パートの雇用保険、加入条件満たしてるけど…入らないとデメリットある?
条件を満たしていればパート勤務者も入れる雇用保険。加入していると、どんなメリットがあるのでしょうか?そして入らなかったらどんなデメリットがあるのでしょうか?加入のメリット・デメリットや、加入の対象となる条件を確認し、雇用保険がどんな場合に役立つのか探っていきましょう。
雇用保険の加入条件とは?パートの場合の対象は?
雇用保険は、「労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進」を目的とした社会制度です。よく耳にする「失業保険」もこの一つであり、以下のように様々な給付があります。
介護休暇や育児休暇なども、雇用保険の一つなのです。この雇用保険、以下の3つの条件を満たせば、自分(労働者)や会社の意思に関係なく強制的に加入する仕組みです。
・契約上の労働時間が週20時間以上
・31日以上継続して雇用される見込みがある
・学生ではないこと
つまり、主婦(夫)が1カ月以上に渡り、週20時間以上パートで働いていれば、雇用保険加入対象となります。
雇用保険料は事業主と労働者が折半
雇用保険料は、「給与額または賞与額 × 雇用保険料率」という計算式で計算します。雇用保険料率は変動しますが、一般事業所については令和5年4月以降は1.55%。例えば、パート代の総額が5万円だった場合、次のような計算になります。
5万円×1.55%=775円
この775円を事業主と従業員で折半します。それぞれいくらになるのか、見ていきましょう。
従業員の雇用保険料はいくら?
雇用保険料は、給与額または賞与額から労働者が0.6%を負担します。
5万円×0.6%=300円
つまり、従業員が払う雇用保険料は、775円のうち300円です。
会社の雇用保険料はいくら?
会社側は、労働者の給与額または賞与額の0.95%を負担します。
5万円×0.95%=475円
つまり、会社が負担する雇用保険料は、775円のうち475円です。
パートの雇用保険加入、メリット・デメリットは?
それでは、パートで勤務している労働者が雇用保険に加入した場合のメリット・デメリットを確認してみましょう。
雇用保険加入のメリットとは?
決められた条件を満たしていれば、次のような手当・給付金等を受け取ることができます。
・失業等給付金 (失業手当) :退職時の理由によって、90~330日間失業手当(月収の45~80%)が支給される
・就職促進給付:失業保険を受けている人が再就職をした時に支給される
・教育訓練給付金 :厚生労働大臣が指定した教育訓練の受講で教育訓練給付金が支給される
・雇用継続給付:育児休業や介護休業で仕事を休んだ際に支給される
雇用保険加入のデメリットとは?
わずか月々数百円を支払うことで、上記のようなさまざまな給付があるため、雇用保険に加入することに、大きなデメリットはなさそうです。しかし、もし数百円でも負担に感じる場合は、労働時間を週20時間未満に抑えるようにしましょう。
結論:パートでも雇用保険に加入しよう
子どもが小さい家庭など、週20時間未満のほうがいいとの考えから、短いパート時間で働くことを選ぶ家庭もあるでしょう。ですが、ここまで見てきた通り、雇用保険加入のメリットは大きいものです。家庭の方針や時給の関係もあるかと思いますが、週20時間以上働いて雇用保険に加入することを考えてもよさそうです。
加入手続きは会社が行ってくれるため、労働者側の手続きは必要ありません。もし、加入条件を満たしているのに加入できていない場合は、まずは会社の人事や経理に確認してみてください。もし手続きがなされない場合は、ハローワークに相談しましょう。
これからパートを探す方は、週20時間以上働ける職場を考えてみてはいかがでしょうか?また現在、週20時間未満で働いている方は、少し働く時間を増やしてみることも検討してみましょう。