。もう7年くらい使っていますが、手に馴染んできて感触も気に入っています。ものを大事にしたいので、財布もそんなに頻繁に買い替えるほうではないですが、海外に行ったときなんかに買うのは好きですね。使うたびにその時のことを思い出せるし、さらに愛着がわきます。
③ いま1万円渡されたら、何に使いますか？
家族4人でイタリアンとか、ちょっと美味しいものを食べに行きたいです。子どもはファミリーレストランみたいなところのほうがいいんでしょうけど(笑)。平日は奥さんが仕事を終えてから作ってくれているので、本当にありがたいなぁと思っています。
④ これまでに一番有意義だったと思うお金の使い方はなんですか？
やっぱり開店資金でしょうか。身内に大工さんがいるので、材料費だけで改装してもらいましたが、それでも数百万円はかかりました。
最初は中も外もボロボロでしたが(笑)、家主さんから好きに扱っていいと言われていたので、ペンキを塗ったり、お店のレイアウトを考えたり、自分でできることは自分でやって、けっこう楽しみながらお店をつくりました。
⑤ 反対に、一番失敗したと思うお金の使い方はなんですか？
これは本当に、声を大にして(笑)言いたい！20代の頃吸っていたタバコ代です。若い頃とか、吸いたい時期ってあるとは思うんですけど、あれは本当に、時間もお金も健康にもすべてが無駄でした！
周りにも迷惑をかけることが多いし、吸っていない時間もイライラ、ソワソワしてしまうし。 あのころはカッコつけてたな…と思います(笑)。
⑥ これまでにした一番高い買い物を教えてください（家・車以外で）
これもやっぱり、開店資金ですね。ただ、うちは身内に随分やってもらったし、冷蔵庫などの大きなものもないので、一般的なお花屋さんほどお金はかかっていないかもしれません。
ただ、お店の中の什器にはこだわって、ほとんどアンティークの家具を扱っているショップで購入しました。本棚やアイロン台、カップボードやはしごなどを、什器として使用しています。一番気に入っているのは、普段は花瓶などを飾っているこの本棚で、たぶん18万円くらいでした。何度も塗り直しをしながら長く使われてきたものという感じも好き。気に入ったものを少しずつそろえていって、今のかたちになっています。
⑦ これにはお金を惜しまないというのは何？
子どもの絵本です。私自身、子どもの頃から絵本が大好きで、今も実家にはその頃読んでもらった絵本がきれいに保管してあります。小さいころ、寝る前に好きな絵本を選んで、冬は毛布を足でこすって温めたりしながら、絵本を読んでもらったときの楽しさや幸せな気持ちを、絵本を見ると思い出すんです。
実は、あまりにも絵本が好きすぎて、お店でも絵本を売るようになってしまいました(笑)。うちの近所の「コトリノ・古書店」さんという素敵な古本屋さんの本を、テーマに沿って期間限定などで取り扱わせていただいています。
自宅にも数百冊絵本がありますが、大事に読み継いでいって、できたら孫の代まで絵本とその思い出をつなげていけたらいいな、と思っています。
⑧ 自分なりの独自のお金ルールはありますか？
「借金はしない」「ローンは組まない」「あるお金で買う」です。例えば家を建てる、といった大きな金額になるとさすがに難しいとは思いますが、普段は身の丈に合った使い方を心がけています。
欲しいものがあったら貯金して、貯まったら買う、という感じ。お店を開店するときも借入はしていませんし、カードで支払いするときも必ず一回払いです(笑)！
⑨ お金は貯める派？ 使う派？それはなぜ？
「貯める派」です。でも、ずっと貯めっぱなしでも仕方がないので、必要なものがあるときに使えればいいかな。奥さんは私と比べたらどちらかというと「使う派」かもしれないですけど、ちょうどアクセルとブレーキみたいな感じで、いいバランスだと思います。
⑩ お金はあなたにとってどんな存在ですか？
「永遠のテーマ」ですね。答えはまだ出ていないです。
お金って貯めるのはすごく大変だけれど、使うときはあっという間。ただ、さっきお話しした絵本や旅行のように、自分より子どもにお金をかけてあげたい、という気持ちが強いです。
子どもが生まれてからは特に、自分が生まれて育ってきたルーツというものをすごく感じるようになったので、そうやって自分が祖父や両親から受けてきたものを、子どもや孫の代にまで、大切につないでいけたらいいな、と思っています。
TABLIER 店主 相川 剛
個性的で愛着のわく植物たちがぎっしりつまった空間と、ゆったりくつろげる美容室からなるショップ「TABLIER（タブリエ）」経営者。農家を営む祖父の影響で、幼い頃から親しんできた自然や植物に関わる仕事をしたいと、栽培業を経て、美容師の奥さまとともに2015年6月に開業。“枝もの”の植物と絵本が大好き。花や植物、それにまつわる道具だけでなく、自身のいろいろな「好き」を次々にお店に採り入れ、大人も子どもも時間を忘れて楽しめる空間をつくっている。店名はフランス語で「エプロン」の意味。
