「少額短期保険」をより具体的な事例を基に考える 第2回
監修・ライター
前回は「少額短期保険」がどんなものかを教えていただきました。今回は、万が一にそなえる「少額短期保険」のより具体的な事例について、引き続きベル少額短期保険株式会社営業企画部長の豊福洋一さんと営業部次長の赤松貴吏さんにお話を伺いました。
少額短期保険が年々着実に成長を続けている理由は
少額短期保険市場は毎年10%近い成長を続けています。「少額」で「短期」の保険であることから、メディア等ではミニ保険と呼ばれることもあり、たびたび特集が組まれることもあるなど、徐々に認知度も向上しています。
これほどの伸びを続けている理由としては大きく2つ。万が一のリスクに対して"気軽にそなえる”ことができる点、および通常の保険ではカバーできないニッチな保険がラインナップされている点が挙げられます。つまり、時代の流れとお客様のニーズを的確にとらえることができたということですね。
また、現在各地に設置されている保険の総合相談窓口だけでなく、チケット販売会社や葬儀会社、旅行会社などでも少額短期保険が販売されています。こういった販売チャネルの多様化もその一因に挙げられます。
他にもある! ユニークな分野の少額短期保険の事例
前回ピックアップした「チケット保険」や「山岳保険」などの他にも、さまざまな種類の保険が少額保険分野で扱われています。以下、その中でもユニークなものを取り上げてみましょう。
1)お天気保険
旅行先で雨に降られ、希望のスケジュールが消化できなかった際に保険金が支払われます。0.5mm以上の雨が1日合計10時間以上といった目安が設けられています。
2)知的障がい者向け保険
障がい者本人の医療保険だけでなく、障がいが原因で発生した周囲とのトラブルなどにおける弁護士費用や損害賠償費用を補償する保険です。
3)地震保険
損害保険各社が扱っている地震保険は火災保険とのセットであり、補償の際にもさまざまな規定があります。少額短期保険の地震保険は最大900万円の補償であり、既存の保険にプラスすることでより高い安心を実現できます。
少額短期保険を積極的に選ぶ理由とそのポイントについて
少額短期保険を積極的に選ぶ理由ですが、比較的身近なペット保険と葬儀保険を例に挙げてご説明します。
ペット保険の場合、補償範囲を加入者がある程度絞って加入することができる分、損害保険会社のペット保険よりも少額短期保険会社のペット保険の方が保険料が割安になることが多いです。また、保険金請求方法や待期期間、保険引受年齢なども多くのパターンが用意されているため、飼っているペットの特性に応じて最適な保険を選ぶことがポイントとなります。
次に葬儀保険ですが、一般的に葬儀代は全国平均で190万円弱といわれています。近年は家族葬の増加に伴い、さらに減少する傾向にあります。生命保険会社ではこの程度の額にそなえる保険は非常に少なく、また高齢になってからも事前の告知のみで加入できる点も大きなポイントになります。
ユニークな商品が数多くラインナップされている少額短期保険。生命保険会社や損害保険会社にも同様の商品ラインナップがありますが、少額短期保険の方がさまざまな面でメリットが多いようです。次回は他の保険会社と比較して少額短期保険が優れている点についてより深く掘り下げて解説いたします。