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公開!お金の専門家FPは、自分のお金をどうやって貯めているのか?

FPに聞きたいお金のこと 内山 貴博

公開!お金の専門家FPは、自分のお金をどうやって貯めているのか?

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FP(ファイナンシャルプランナー)である私、内山が皆さまからの質問に答えさせていただきます。

今後ともどうぞよろしくお願いしますね。

というわけで、第1回目の今回は、私がFPの仕事をしていて、今まで受けることの多かった質問についてお答えします。

先日、知人の歯科クリニックを訪問した際、ちょうど院長が歯を磨いているところでした。歯のプロである歯医者さんがどのように歯を磨くのか!? 気になりますよね?

同じように、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーのお金の貯め方、ちょっと気になりませんか?

第1回目は、「FPはどうやってお金を貯めているの?」について回答します。

私個人は、貯蓄よりリスク商品を重視しています

私は、もともと「株式など難しく感じていたものを理解したい」ということがきっかけで、学生時代にFPを学びはじめました。その後は証券会社で業務経験をし、そして今はFPとして活動しています。

こうした経緯から、私自身の家計は、預貯金より株式などのリスク商品を重視する傾向にあります。

投資とは別に、毎月一定額の貯蓄もしていますが、金額としては決して多くありません。

毎月の貯蓄は生命保険を活用~私の資産運用術その1

貯金
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

ちなみに、私の場合、毎月の貯蓄の一部は、生命保険を活用しています。貯蓄型のタイプを選び、長期的な保障を確保しながら老後資金も貯めています。

貯蓄型の保険については、賛否両論あるのは当然把握していますし、“保険は掛け捨てで、貯蓄や投資は別の選択をすべき”という意見にも同意できます。

でも、毎月自動的に銀行から引かれ「生命保険料」として認識しているものが、しばらく経つとそれなりに貯まっているというのは、うれしいものです。

銀行通帳にどんどん貯まっていくのもいいですが、いざという時にいつでも使える状況にあるため、つい予期せず使ってしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか?

それに比べ、生命保険の解約金や満期金は、日ごろあまり意識しませんし、いざ解約しようとしても手続きが銀行預金などと比べ面倒くさい。だからこそ、目標通りに老後まで貯めることができると私は感じ、貯蓄型保険を手段の一つとして活用しているわけです。

また、「つもり貯金」もしています。例えば会食に出掛け、食事代を払おうとすると、目上の人や取引先がご馳走してくれるケースもあります。

そんな時は、”払ったつもり“としてすぐに銀行口座へ。

それ以外にも、”無かったつもり“もできますよね。税金の還付やお祝い金、お見舞金など、予期せず臨時収入があったときは、無かったものと考えて、できる限り貯めておくようにしています。

慎重に分析して積極的に投資~私の資産活用術その2

投資のための分析
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こうしてコツコツ貯めたお金を、私はなるべく預貯金以外の株式や株式投資信託、外貨預金などで運用するようにしています。

長期的なビジョンで「何に投資すべきか?」と考え、実行しています。これは仕事柄、役得です。

今現在の株式市場やドル円相場、世界経済の見通しなど日々情報に接していますので、仕事を通して分析したことを、自分の家計でも実践できるわけです。

例えば、株価が暴落すれば、いろんな方からアドバイスを求められます。そうした際は、いつも以上に情報収集を行います。

その結果、日本株は下げ過ぎている、すでに割安感があるのでは? ここまで円高が進んでいるが、そろそろ円安に転換しても? といった具合に細かく分析することができ、そうした分析結果を活用して運用しています。

ちなみに、割安感とは、実際の価値よりも低く評価されている状態です。

ジュースの価格を例にして考えましょう。自動販売機の値段が適正だとすれば、イベント会場ではやや割高で販売されることがありますし、一方、スーパーなどでは割安で買うこともできます。

株式もジュースと同じく、実際の価値(業績や財務内容で分析)よりも高いときや低いときがあります。

言ってみれば、自動販売機ではなく、少し遠くまで足を運んでスーパーで購入するように、面倒くさがらず情報を集め、割安だと思えるときに、それまで貯めた預貯金を株式や投資信託に割り振るようにしています。

その後は、「お買い得」なときに買ったわけなので、目先の変動には一喜一憂せず、長期的に保有するようにしています。これが日々、相談者の方にアドバイスをしている長期投資です。

そして株式投資の場合、投資先の業績等によっては、配当金を受け取ることができます。この配当金は“無かったつもり”として貯蓄へ、そしてその後の投資に回すようにしています。

株式の価値の話、分析の仕方などは、また別の機会にでもお伝えしますね。

株イメージ
お金の専門家であるFPに投資をする人が多い理由とは?

さまざまな統計の結果によれば、日本人は投資に抵抗を感じている人が多く、7~8割の人が投資の経験がないともいわれています。

でも、周囲を見回してみると、FPの皆さんの多くは投資をしているようですね。

やはりお金のことを学んだからこそ、投資の必要性を感じ、貯蓄と投資のバランスを意識しているのではないでしょうか。

ぜひ、皆さんも、「お金を貯める」=預金ではなく、いろんな選択肢があることを視野に入れ、コツコツお金を貯めながら、コツコツ投資方法の知識も身につけてください。

私も、次なる投資タイミングを見計らいながら、その際の投資資金となる“つもり貯金”をしていきます。誰か食事に連れて行ってくれないかな???(笑)

みなさんも一緒に、将来に向けてお金を増やしていきましょう!