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マイカーローン、種類が多くて選べない!結局どれがお得なの?

FPにききたいお金のこと 中村 賢司

マイカーローン、種類が多くて選べない!結局どれがお得なの?

【画像出典元】「Tina Ji/Shutterstock.com」

マイカーは、まとまったお金がなくてもローンを組めば購入することができます。特に貯金が少ない20代ではマイカーローンを利用するという方も多いでしょう。今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、20代の男性から寄せられたマイカーローンの選び方に関する相談です。

20代男性の相談内容

20代、社会人4年目です。車の購入を検討しています。頭金は社会人になった時からマイカー用に貯めていたお金から出すつもりです。残りはカーローンを組んで購入しようと思っています。一定期間乗ったら売却する前提で新車を購入しようと思っていますが、ローンの種類がいろいろあって選べません。銀行ローン、ディーラーローン、残価設定ローン、自社ローン、それぞれどのようなメリットデメリットがあるのでしょうか?ローンを組む際の注意点や、金利以外のローンの選び方(判断ポイント)があれば教えて欲しいです。

カーローンの種類とそれぞれの特徴

自動車保険に署名
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カーローンは住宅ローンと比べると借入額は数十万円から数百万円と少なく、また借入期間も5年から最長でも10年と短いのが特徴です。車両本体価格の2~3割を頭金として、残額を借りるのが一般的です。

このカーローンには、銀行ローン、ディーラーローン、自社ローン、さらには残価設定ローンなどいろいろな種類のローンがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

銀行ローン

銀行ローンは他のローンと比べると金利が低いのが特徴で、2023年11月現在は、年利1%台後半~4%程度です。銀行によっては、「給与振込口座に指定している」「住宅ローンを利用している」「NISAなど証券口座を開設している」などの条件をクリアすると、金利が優遇されることもあります。

また、車の所有権は購入者であり、完済後に所有権を移転する手間や費用もかかりません。

しかし銀行ローンは他のローンに比べると審査が厳しく、審査結果が分かるまでに時間がかかることがあります。

ディーラーローン

ディーラーローンは、新車を販売しているカーディーラーが信託会社やクレジットカード会社などと提携して提供しているローンです。基本的には新車が対象となります。

銀行ローンに比べると金利は高めですが、フルローンを組むこともでき、審査も通りやすいのが特徴です。審査期間も短く、最短で即日審査が完了するケースもあります。また、手続きも車の購入と併せてできるので手間もかかりません。

一般的には購入する車が担保となり、所有権はディーラーとなります。完済するまで車の名義はディーラーになっているので完済後は所有権を移転させる手続きが必要です。

自社ローン

自社ローンは中古車販売店などが主に取り扱うローンで、販売店が購入代金を立て替えてくれる仕組みです。よって返済相手は販売店になります。

販売店独自のローンのため、手数料や保証料が割高なところもある一方で、稀に金利・手数料無料と謳っている販売店もあります。銀行ローンやディーラーローンとは異なる審査となるので審査が通りやすいのも特徴です。

また、返済期間は2~3年と短く設定されていることが多く、毎月の返済額が割高になる傾向があります。

残価設定ローン

残価設定ローンとは、将来の下取り価格(残存価格)をあらかじめ設定し、その価格を車両本体価格から差し引き、残りの金額に対してローンを組むという方法です。

銀行ローンに比べると金利は高めですが、将来の下取り価格を差し引いた残額だけを借り入れるのでフルローンと比べると月々の返済額を抑えることができます。

ローン期間は3~5年が一般的で、新車購入後1回目の車検か2回目の車検で乗り換えることが前提となります。ローン期間終了後は、「車を乗り換える」「車を返却する」「残額を支払い買い取る」のいずれかを選択することになります。

車を返却する場合、事故などの修理歴があると下取り価格を下げられ追加費用が発生することもあるので、注意が必要です。

カーローンを比較するポイント

自動車の模型に虫眼鏡を向ける男性
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カーローンを比較する際、金利を気にする方も多いのですが、カーローンは住宅ローンと比べると借入額は少なく返済期間も短いので、支払利息に大差はありません。

例えば300万円のカーローンを5年返済で借りた場合、金利2%と3%では月々の返済額は1400円程度しか変わらず、総返済額の差も8万円程度です。

相談者のように、一定期間乗ったら売却することを前提で新車を購入しようとする場合は、残価設定ローンがおすすめです。銀行ローンと比べると金利は高くなりますが、車両価格全額のローンを組む必要はなく月々の返済額も抑えられるので他のローンと比べると割安で新車に乗ることができます。

「購入した車を大切に乗り10年以上は所有する」という人には銀行ローン、「新車を短い間隔で乗り換えたい」という人には残価設定ローンが向いています。