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聞き慣れない「少額短期保険」。これってどんな保険? 第1回

そなえる 豊福 洋一/赤松 貴吏

聞き慣れない「少額短期保険」。これってどんな保険? 第1回

Ridofranz/iStock/Thinkstock

普段あまり耳にすることの少ない「少額短期保険」という言葉。実は生命保険や損害保険と並んで私たちの生活において"万が一の事態にそなえる"ために、必要不可欠な保険なのです。そんな少額短期保険について、この道のプロフェッショナルであるベル少額短期保険株式会社営業企画部長の豊福洋一さんと営業部次長の赤松貴吏さんにお話を伺いました。全3回シリーズでお届けします。

必ずしも一般的とはいえないリスクをカバーする少額短期保険とは

少額短期保険とは、その名の通り「少ない保険金額」を「短い期間」だけ補償するタイプの保険です。

保険とはそもそも何かしらのリスクをカバーするために加入するものです。生命保険であれば死亡時や病気のリスク、損害保険であれば火災や自然災害のリスク。こういったリスクに"そなえる"ためにみなさんは保険に加入することでしょう。

 こういった病気や災害は誰もが遭遇しうる一般的なリスクです。しかし、こうしたリスクとは異なり、必ずしも一般的とはいえないリスクも世の中には存在します。例えば山登りにおける遭難やペットの病気やけがなど、特定の趣味をお持ちの方にとってのリスクというものです。こういった一般的ではないけれど、現に存在するリスクをカバーするのが、少額短期保険の役割です。

少額短期保険がカバーする具体的な分野は

自転車に乗る子どもたち

出典元:Monkey Business Images/Monkey Business/Thinkstock

実は、少額短期保険がカバーする分野は非常に幅広く、さまざまな分野で数多くの保険商品がリリースされています。

上記の登山に関する「山岳保険」やペットに関する「ペット保険」の他にも、やむを得ない事情によりイベントに参加ができなかった場合にチケット代金を補償する「チケット保険」、自転車による賠償事故やけがを補償する「自転車保険」など、日常におけるさまざまなリスクに"そなえる"少額短期保険があります。

ちなみに、当社では手軽な保険料で葬儀費用資金を提供する「葬儀保険」をメインに据えております。

責任の重い働き盛りの時期を経てしばらくすると、多くの方は人生最後のイベントにも責任を持ちたいと思います。具体的には”お葬式”のことですね。質素でもきちんとけじめをつけたい、最後の最後に子どもたちに苦労をかけたくないと思うのです。残されるものに降りかかる葬儀費用という経済的リスクをカバーすることが、この保険の目的です。

少額短期保険が誕生したのはわずか10年前

 

少額短期保険の歴史はまだ浅く、日本少額短期保険協会が誕生したのは平成18年のこと。当時はわずか数社しかなかった少額短期保険事業者ですが、現在は89社を数える(平成29年3月時点)までに成長し、さまざまなユニークな保険が誕生しています。

また、日本少額短期保険協会の調査によると、平成28年3月末日時点における少額短期保険全体の契約件数は638万件に上り、前年比で10%弱の伸びを見せています。「家財保険」や「ペット保険」などが業界を牽引する形で右肩上がりの成長を続けており、今後もこの勢いは衰えることはないと思われます。

従来の生命保険でも損害保険でもカバーできない"万が一の事態へのそなえ"として

契約する

出典元:BernardaSv/iStock/Thinkstock

このような業界の成長を支えたのは、いわばお客様の声無き声に他なりません。従来の生命保険や損害保険ではカバーできない分野、あるいはカバーしていても加入のハードルが高い分野における「手軽な保障制度」を求める声が根強く、その必要から数多くの「少額短期保険」が誕生したのです。

一般的なリスクと違う点でニッチではありますが、今後もお客様の強いニーズのある分野の保険を商品化していくことが私たちに求められているのだと感じます。


人生にはさまざまなリスクがつきものです。今までの保険では補償されないリスクに"そなえる"保険があればぜひ検討したい、そう思わせてくれるのが少額短期保険の魅力ですね。次回は少額短期保険についてもっと掘り下げた内容をお届けします。