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退職金は運用すべき?知っておきたい老後貧乏にならない基礎知識

そなえる

退職金は運用すべき?知っておきたい老後貧乏にならない基礎知識

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老後の生活資金のこと、考えたことがありますか? 公的年金だけでも豊かに暮らせたのは昔のこと。年金の先行きが危ぶまれ、介護サービスにも多額のお金がかかる時代、不自由なく暮らすには潤沢な老後資金が必要です。老後資金の柱となるのが退職金。今から退職金のことを知っておきましょう。

住宅資金、教育資金のしわ寄せがくる老後資金

ライフプランニング 老後

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人生でしっかり貯めておくべき3つの資金。それが住宅資金、教育資金、老後資金です。収入のある現役世代なら、不足する住宅資金や教育資金もローンでなんとかまかなえますが、そうはいかないのが老後資金。住宅資金や教育資金にお金をかけ過ぎるとそのしわ寄せがきて、老後資金を貯める余裕がなくなりがち。大病や介護などでお金がかかると、老後貧乏に一直線となりかねないのが現実です。若いうちから計画的にしっかり貯めて、不足すると予想されている公的年金に頼らなくてもいいようにしておきたいですね。

老後資金の柱となるのが退職金です。自営業の人も退職金代わりになる小規模企業共済などで用意している人が多いのではないでしょうか。リタイア時、一度にまとまったお金が入ってくるので、つい人生のごほうびにいろいろ使いたくなります。しかし、退職金は長い年月働いてきたお金の一部であり、会社があなたにかわって貯めてくれた老後の生活資金。後悔しないように税金の仕組みや運用法を学んでおくと安心です。

退職金の手取りってどのくらいもらえるの?

退職金の税金

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定年時にはどのくらいの退職金を受け取れるか計算してみたことがありますか? 社内規定で額面の見当はつけられますが、手取りの金額とは違います。それは退職金にも、所得税などの税金がかかるから。一度に1000万円、2000万円を超える大金となると、税金をどのくらい支払うのか気がかりですね。

退職金は長年の労働の結果として得るものなので、所得税にも退職所得控除を設けたり、他の所得と分離して課税されるなど、税負担が軽くなる仕組みがあります。勤務先に所定の手続きをしておけば、源泉徴収で大丈夫です。

退職所得控除額は以下の通りです。
1)勤続年数が20年以下の場合
退職所得控除額は40万円×勤続年数
2)勤続年数が20年以上の場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)

退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額に1/2を掛けて課税退職所得金額を算出し、これに所得税の税率を掛けて、控除額を差し引いた残りの金額が所得税額(基準所得税額)です。所得税の税率と控除額は課税退職所得金額によって異なります。復興特別所得税額は、基準所得税額に2.1%を掛けて計算した金額です。所得税及び復興特別所得税が源泉徴収で差し引かれます。

退職金が2500万円、勤務年数が30年の場合で計算すると、退職所得控除額が1500万円、課税退職所得金額が500万円。500万円の場合、課税税率は20%で控除額が42万7500円なので所得税は57万2500円、復興特別所得税額を合計すると58万4522円になります。ほかに住民税50万円が特別徴収されます。

退職金を賢く運用する方法って?

退職金の運用は、一般的にはデフレやインフレ、国内外の景気の変動にも対応できるように、預貯金、債権、株、為替、保険、不動産など分散させておくのがいいとされています。退職直後の経済状況ではベストの選択でも、5年後、10年後には大きく変わっていることも。常に経済状況に注意して対応していく必要があります。

限られた大切なお金ですから、減らさないためにハイリスクハイリターンの金融商品は避けるのが基本です。しかし、元本保証の金融商品は利回りも低いのがデメリット。インフレに負けないためには増やすことも考えてみる必要があります。株なら投資信託、不動産ならリートなど複数の株や不動産を組み合わせる金融商品なら、ある程度はリスクに対応することができます。最近は、銀行など身近な金融機関でも、資産運用の相談ができるところが増えています。

退職金で住宅ローンや教育ローンの返済をする予定の人も多いでしょう。しかし、退職後の生活を考えると、退職金はなるべくたくさん手元に残しておきたいもの。定年までに繰り上げ返済などで少しでも借金を減らしておきたいですね。子どもの年齢や引退後の生活など、おうちの経済事情はそれぞれ違います。ファイナンシャルプランナーに相談して、ライフプランを見直し、定年までの貯め方を考えてみるのもおすすめです。


将来受け取る退職金を有効活用するためにも、これから老後資金を殖やすためにも、お金に関する知識が必要。「お金は苦手」という人も、金融商品の仕組みのことなど、少しずつ勉強してみてはいかがでしょうか。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。