えっ、子育て費用は一人〇千万!?かかるお金をシミュレーション (2ページ目)
目次
マネープランから見たら2人目は何歳差がいいの?
2人目の子供を儲ける場合、育てやすい年齢差や教育資金、また、ママのキャリアへの影響についても考えると思います。子供は天からの授かりものですので、必ず計画的にいくという訳ではありませんが、年齢差によってどのような特徴があるかを考えてみましょう。
例えば、歳の差が7歳開いている場合はどうでしょうか。長子が小学校に入学し、自分の身の回りのことをそれなりに出来るようになる頃に第2子が誕生します。ですので、乳児期にはそれぞれに手をかける余裕がもてることや、時には長子が子守を手伝ってくれるということもあるでしょう。
小学生の時期はPTAや参観日・運動会・バザーなど学校行事に参加する機会が多くあります。共働きで休みが取りにくい場合は、7歳開くと12年間も小学校の行事のやり繰りが続くことになり、負担に感じる人もいるでしょう。ただ、高校・大学の時期が被らないので教育費の負担が大きい時期をずらすことができ、1年ごとの資金計画が立てやすくなるのはメリットです。
一方で、7歳差では、第2子が大学を卒業した後、老後資金の準備にラストスパートをかける期間が短くなってしまいます。また、フルタイムで働きたいママにとってはマイナス要因もあります。第1子の時短勤務が終わる頃に第2子出産となり再び産休・育休、そして再び時短勤務という働き方になるためです。もちろん状況が許せば時短勤務は早々に切り上げ、通常モードで働くこともできます。
それでは、3歳差になるとどうでしょうか。その場合、幼稚園と小学校、高校と大学の入学や卒業の時期が重なるため、3月4月は行事が満載です。入学式や卒業式もですが、それにかかわるものとして制服の採寸や教科書の注文なども同時にこなすことになり、日程や出費が集中します。
また、第1子の大学受験と、第2子の高校受験の時期も重なるため、塾代がかさみ、受験前のピリピリした空気も倍増(?)します。ただ、一気に終わって良いという考え方もできます。
ちなみに、わが家の場合、第1子と第2子は年子(としご)、第2子と第3子は3歳差の3人兄弟ですので、イベントが続くことが複数ありました。想定外の浪人もあったことで3年間で4人分の受験を経験したこともあります。テレビも付けられず、鼻歌も嫌がられました(笑)
気になる年齢差ですが、そもそも、いくつ違いで第2子を儲けるかは計算通りにいくものではありませんし、タイミングを気にし過ぎて妊娠のチャンスを逃してしまうのは残念です。無計画は良くないですが、授かりものですから歳の差ばかりを気にしすぎない方が良いのかもしれません。
子育てのお金、逃がさない貯め時はいつ?
ここまで見てきたように教育費を総額で知ると卒倒してしまいますが、お金の貯め時を逃さずメリハリをつけていけばそれなりに準備できます。ここからは、保育園に通わせる共働き家庭を例に貯め時を見ていきましょう。
子育ての貯め時は「3回+one」と覚えてください。
最初の貯め時は、出産時。赤ちゃんを迎えるための準備にお金は掛かりますが、一方で、出産時にお祝いを頂くこともあると思います。今必要なものに使うのも良いですが、生活費に消えていかないよう残りはしっかり貯めておきましょう。
第2の貯め時は、満3歳から小学校就学までの間。この間は、政府による幼児教育の無償化で保育料の負担が軽減されます。これまでの先輩パパ・ママは負担してきたものなので、後続組は払ったつもりで貯めていくと貯蓄ペースがアップし安心です。
第3の貯め時は小学生の時期。公立の小学校に支払うものは給食費+αくらいの負担で良いので貯めやすい環境といえます。例えば、私立中学に通わせたいと考えている場合は、一般に小学4年生くらいから専用の塾に通わせることが多いようです。その場合はできるだけ低学年のうちに貯めておくように意識しておくと良いでしょう。
幼稚園に通わせるのなら、出産~幼稚園入園、そして幼稚園の頃も貯め時といえます。そして最後に「+one」。これは、子供の誕生から15年間!ロングランで継続して欲しいです。子供が生まれると中学3年生まで児童手当を受け取れ総額200万円程になります。受取口座を生活用の口座と分けておくと自然に貯まります。
教育費はどうやって用意するか
それでは、教育費はどのような金融商品を使って準備していくと良いでしょうか。
子供が生まれると「学資保険」が頭に浮かぶ人は少なくないと思います。学資保険は将来の学費のために積み立てながら、万一契約者であるパパ(またはママ)が死亡した場合にその後の払い込みは免除され、支払時期になったら契約した保険金が受け取れるようになっています。ただ、万一時の保障がある一方で、低金利が続く状況下で積み立てても増やすことは期待できません。そんなことから資産運用を検討する人も増えています。
投資初心者なら、学資用に「つみたてNISA」を活用するのも選択肢です。例えば前述の児童手当分で積み立てるのも良いでしょう。気になるけど初めてなので心配という人は、半分をつみたてNISAにして、残りは預金で積み立てるという方法もあります。
既につみたてNISAをしているという人は、「ジュニアNISA」も選択肢です。こちらは2023年まで年間80万円まで投資でき、制度廃止後も18歳までは非課税で保有できます。学資保険のような死亡保障がセットになった方が良い人は、「外貨建て保険」や「変額保険」も選択肢に入るでしょう。ただ、こちらも死亡保障があることなどにより増え方が鈍くなるため、既に死亡保障に十分入っているのなら投資だけ検討する方が効率的です。貯めると増やすを上手に活用していきましょう。
子育てを支援してくれる手当や支援制度
子育てをしやすい環境にするためにいくつかの手当や支援制度があります。
【図表4】子育てを支援してくれる手当や支援制度
児童手当
0~3歳未満は月1.5万円、3歳~小学生まで月1万円(第3子は月1.5万円)、中学生は月1万円が支給されます。一定以上の所得がある場合は、特例給付として月5000円に下がります。この所得制限は扶養親族の数によって異なります。なお2022年10月から年収1200万円以上の人は特例給付の支給が廃止となる予定です。
幼児教育・保育の無償化
保育園、幼稚園、認定こども園などを利用する3~5歳までの保育料が無償化されます。なお、給食やおやつのような食費、通園のバス代、運動会や遠足などの行事費用は対象外なので別途負担することになります。
高等学校等就学支援金
国公立の高校は授業料の負担が実質ゼロになります。修学旅行費などは別途負担します。私立は所得に応じて支給額が異なりますが、学校が受け取り、差額を保護者が負担することになります。支援を受けられる世帯は年収910万円未満が目安です。
日本学生支援機構の奨学金
貸与型奨学金として、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。
また、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生は、授業料や入学金の免除や減免、給付型奨学金の支給が受けられる制度も2020年から新たに始まっています。
国の教育ローン
日本政策金融公庫から「一般教育貸付」として教育費が借りられます。最高350万円までですが、自宅外通学の場合や、大学院に行く場合などは450万円まで借りられます。返済期間は15年以内が一般的で、在学中は利息のみの支払とすることも可能です。
まとめ
今回は、子育て費用についてみてきました。
まとめると、
・大学を卒業するまでには1000万円~2500万円程度必要
・子育て資金の貯め時は、出産時、幼児教育無償化の3歳以降や小学校の間
・2人目の年齢差について、
7歳違いのメリットは高校や大学のお金が掛かる時期が重ならないこと、デメリットは老後資金のための貯蓄期間が短くなること
3歳違いは入学や卒業、受験のタイミングが重なるため短期間の出費が増えることがデメリットにもなり、一遍に払い終えることもできるというメリットにもなる
・子育て資金は、貯めると増やすを上手く使い分けることが大事
・子育てにはさまざまな支援制度があるので上手に活用を
子育ては想定外のことも多くあります。特に進学については、子供自身も希望通りにならず進路変更を重ねていく場合もあります。多少の変化には耐えられるよう余裕をもって準備していきたいものです。もし家計でのやり繰りが難しい場合は、無理をし過ぎず奨学金や教育ローンも検討しましょう。
子育て費用についてのQ&A
Q:養育費と教育費の違いは何ですか?
A:養育費とは広義で子供が独立するまでにかかる生活費全般や教育費のことを言います。狭義では、教育費以外の生活費という意味で使われることもあります。
Q:両親が子供の教育費を贈与してくれると言っています。何か気を付けることはありますか?
A:暦年贈与の場合は、年間110万円以上の資金を受け取ったら贈与税の申告をする必要があります。しかし、祖父母は孫の扶養義務者でもあるため必要に応じて援助してあげる分は問題ないとされています。また、1500万円まで非課税で贈与できる教育資金の一括贈与という制度もあります。