幸せを感じるモノたちと一緒に。「81」松尾 芙美さんに聞く10の質問
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幸せを感じるモノたちと一緒に。「81」松尾 芙美さんに聞く10の質問

お金にまつわる10の質問

「お金」についての毎回決まった質問に、人気店のオーナーやデザイナーなどさまざまな分野で活躍する方々に答えていただくmymo人気企画「お金にまつわる10の質問」。

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第6回は、今話題の六本松4丁目“ロクヨンストリート”にある隠れ家のような雑貨店「81 HACHIJU-ICHI」の店主、松尾芙美さん。白を基調とした明るく温かみのある店内には、松尾さんこだわりの品々と本が大好きなご主人が選んだ幅広いジャンルの書籍や雑誌がズラリと並んでいます。さまざまな心地よい暮らしをつくるものたちに囲まれながら、お話を伺いしました。

それでは「10の質問」、スタートです!

① いま一番欲しいものと、その価格、理由を教えてください

今は好きなものに囲まれて仕事をしているからか、あまり物欲がないんです。あえて挙げるとしたら、糸島とか郊外で自宅兼店舗になるような古民家が欲しいですね。

商店街の八百屋さんみたいに店舗が手前にあって、奥が生活の場、という感じが理想です。私の実家も事業をやっていて、働く場所と生活する場所が同じことが当たり前だったことも影響しているかもしれません。

でもいくらぐらいするんだろう…2000万円くらい?現実的な目標ではなく、あくまでぼんやりとした夢の話ですが…。

②	いまどんなお財布を使っていますか?

② いまどんなお財布を使っていますか?

うちのお店でも取り扱いをしている、「irose(イロセ)」というブランドの長財布と小銭入れです。長財布は3年くらい使っています。以前の収納力のあるお財布より、中身を整理して使えるようになりました。

seamlessシリーズは縫製を一切せずに、カッティングと折り込みだけで作られています。工程が少なく済むため、価格もおさえることができるんです。デザイナーさんのこういう発想がすごいと思います。

【写真上:seamless long wallet 9500円/irose】
【写真下:seamless coin case 5000円/irose】

③ いま1万円渡されたら、何に使いますか?

両親に食事に行ってもらいます。私は7歳、3歳、1歳の3人の娘がいるんですが、子どもたちの面倒をよくみてもらっているので、日頃の感謝を込めて。いつも助かっています。

④ これまでに一番有意義だったと思うお金の使い方はなんですか?

学生時代、友人たちと行ったヨーロッパ旅行です。バイトで資金を貯めて、イギリス、フランス、ドイツ、スイスなどを2~3週間かけてまわりました。インテリアデザインを学んでいたので、街中を歩いているだけで、もうずっとワクワクしていて(笑)。

貧乏旅行でしたが、その間1回だけ、フランスのマルセイユにあるル・コルビュジエが設計したユニテ・ダビタシオン(集合住宅、2016年世界遺産登録)に宿泊しました。一部がホテルになっていて、実際に泊まれるんです。屋上でゆったりくつろぎながら、生ぬるい風に吹かれているのがすごく気持ちよかったです!

⑤	反対に、一番失敗したと思うお金の使い方はなんですか?

⑤ 反対に、一番失敗したと思うお金の使い方はなんですか?

日々失敗だらけなので、どれかなぁ…という感じです。払うのが嫌だなと思うのは、料金の高い駐車場に停めてしまったとき。たまに支払い時にびっくりしてしまうことがあります。所帯じみててすみません(笑)。

⑥	これまでにした一番高い買い物を教えてください(家・車以外で)

⑥ これまでにした一番高い買い物を教えてください(家・車以外で)

このお店を作ったことかな…。内装工事などで開店資金に使ったのは数百万円くらいです。借り入れはせずに、会社員時代の貯金を使いました。

こだわったのは、子どもたちの居場所を作ること。このお店がオープンしたときは次女がまだ1歳だったので、娘たちが遊んだりお昼寝したりできるスペースが必要でした。

わが子だけでなく、お子さま連れのお客さまにもゆっくりお買い物をしてほしいと思い、この小上がりのスペースを作りました。

もうひとつは、建材でしょうか。建材って「〇〇風」のものが多いんです。木に見えるけどプラスチックとか、珪藻土に見えるけどクロスとか。お店で取り扱う商品と同じように、内装にも嘘をつきたくないなと思って、素材そのままの良さがあらわれるような建材を選びました。

⑦ これにはお金を惜しまないというのは何?

子どものものだとよし、としちゃいます。ものをたくさん買い与えるというわけではなく、「やってみたい」ということはなるべくさせてあげたいと思っています。

長女は4歳からバレエを習っていて、送迎や発表会の前などいろいろやることが多くて大変ですが、本人も楽しそうだし、バレエは心も体も鍛えてくれると思います。次女もピアノがやりたいと言うので、この春から習いに行く予定です。

⑧	自分なりの独自のお金ルールはありますか?

⑧ 自分なりの独自のお金ルールはありますか?

なるべく友人、知人のところでお金を使うようにしています。パンやコーヒー、お店に飾る花など、普段から自分自身が好きだと思うお店で買い物がしたいんです。

子どもたちが食べるお菓子にしても、手作りのものを買うと、幸せ感が強いです。ものを使ったり、食べたりするときに、作った人の顔が浮かぶとうれしいし、大事にしようという気持ちになります。

【写真:花瓶「しのぎ」「瓶子」「四面取り」 各2300円/JICON】

⑨ お金は貯める派?使う派?それはなぜ

夫と比べたら「貯める派」。彼は「本と音源にはお金を惜しむな」が持論なんです(笑)。本なのでそこまで大きな金額にはなりませんが…。ここの本のセレクトは全部彼に任せています。

⑩	お金はあなたにとってどんな存在ですか?

⑩ お金はあなたにとってどんな存在ですか?

「よきライバル」です。大事なものですが、あまり振り回されたくはない。

作り手側も、値段のつけ方を迷う方も多いんです。安くつけてしまう方もいらっしゃいますが、とてももったいないことだと思います。ある程度の金額をつけることで、作り手側のモチベーションにも商品価値にもつながります。

自分の尺度ですが、私は「この商品にはこれだけの価値がある」と思っているものしか置きません。価値があるものだから、高いとも思わない。だから、お客さまにもその価値を伝えていけるようにしたいです。

お金にはいつも負けそうですが(笑)、「負けたくない!」って思っています。

私がこうやって踏ん張れるのは、子どもたちには嘘のない自分でいたいと思ったから。働くのは好きだけど、子どもたちと過ごす時間を削ってでもやりたい仕事なのか?自分で納得できるのか?と考えたときに、子どもにも自分にも正直でいたいと思って。それがこのお店を始めたきっかけでもあるんです。

好きなものを売るというだけではなく、そうすることで、いいものが残って、子どもたちに残したい未来に繋がるといいな、と思っています。まだまだですが、これからも頑張ります!

※本文中の価格はすべて税抜です。

81 HACHIJU-ICHI 店主 松尾 芙美

81 HACHIJU-ICHI 店主 松尾 芙美

使うときだけでなく、作る現場からその役目を終えるまでの過程すべてを大切にし、心から良いと思えるもの、自分が好きだと思えるものを集めたセレクトショップ「81」店主。インテリアデザイナーとしての経験と人脈を活かし、心地よい暮らしをつくる生活雑貨や、毎日使いたくなるアクセサリー、工芸品などを取り扱っている。書籍は本好きのご主人が担当。3人の子どもたちを育てるお母さんでもある。

81 HACHIJU-ICHI

福岡県福岡市中央区六本松4-5-22 2階3号室
TEL:092-724-4070

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