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リアルデータから学ぶ! なぜ女子こそ資産形成が必要なの!?

横川 楓

リアルデータから学ぶ! なぜ女子こそ資産形成が必要なの!?

家計簿アプリでお金を管理して、キャッシュレスでポイントを貯めて、日々の生活も楽しみつつ、貯金や投資もする。今の自分の資産と向き合って全部うまく行動できる人もいれば、将来のために少しずつでも何かやらなくちゃいけないのはわかっているけど、なかなか行動に移せていないという人もいるのではないでしょうか。

今回は「女子のリアル」と向き合いながら、資産形成をすることの大事さを改めて一緒に考えていきたいと思います。

女性は男性より生涯を通して平均年収が低い

令和1年11月に公開された平成30年の民間給与実態統計調査(P19参照)では、女性の1年を通じた年間の年収は大体年収300万円前後で、一番高くても25歳から29歳までの326万円。男性で一番高いのが55歳から59歳の686万円なので、一番年収が高くていくらかというのを比べても約2倍の差が開いていて、全年齢の平均でも男性は545万円に対して、女性の平均は293万円と、悲しいですが女性の方が年収が低いというデータがあります。

また、非正規雇用の場合の女性の平均年収は154万円です。内閣府の発表した令和元年版の男女共同参画白書によると、女性は年齢層が上がるごとに非正規雇用の割合が高くなっています。結婚、妊娠、出産などのライフイベントで仕事を辞めたり、変えざるを得ない現状が、原因でしょう。

今自分自身が返済をしていたり、これから自分が親になった時にもしかしたら子供が借りることになるかもしれない奨学金も、日本学生支援機構(P17参照)によると年収が低い人の延滞の割合が多くなっています。年収が低いと延滞をしてしまうというのは一見当たり前に聞こえるかもしれませんが、延滞をしている割合を見ると女性は男性よりも年収が低い層での延滞が多いということがわかります。

今までご紹介したデータはあくまで平均の数字なので、中にはもちろん当てはまらない人もいるでしょう。しかしデータを見るだけでも、女性の方が苦労している面が見受けられますよね。女性の社会進出が進む流れはありつつも、悲しいですがまだまだ賃金自体の格差もあるのです。一方で、たとえばライフイベントでいえば妊娠・出産は女性の方がより当事者になるイベントですし、働く女性が増えた今、自分の収入は自分で管理していかなければなりません。リアルをしっかりと受け止めつつ、危機感を持って自分ごとにしていく必要があります。

少しでも将来のためのお金を増やしていくために

資産形成をしていく中で、まずしなければならないのは、生活の余剰資金を作ることです。具体的に言えば、カードの引き落としや生活費の支払いで、カツカツの残高にならないように、毎月のお給料の3か月分以上くらいの資産を維持すること。これは貯金というよりも、最低限残しておいた方がいいお金です。もちろん、残高が多いに越したことはないですし、使えるお金が増えるとブランドバッグを買いたくなったり、今より広い家に引っ越したりしたくなってしまいますが、そこはぐっとこらえて、銀行の残高はお給料の何か月分かを必ず残しておくというように決めておきましょう。

そして、ただお金を残していくだけではなく、少しでも増やしていかなければなりません。本業とは別に副業を始めたり複数の収入を得ることも大切ですが、そこまで働く体力もないという人も多いはず。お給料が定期的にどんどん増えていけばいいのですが、今の日本ではなかなかそういうわけにもいかないのが現実。

そこでお金を増やすためにぜひ始めてほしいのが「つみたてNISA」です。「つみたてNISA」はリスクも低い積み立ての投資信託で、大金を投資に回すような余裕がない中でも、初心者が一番はじめやすい国が作った投資の制度です。証券会社によっては月100円から始められ、本来であれば投資で儲かった利益に対して取られる税金も20年間かかりません。ドラッグストアでコスメの衝動買いを毎月一つ止めれば、十分捻出できる金額でしょう。

もちろん「つみたてNISA」も投資なので、最初に投資をした金額より損をしてしまう可能性もありますし、月数百円程度だと利益自体も少ないですが、何かしらの投資をすることは今の私たちにとって少しでもお金を増やすことができる大きな手段の一つです。まずは「つみたてNISA」のような始めるハードルが低い投資の方法で少額からでも投資をする習慣をつけていくことが必要です。

奨学金返済、クレジットカード、失業…本当にお金に困ったら

中には実際に生活費のないことで悩んでいるという人もいるかもしれません。「お金がない」状況に陥ると、不安で考えるのも嫌になってしまい、そのままの状態にしてしまいがちです。日々の無駄な買い物を抑えて、しっかりと貯金をしていく必要があるのは皆さんわかっているとは思いますが、「お金がない」状況は自分で何かをしなければ解決しないことがほとんどで、そのままにしておくと状況が悪化してしまう場合もあります。家族や友人に頼れるのであればそれが一番ですが、本当にお金に困ったら、公的機関の相談窓口や支払先など必ず誰かに相談するようにしてみてください。

奨学金の返済が大変なら、毎月の返済を減額できる減額返還、今はどうしても返済が難しいのであれば一定期間返済を待ってもらえる返還期限猶予など、今の支払いを軽くできる制度を利用しましょう。返済期間は延びてしまいますが、延滞の方がリスクがあります。

クレジットカードの支払いが難しくなってしまったのであれば、借金をして引き落としに回したり、引き落としができないまま放置するのではなく、まずはカード会社に連絡しましょう。場合によっては、引き落とし額の分割払いを相談することもできるはず。もしもほかのクレジットカードでも支払いが必要だったり、多重債務の状況になっているのであれば、債務整理の相談をする必要があります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減ってしまい、何かの支払いができずに困っているという人もいるかもしれません。その場合も、まずはお金を支払わなければならない相手に相談をしましょう。

現時点(2020年4月27日)では、4/27時点で住民基本台帳に記録されているすべての人に対する「特別定額給付金」という一律10万円の現金給付が発表されています。お住いの市区町村から送られてくる申請書と本人確認書類を郵送で申請する方式か、マイナンバーカードを使ったオンラインで申請する方式で、世帯主にまとめて振り込まれる仕組み。住民票を移している一人暮らしであれば世帯主は自分、実家暮らしであれば自分ではなく家族のだれかが世帯主である可能性もあります。申請がはじまったら、スムーズに申請できるよう市区町村のサイトをチェックしておきましょう。ほかにも、家賃が支払えなくなりそうなら各自治体で実施されている住宅確保給付金の活用を検討したり、自治体の社会福祉協議会に申し込むことで、お金を無利子で借りることができる制度は設けられています。お金がその場で手に入るわけではなく審査に通った場合に振り込まれるということ、返済が必要なことをしっかりと理解した上で、いざというときに利用できるものとして頭においておきましょう。

日々いろいろな出来事があり、社会が動いていく中で、突然収入がなくなってしまうなんてこともゼロとは言い切れません。そういった非常時のためにも、きちんと貯金や投資をしてお金を増やしたり、買い物も旅行も趣味も楽しむことは全力で楽しみながら、スマートに日々の暮らしや将来を豊かにしていくためにも、早いうちから資産形成をしっかりしていくことが大切なのです。

苦しいときや困ったときは誰かに相談し、自分で自分の資産を増やしていけるように、“お金”に関することにも当事者意識をしっかり持って、知識や情報を増やしていってくださいね。