勤務年数1年でも企業年金をもらえるかも!受け取り方や確認方法を解説
勤務先の企業からもらえる年金、企業年金。20~30代の若い世代の方は、企業年金という言葉を聞いたことはあっても、勤続年数が何年あればもらえるのか、支給額はいくらなのか、知らない人も多いのではないでしょうか。厚生年金制度のある会社に1カ月以上勤めた経験があれば企業年金をもらえる可能性があります。今回は、企業年金の基礎知識や受給に必要な勤続年数、受け取り方、支給の金額などについて解説します。
「確定給付年金」と「確定拠出年金」の2種類
日本の公的年金には、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)の2つがあります。その公的年金にプラスして、企業が社員に対し年金を支給する制度が企業年金です。主に確定給付年金と確定拠出年金の2つがあり、どちらか一方なのか、併用できるのかは企業によって異なります。
確定給付年金
確定給付年金は、企業が運用する利回りや年金額が確定された企業年金。事前に決められた支給期間・受給額は、支給期間中に亡くなっても、事前に決められた支給期間中であれば、決められた金額が支払われます。被雇用者にとってはありがたい年金といえるでしょう。
確定拠出年金
確定拠出年金は、企業が従業員の勤続年数や役職などに合わせて掛金を拠出し、従業員自ら運用する企業年金です。運用のリスクはありますが、自分の年金を増やせる、税制優遇などのメリットもあります。
100万人超がもらい損ね!?勤続年数1カ月以上なら要チェック
「自分は短期間しか働いていないから、企業年金はもらえない」。そう思っている人が多いのか、平成29年度末(2019年3月末)には125万人もの人が企業年金をもらい損ねているというデータがあります(未請求者(厚基・企年連)第20回実態調査集計)。しかし、厚生年金基金制度がある会社に1ヶ月以上勤務した経験があれば、企業年金を受け取れる可能性があるかもしれないのです。下記のチャートに沿って、チェックしてみましょう。
企業年金連合回の年金が受け取れる可能性があった場合、企業年金コールセンターに問い合わせください。HPはこちら
受け取れる企業年金、支給額目安・平均はいくら?
「平成30年就労条件総合調査」では、2018年の退職金一時金・企業年金の平均額が公表されています。自分の勤続年数や役職などを加味して考えると、いくら受け取れるのかの目安となります。興味のある人は、「平成30年就労条件総合調査」に自分を当てはめてみてください。以下はその一例です。
●勤続20年以上、45歳以上の定年退職者(大学・大学院卒/管理・事務・技術職)の場合
退職一時金制度のみ:1678万円
退職年金制度のみ:1828万円
両制度併用:2357万円
参照:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」
さらに自分の正確な金額を知りたい場合は、勤務先の会社に確認を。中途退職をしたことがある人は、確定給付年金なら受託機関や企業年金連合会へ、確定拠出年金なら退職時の会社もしくは運営管理機関に問い合わせるとよいでしょう。
企業年金の受け取り方、支給年齢
企業年金の受け取り方は、全部で3パターン。退職一時金として全額受け取る方法、年金として分割して受け取る方法、その併用の3つです。定年退職した場合、企業年金は次のような受け取り開始時期、受け取り方法になります。
●確定給付年金:60~65歳。退職一時金か年金として受け取る
●確定拠出年金:60~70歳未満の希望する時期。退職一時金・年金・併用のいずれか
受け取りの手続きに関しては、確定給付年金の場合は各企業年金基金か受託機関、確定拠出年金の場合は運営管理機関にて行います。
企業年金は、公的年金にプラスして老後を保障してくれる大切なもの。早いうちに自分の勤務先、もしくは過去に勤めていた会社が企業年金を実施しているか、どんな企業年金の制度があるのか確認してみることをおすすめします。20~30代のうちから自分が将来いくら受け取れるのかわかっていると、老後の計画も立てやすくなりますよ。