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山登りファンが急増中。何がそんなに魅力なの?

0円でかなうコト のぼろ編集部

山登りファンが急増中。何がそんなに魅力なの?

季刊のぼろ編集部

最近SNSで、「〇〇山に登った!」という投稿をよく目にするようになりました。そもそも山登りの魅力って? なぜきつい思いをして山に登るの? この疑問を解決すべく「季刊のぼろ」編集部の中村真悟さんに聞いてきました!

Q1 山登り=きつい というイメージ。なぜ山に登る人が多いのでしょうか?

季刊のぼろ編集部

A1 個人的見解ですが、学校の遠足がトラウマになっているのでは? 遠足は山での正しい歩き方を知らない先生が、普段の歩き方で先導するからきついのです。例えば、地下鉄中洲川端駅の階段は長くて急。それを普通の歩き方で上ると、心拍数が上がって息が切れるほどきついはず。

でも、山登りの歩き方だと、そげんきつくない。山登りの歩き方は、心拍数が上がらないようゆっくり歩くのが基本です。静荷重静移動といって、簡単にいえば、抜き足・差し足・忍び足の要領で歩く。これだと、楽に登れます。

その証拠にプロの山岳ガイドさんや山を本当に知っている人と一緒に登ると、とても楽です。「あれ?山登りってこんなに楽やった?」とびっくりするほど。一度そういう方と一緒に山に登り、「きつい」というイメージを払しょくすると山登りの楽しさが分かると思いますよ。

Q2 初心者なので山の選び方が分かりません。有名な山のほうが安心?

季刊のぼろ編集部

A2 確かに、心理的にも名前が知れ渡っている山は選びやすいですよね。福岡市周辺では一番最初に太宰府市にある宝満山の正面登山道を登る人が多いようです。しかし、山を知る人間から見ると、そのルート、実はめっちゃきつい。体力に自信のある人が登るのは構わないけれど・・・。

それより標高300~500mくらいで、景色がよく、樹林が美しい山が他にもあるので、そこからのスタートがおすすめ。例えば、新宮町の立花山(写真は頂上からの眺め)や福岡市の叶岳・高祖山など。それで山登りの筋肉・体力がついたら、宝満山など少しレベルの高い山に挑戦するのがいいでしょう。

大分県のくじゅう連山もおすすめ。標高1700m以上の山が9つある高峰群だからいきなり登れるの? と不安に思う人もいますが、牧ノ戸峠登山口からのルートは、夏に幼稚園児が遠足に来るくらい歩きやすい。もちろん、標高が高いぶん気象の変化などのリスクはありますが、選択肢の1つとしておすすめ。行くと100人中99人は山登りにハマる! スケールの大きい景観は一見の価値ありです。

最後に、いくら標高が低いといえども、それなりのリスクがあることは承知して山に入ってほしいです。分からないことは、ショップの店員や山に詳しい人に聞くのが一番。それと、必ず初心者の人にやってほしいのは、山メモを残すこと。「〇〇山に行って来ます」と必ず誰かに伝えてから山に入ってくださいね!

Q3 山に登ったときに、一番幸せに感じる瞬間は?

季刊のぼろ編集部

A3 山登りを始めたころは、「あの山にもこの山にも行きたい!」とピークハントが目的でした。それが20~30座登ると、だんだん「あれ?山ってそれだけじゃないぞ?」と感じるようになる。例えば、「あれ?鳥の声ってこげん美しかったかね?」「わっ!この花の色って絶対絵の具じゃだせんよね」といったように、ちょっと視点を変えると山には不思議がいっぱい転がっているのです。

そこに「はっ!」と気づく瞬間の面白さや楽しさ。これが、今の自分にとってプラスというか「栄養剤」なんですよね。自分はその「はっ!」とする瞬間に心ときめき、一番幸せを感じます。


山登りって難しいのでは・・・とハードル高く感じていましたが、中村さんの話を聞いて、私でも登れるかも! とイメージができました。まずは自分のレベルにあった山を選んでみます。そして、山の中に転がっているたくさんの不思議を探しに行ってみたいです!