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リノベ・建築の達人が語る、高い電気代を節約する方法

ためる 松山 真介

昔と違って、5月から30℃超えも当たり前になり、年々クーラーが必須の期間は長くなっています。冬も、エアコンやストーブについ頼りたくなります。そうなると気になるのが電気代。高くなる電気代を少しでも節約し、安くするポイントは窓にあるのだとか!?今回は一級建築士としてリノベーションも手掛ける松山さんに聞いてみました。

Q1 省エネの電化製品を買うのがいいと思うのですが、どうやって選んだらいいですか?

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A1 省エネ製品の買い換えをナビゲーションしてくれる「しんきゅうさん」というサイトがおすすめです。部屋の広さや家電メーカーを入力すると電気代がどれだけ安くなるか算出してくれるスグレモノです。エアコン、冷蔵庫、テレビはもちろん、照明や温水洗浄便座に至るまで対応しています。製品の効果的な使い方まで丁寧に説明してあるので参考になると思います!
しんきゅうさん

Q2 すべてを買い替えもできませんし、電化製品は今のままで電気代を節約する方法はありますか?

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A2 断熱のポイントは窓にあります。一般的に住宅では、熱は夏は7割が窓から入ってきて、冬は5割が窓から逃げるといわれています。つまり窓で熱を制するのが最も有効な手段なのです。そういう意味では、カーテンやブラインドは、窓から入る光、つまり熱を調節できるので、夏は有効な手段だと思います。また、窓に断熱シートを貼るという方法もあります。

ただ、きちんと節電するのであれば、どうしてもDIYでは限界があるというのが正直なところです。その他、手軽にできる節約といえば、電球をLEDに変えるというのがあります。最近は電球色に近い色も出てきていて、部屋の雰囲気も変わらないのがいいですよね。

Q3 夏の電気代は窓の存在が大きいんですね。でも、断熱シートを貼る以上の節約って大変そう。

株式会社アポロ計画

A3 いやいや、そうでもないんですよ(笑)。ここでご提案したいのが「内窓」、つまり二重サッシにすることです。集合住宅の窓は共有物にあたりますので勝手に変えたりすることはできないのですが、内窓なら大丈夫。1窓に10万円程度かかるので、ちょっとハードルが高く感じるかもしれませんが、購入時にかかるコストとランニングコストを計算してみれば、内窓を付けるのがどれくらいお得かわかります。初期投資は少しお金がかかるけど、使えば使うほど元を取るというわけです。

また、これから家を購入する予定があるなら、エコ住宅にすると住宅ローンを借りる時に金利優遇などのメリットがある場合もあります。

Q4 内窓ってそんなに効果があるんですか?

株式会社アポロ計画

A4 それは体感してみるのが一番です。このガラス体感ボックスを触ってみてください。内窓にも単板ガラス、複層ガラスがあります。写真左から触ってみると、単板の3mmガラスは熱さを感じます。真ん中の一般複層ガラスはやや熱い程度、右のLow-E複層ガラスは全く熱を感じません。温度にして、右と左でなんと6℃の差があるんです。窓を変えるだけでこれだけの違いが出るのですから、エアコンの電力消費量に違いが出るのは明白です。

そもそも九州は断熱に対しての意識が低すぎるんです。九州の家は北海道より寒いと言われているくらい。その理由はまさに窓にあるんです。家電も車も低燃費が主流の今、家もその考え方を導入するべきです。さらに、内窓をつけると防音性能も向上するというのもうれしい効果です。

Q5 内窓なら、冬もあったかそうですね!ところで冬は特に乾燥するので、エアコンをあまり使いたくないのですが、どんな暖房器具がいいでしょうか?

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A5 ガスファンヒーターは燃焼時に水蒸気を発生させるので意外と潤います。ただ、その分結露はしてしまいます。ベストなのは、内窓をつけてガスファンヒーターですかね。内窓をつければ結露は少なくなるので。


「しんきゅうさん」なんていう便利なサイトがあるとは!それに内窓をつけるというのも意外な方法でした。でも体感してみると明らかな違いがあって驚き!まずはリビングだけでも内窓をつけるとかなり変わってくる気がします。