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相続で家族がもめないために最低限やっておくことは?

そなえる 白浜 仁子

目次

帰省するたび、両親が歳とったように感じるこの頃。そういえば親友のお父さんの相続、もめたって聞いたなぁ・・・。ウチに限ってとは思うけど、今のうちにやっておくべきことってありますか?

Q1 ドラマみたいな相続争いって、資産家だけ?

Sebastian Kaulitzki/Hemera/Thinkstock

A1 家庭裁判所における相続関係の相談は、10年前に比べると2倍近くに増えています。さぞかし資産家の争いが頻発しているかと思いきや、遺産5000万円以下の調停が約8割を占めており、うち4割近くが1000万円以下。このことから、庶民の方が相続争いに陥りやすいことが分かります。「ウチには関係ない」と思っている家庭ほど油断は禁物です。

Q2 相続対策って何をするの?

A2 相続対策というと“相続税の対策(節税)”と思いがちですが、実は税金のことは二の次。いくら節税できても、家族が不仲になっては意味がありません。まずは、財産をどんな風に分ければ皆が仲良く、より心豊かに暮らせるのかという「もめない対策」の方が大切で、先立つ者の一番の願いではないでしょうか。まずは、親子で相続についての想いを共有し、理解し合うことから始めましょう。

Q3 やっぱり遺言書って作るべき?

Antonio_Diaz/iStock/Thinkstock

A3 相続は遺言書があると安心です。簡単なのは、便せんなどに書いて自分で保管する「自筆証書遺言」ですが、形式不備が起こりやすいことや、偽造・変造の恐れがあること、また遺言書を見つけてもらえない可能性もあるため、あまりお勧めしません。それなら多少費用は掛かりますが、公証役場にいって公証人や立会人と一緒に作成する「公正証書遺言」が確実。他にも遺言書の作成から執行までをトータルでサポートしてくれる「遺言信託」や、自分のあとの相続まで指定できる「家族信託」という方法もあります。

Q4 いくらから相続税はかかるの?

A4 相続は、基礎控除額という一定金額を超えなければ課税されません。基礎控除額は、平成27年以降の相続から4割縮小されたため、とても関心が高まってメディアでもよく取り上げられています。計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人数(法律で定められた相続人の数)」。たとえば、夫と妻、子ども2人の家庭で夫が亡くなった場合、法定相続人は妻と子どもの3人なので「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」。つまり財産の総額をざっと見積もって4,800万円以下なら、基本的に相続税はかかりません。

Q5 相続税がかかりそうな場合は?

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A5 もし財産が基礎控除額を超えそうなときは、相続税法に沿った評価方法や、特例の適用なども含め具体的に見積もる必要があります。その場合は、税理士などの専門家に確認しましょう。その後、必要があれば相続税の対策をすればいいのです。

Q6 お得な相続税対策は?

A6 対策はいくつかありますが、今回は、比較的容易に効果が得られるのに、実際に相続税をおさめた家庭4件のうち1件しか活用していない「生命保険の非課税枠」を紹介します。
生命保険は「法定相続人1人につき500万円」の非課税枠がもうけられています。たとえば、前述の例では、1500万円までの保険金が非課税になるのです。現金を残すのではなく一時払い終身保険に加入して保険金として残せば、その分、財産が圧縮されます。また、生命保険は、渡したい人に確実にあげられるのも魅力ですね。

Q7 親からの財産は不動産メイン。納税資金はどうしよう!?

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A7 配偶者は、少なくとも1億6000万円までの相続なら課税されない「配偶者の税額軽減制度」があるので、一般に税金の心配はありません。ただ、日本では相続財産のほとんどが不動産ということも珍しくなく、子どもが相続した場合は納税資金に頭を悩ませることも。実は、こんな時にも生命保険が活用できます。受取人を子どもにして月払い・年払いで加入しておけば、いざという時、保険金を納税資金に充てられます。そのほか、不動産や事業などの分けにくい財産を一人の相続人が引き継ぐとき、代わりにその相続人が他の相続人に対しキャッシュを払う「代償分割」という方法がありますが、その場合も生命保険で備えることができます。


相続はお金持ちだけの話じゃないんですね。先々の介護のことも含めて、今度帰省した時に皆で話してみなきゃ。

 

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