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どんな人でもお金持ちになれる たった1つの方法とは?

お金をとことん増やしたい人のための 「資産運用」超入門 泉 正人

どんな人でもお金持ちになれる たった1つの方法とは?

そろそろ資産運用を始めてみたいと思っているみなさん。ようこそ、泉先生の「資産運用 超入門」講座へ。

この講座は、「お金をとことん増やしたい!」と考えてはいるものの、「まだ何もはじめていない」、「何からはじめていいかわからない……」という人に、自分に合った資産運用法を見つけ、実際に行動に移せる力を身につけてもらう講座です。

資産運用の方法をマスターできれば、夢や目標をかなえたり、老後にゆとりを持って暮らしたりするための資産を自分でつくることができるように。さぁ、心もお金も豊かに、自分らしいライフスタイルを楽しめる人生をここから手に入れましょう!

お金持ちには、2つの種類がある

Kくん、もしどんな人でもお金持ちになれる方法があるとしたら、知りたいと思う?

それはもちろん…。

その答えは、資産運用。

えっ!?

驚くよね。でも、実際そうなんだ。では今日はまず、こちらの話から始めよう。世の中のお金持ちは、「フローリッチ(労働所得の高いお金持ち)」と「ストックリッチ(たくさんの資産を持つお金持ち)」の2種類に分けることができる。

どちらも初めて聞くワードです。

「フローリッチ」は、一言でいえば「収入が多い人」。たとえば、ハリウッドスターや世界的に有名な歌手、有名なプロスポーツ選手など。医者や弁護士などもここに入るかな。でも、どれほど才能あふれる芸能人でもスポーツ選手でも、その才能をフルに活用して働ける時間は限られている。睡眠や食事、移動の時間をゼロにして働くことはできないからね。

確かに長期的なスパンで見れば、20代から30代まで第一線で活躍できたアスリートでも、50歳で同じ働き方をするのは厳しいですよね。ハリウッドスターだって、全盛期の人気を保つのはなかなか難しいことかもしれないし…。

そう。つまり、永続的に高収入というわけにはいかない。一般人にとっても、天才アスリートにとっても、それは同じなんだ。

「ストックリッチ」はどんなお金持ちなんですか?

「ストックリッチ」は、収入が多いというより、「資産を活用してお金を増やしているお金持ち」のこと。資産とは、株式や不動産、債券や投資信託など運用商品はさまざまだけど、その資産から生み出される運用益が多いのが特徴なんだ。たとえば、「ストックリッチ」の代表と言えば、世界有数の富豪として知られるウォーレン・バフェット氏。投資家である彼は、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり経営者でもあるけれど、生まれついてのお金持ちではなく、ごく普通の家の生まれ。にも関わらず、資産運用で驚異的な成果を出しつづけていて、世界中の投資家に敬愛されているんだ。

普通の家の生まれ? もしかして一攫千金…!? 

いや、バフェット氏は資産を効果的に運用することでお金を増やしつづけ、現在のような資産を持つに至ったんだ。

それはすごい。希望のある話ですね!

そうだね。ここで参考までに、毎年発表される、経済誌「Forbes」の世界長者番付トップ10を見てみようか。

 

あれ? 意外にも、ハリウッドスターとか有名なプロスポーツ選手みたいな「フローリッチ」はランクインしていないんですね。

でしょ?ランクインしているのは、いずれも「ストックリッチ」と呼ばれる人たち。所有している資産がお金を生み出して、資産が増え続けている点が共通しているよ。資産は人間のように睡眠も食事も移動時間も要らないし、老化や病気もしないから、資産を運用する仕組みさえつくっておけば、何十年もずっと休まず働いて収益を上げ続けてくれるんだ。もしKくんが病気で1年間入院して収入がゼロになったとしても、その間もお金は仕組みどおりに働いて、自動的に増えてくれるんだよ。

そんなこと、本当にあり得るんですね…。

では、2種類のお金持ちについてわかったところで質問。僕たちみたいな普通の人が目指せるのは、どちらのお金持ちだと思う?

「フローリッチ」には人並みはずれた能力や天才的な技術などが必要だから、なかなか難しいですよね。でも、「ストックリッチ」だったら可能なのかも。資産運用でゼロから資産を築くことができるんですよね?

そのとおり。実は僕も、かつては資産ゼロ。年収200万円台からスタートして、転職して給与収入が増えても、それに伴って支出が増えて生活は苦しいままだった。でも一念発起して、お金の仕組みや資産運用について学んだことで、今では資産が増えて、資産運用のノウハウをスクールで教えるまでになったんだよ。

えぇっ、先生が!? なんだか勇気が湧いてきました。

少ない資産でスタートしても、適切な資産運用方法を選択し、時間とお金をかけることで、大きな財産を築くことができる。Kくんもこれから、この講座で学ぶ資産運用を実践して、「ストックリッチ」を目指していこう!

資産運用って、お金を増やすこと? お金を減らさないこと?

先生は前に、資産運用と聞いて、「お金が増える方法」というイメージを持つ人もいれば、「お金が減らないようにする方法」と考える人もいるかもしれない、と言っていましたよね?

そう。非常にまぎらわしいのだけれど、資産運用の目的は「資産形成(お金を増やすこと)」と「資産保全(お金を減らさないこと)」の2種類に分かれているんだ。お金を増やしたいのに資産保全を続けたり、逆にお金を減らしたくないのにお金を増やす方法を選んだりしては、望む結果に結びつかない。自分の目的に合った方法を選ぶことが大切なんだよ。

自分の目的に合った方法…。

そう。たとえば、まだ28歳で、新居の頭金をつくりたいという人と、迫り来る老後に備えて急いで資金をつくらなければいけないという58歳の人が同じ運用方法を選ぶということはないよね。ほかにも、ローンのないマイホームを持っている人、住宅ローンが20年以上残っている人、賃貸暮らしを続けてきた人によっても方法は異なる。

サラリーマンか自営業か、あとは家族構成によっても、これから必要となるお金は違うし、現在の資産の状況など人によっても経済状況はさまざまですもんね。

そう。資産運用には多くの方法があるけれど、絶対王道の、誰がやってもベストな選択というものは残念ながら存在しないんだ。そのかわりに、自分の状況と目的に合った正しい運用方法はある。「お金を増やすための資産運用」と「お金を減らさないための資産運用」については、今後の講座でくわしく伝えていくよ。

楽しみです。

ではここで、「資産」と「運用」という言葉の正確な意味も理解しておこうか。

お願いします!

まず「資産」とは、(売ったら)お金に変わるもの。もう少し難しい言葉でいうと、個人や企業が所有する、経済的に金銭価値のあるもののことだよ。

それって、貯金とか車のことですよね。ほかにはどんなものがありますか?

株式、債券などの有価証券、所有する不動産なども資産にあたる。洋服なんかも、売れるものなら資産になるよ。

洋服も!僕、わりと資産持ちかも(笑)。では、「運用」とは?

そのものの持つ機能を活かして用いること。持っている資産の特徴を理解し、その価値を増やすことだよ。たとえば、5万円で株式を購入して、その分配金や売却益を得ることが「運用」。

なるほど、わかりました。

ではここからは、「安全な資産運用のための3つのポイント」についても伝えていこう。Kくんがどう感じているかはわからないけど、日本では「投資」としての資産運用を行っている人はごく少数なんだ。日本証券業協会によるアンケート調査(平成27年)によると、預貯金以外の金融資産を有している人は、わずか約20%。世界的に見てもとても少ない比率なんだよ。

わかります。僕の周りを見ても、資産運用している人なんてほとんどいないですもん。

なぜ、少ないのだと思う?

やっぱり、「投資は危ない」「ギャンブルのようにお金を失うかもしれない」という考え方が浸透しているからじゃないですか。

では、なぜそう考えるのかはわかる? 投資で失敗した人は実体験から「投資は危険だ」と言う一方で、資産運用でうまく行っている人は妬まれるのを避けるため、うまくいっていることを他人に言わないからだよ。

なるほど。そうすると「危険だ」という先入観だけが残るのか。そしたら投資しようとは思いませんよね。

でも実際に試したわけでもないのに、先入観や偏った意見だけを鵜呑みにして何もしないのは、大きな機会損失と言わざるを得ない。資産運用だけに限らないけど、「何もしないでいる」「傍観者でいる」という選択肢は、人生の可能性をせばめてしまい、非常にもったいないことなんだよ。

うっ、ちょっとグサリ…。

もし、「危険だ、不安だ」と思うなら、なぜ危険だと思うのか、どうすれば不安やリスクを減らせるのか、どうすればうまくいくのか。それをこの講座では、一緒に考えていきたいと思っているんだ。

「考える」って大事ですよね。自分の頭で考えることで、ベストなものを探すことはもちろん、考えた結果の成功も失敗も、自分自身の糧になると思うし。

そう! 幸い、資産運用には株式、債券、投資信託、不動産、金、為替取引……など数多くの種類がある。そのなかから、いろいろな方法を小さく試してみて、その特性を理解すると、自分の経済状況や年齢、性格に合ったものを選べるようになるよ。もちろん、小さく試してみて合わなければ、その時点でやめてもいいんだ。

なんだか、小さい頃の習い事と似ていますね。何が得意かわからないから、野球やサッカー、水泳、ピアノ、ゴルフなど、いろいろ試したうえで得意分野を見つけるみたいな。

うん。資産運用もそれと同じ。いろいろ試して得意分野が見つかると、結果が出るようになる。運用によって実際にお金が増えていくと、自信を持って前向きに投資にのぞめるようになるんだよ。

やってみなけりゃわからない!か。

ここで、できるかぎり安全で着実な資産運用をしたいという人にとって重要なポイントを3つ挙げておこう。

安全で着実な資産運用をしたい人にとって重要なポイント3つ

1 一攫千金を狙わないこと

2 「資産形成」と「資産保全」を混同しないこと

3 得意な分野で資産運用を行うこと

ふだんは慎重なのに、お金を増やすとなると、急に大儲けしたいと考える人がいるけれど、まずは少しずつ増やしていくことが肝心。たとえば、「100万円を投資すれば、すぐに500万円に増やせます」というような投資話があったとしても、決して乗らないこと。一攫千金の投資話は怪しい、と心得て。

心得ます。

あとはそれぞれの運用商品の利回りを知ったうえで、自分の許容範囲のなかではじめること。また、「資産を増やすために行う手法」なのか、「資産を守るために行う手法」なのかを混同しないことも大切。これらについては、のちに「得意な分野での資産運用」というテーマに合わせてくわしく説明していくよ。

資産運用は専門家(プロ)に任せればいい?

日本で「投資」を行う人が少ない理由は「投資は危険だという先入観が多い」と話したけれど、それ以外にもあるんだ。それが、「たくさんある金融商品から何を選べばいいかわからない」というもの。実際に銀行、証券会社、保険会社など金融機関が提供・仲介する投資信託、株式、債券、保険…など数多くあるよね。

いや~、それ、本当にわかりません!

たしかに、国内・海外の経済情勢を考慮してどんな運用をするのかを考え、決断するのはなかなか難しいこと。その解決策として、資産運用のプロに任せればいいという意見もある。

資産運用のプロ?

証券会社や運用会社に勤めるファンドマネージャー(投資信託の運用を行う専門家)に、資金を預けて運用してもらうということだよ。メリットとしては、「知識・経験豊富なプロに運用してもらえる」「個人ではできないような分野への投資ができる」などがある。

デメリットもあるんですか?

「プロに依頼するための手数料が発生する」「プロに任せきりで自分の資産運用について考えなくなってしまう」「プロといっても、損することがある」ということかな。

えっ!? プロでも損することがあるんですか!?

ファンドマネージャーという仕事は、投資信託に組み込む株式の銘柄などを選択することを仕事にし、それによって収入(給与)を得ている。もちろん、投資未経験者よりははるかに高い知識と多くの経験を持っているけれど、投資によって自分の資産を増やしているわけではないと知ることが大切なんだ。プロに任せる運用を否定するわけではないけれど、何も理解しないまま任せきりにするのではなく、プロに依頼する場合でもきちんと理解したうえで依頼するようにしてほしい。

なるほど。丸投げにはしない、ということですね。ちなみに「手数料が発生する」とありましたけど、プロに頼まなければ手数料はかからないんですか?

いい質問だね。「資産運用のプロ」に頼んだ場合、当然ながら手数料がかかってくる。たとえば、投資信託で資産運用する場合には、年間数%程度の手数料が毎年かかる。しかも、運用が失敗しても、手数料は払わなければならないんだ。

失敗しても…。

これを必要経費として考えるか、自分でやることでそのコストを減らすかは、もちろん人それぞれの判断による。でも、たとえプロに頼まなくても、金融商品の売買や保有にはさまざまな業者が携わるので、次のようなコストが発生するんだ。

金融商品にかかるコスト(一例)

・株式:証券会社→売買委託手数料

・投資信託:証券会社→販売手数料・信託報酬・信託財産留保額

・不動産:不動産仲介業者→仲介手数料

・FX:証券会社→スプレッド(FX業者ごとに決めた売値と買値の差額)

仮に、100万円の資産を運用するとする。その100万円を購入するために3%の販売手数料がかかるとしたら、実際の運用元金は97万円からのスタートとなる(実際には若干のズレがある)。すると、1年で3%増えたとしても1年後の資産は100万円のまま変わらない。

このように、コストが発生するので、そのコストを理解したうえで、業者を比較したり、実際の利益を計算する必要がある。たとえば株の場合だと、一般的に、店舗を構えている証券会社よりも、「ネット証券」のほうが圧倒的にコストが低いので、おすすめだよ。

なるほど…。やっぱり、いろんな角度から検討して、自分にとってより良い投資方法を見つけることが大切なんですね。

資産運用で得られる3つのメリットとは?

資産運用をはじめることで、僕らはお金だけでなく、さまざまなメリットを受けとることができる。大きく3つあるんだけど、どんなメリットだと思う?

まずはやっぱり、安心して暮らせる。でしょうか。

そうだね。メリット1は、「資産を増やして安定した生活を送ることができる」。銀行に預けっぱなしではほとんど増えない超低金利時代の昨今でも、資産運用を行うと「お金を増やす」ことができ、その結果、安定した生活が手に入る。さらに、お金があることで選択肢を増やすことができ、夢や目標へのチャレンジもできるようになる。これが資産運用における、最も重要なメリットだね。では2つ目はわかるかな?

知識が増える?

正解!メリット2は、「自己成長できる」。株式にせよ、投資信託にせよ、不動産にせよ、運用によってさまざまな知識が身についていく。たとえば、世界的な政治・経済の動向を把握したうえで、この先どうなっていくのかを自分の頭で考え、判断し、決断することができるようになるよ。

「経済や国際情勢を学びましょう」とか、「毎日ニュースを見て円やドルの為替状況を確認しましょう」と言われても、必要性を感じなければ面倒でなかなかできないですもんね。

でも、自分のお金が減ったり増えたりするとなると、俄然やる気になる(笑)。日々のニュースが他人ごとでなく、自分ごとになるからね。おすすめなのは、資産運用を、経済や投資の勉強をしてから満を持してはじめるよりも、実践しながら日々学習していくというスタイル。お金に関する幅広い知識やスキルが身につくことで、結果的に、正しい判断力や高い知性に結実し、自分自身を大きくレベルアップさせることができるんだ。さて、そして最後のメリット3はなんだろう?

ううむ…これは思いつきません。

メリット3は「社会貢献できる」だよ。「資産運用することが、なぜ社会貢献に?」と不思議に思う人もいるかもしれないけど、資産運用は自分のお金を資産に変えることによって、収入を生み出すというもの。株式投資であれば、自分のお金を企業に投資することで、その対価として配当金や売却益を得られるよね。そして集めたお金をもとに、企業がめざましい成長を遂げれば、社会にその結果が還元される。

わかりやすい例はありますか?

たとえば、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドという会社の株式を購入したとしよう。株式購入を通じて、Kくんはその企業にお金を投資することになる。企業はそれを元手として、新しいアトラクションの開発や、より優秀な人材の育成に注力できるので、Kくんを含めたさらに多くのユーザーがディズニーランドに行きたくなるよね。その結果、企業の経営がうまくいき、より高い利益をあげることができれば、その企業が納める税金も増える。そしてその税金は、いずれ私たちの生活にさまざまな形で還元されることになるんだ。

おぉ~!わかりやすいです。

また、投資した側も配当金や売却益で利益を得ることができ、より多くの税金を納めることができる。つまり、運用の規模が大きくなるほど、自分自身の利益だけでなく社会還元も大きくなっていくんだ。投資した企業が成長すると、社会全体にもよい効果が生じる。それが、資産運用で実現できるメリットだよ。この社会貢献という観点は、具体的な投資先の選び方にもかかわってくるといえるんだ。

「資産を増やして安定した生活を送ることができる」「自己成長できる」「社会貢献できる」。今日はこの3つのメリットを、しっかり頭に叩き込んで帰ります!

まとめ

「資産運用」は、どんな人でもお金持ちになれるたった1つの方法。ただし、絶対王道の、誰がやってもベストな選択というものは残念ながら存在しません。大切なのは、数ある資産運用の種類の中から、自分の経済状況や年齢、性格に合ったものを選ぶこと。そのために、自身の資産運用の目的が「資産形成(お金を増やすこと)」なのか、「資産保全(お金を減らさないこと)」なのかを知り、さらに、数ある資産運用を試しながら得意分野を見つけ、実践力と自信を身につけていくことです。

次回は、「お金の機能」についてお話していきます。お楽しみに!