結婚・出産・持ち家で変わる!30代女性の保険見直しポイントは?
30代は人生の大きな転機を迎えることが多い時期です。結婚、出産、そして住宅購入などライフスタイルが大きく変わる中で、保険の見直しは重要な課題となります。独身者や既婚者、さらに既婚で子供がいるかいないかなど、属性ごとに保険の見直しポイントや選択肢が異なります。この記事では、30代女性のライフステージに応じた保険の見直し方法を詳しく紹介していきます。
30代女性が保険を見直すタイミング
30代女性のライフスタイルは、結婚や出産、住宅購入、結婚後や出産後の働き方など様々な要因によって変化していきます。それぞれのライフステージに合わせた保険の見直しを検討するタイミングは以下の通りです。
「結婚」
配偶者の収入状況や勤務先の福利厚生制度により、自分自身も保険を見直す絶好のタイミングです。加入している死亡保障や医療保障を確認し、見直しを検討しましょう。配偶者の勤務先の福利厚生制度が充実していれば、ご自身の加入している保険を減額できるかもしれません。
「出産」
子供が生まれると養育費や教育資金など将来の経済的な負担が増えます。このタイミングで死亡保障や医療保障を見直す必要があるでしょう。また、教育資金を積み立てるための貯蓄型保険なども検討してみましょう。
「マイホーム取得」
住宅ローンを組む際、多くの人が団体信用生命保険(団信)に加入します。ご自身が主たる債務者でない場合も、配偶者の経済的負担を軽くするためにご自身の死亡保障を見直すタイミングとなります。
「転職・退職」
転職や退職に伴って勤務先の健康保険制度や福利厚生が変わることで、今まで加入していた保険の見直しが必要となるでしょう。正社員やパートなど働き方によって保険の見直し方は異なります。例えば、正社員は勤務先の福利厚生を活用しやすい一方、専業主婦は自分自身で保障を確保する必要があります。
30代女性が使い分けたい保険の選択肢
保険は大きく「掛け捨て型」と「貯蓄型」に分けられます。
「掛け捨て型」
保険期間中に保険金支払事由が発生した場合のみ保険金や給付金が支払われ、満期時や解約時には返戻金がありません。医療保険やがん保険、収入保障保険や就業不能保険などが代表的です。
「貯蓄型」
保険期間中に保険金支払事由が発生しなかった場合や満期時には、払い込んだ保険料の一部または全部が戻ってきます。子供の教育資金を貯める学資保険や、老後資金を準備するための個人年金保険などが該当します。また、終身保険は死亡保障を確保しながら将来解約すると解約返戻金があるので、貯蓄型に分類されます。
30代女性の場合、上記の掛け捨て型か貯蓄型を上手く使い分け、次の3つのリスクに対して備える保険を検討する必要があるでしょう。
・病気やケガによる入院・手術で貯金や収入が減るリスク
・自分が亡くなった時、配偶者など遺族の生活費が減るリスク
・老後資金が公的年金だけでは不足するリスク
病気やケガによる入院リスクには、医療保険やがん保険で備えましょう。これらは保障内容を重視し、比較的安価な掛け捨て型を選ぶのが一般的です。
死亡保障については、世帯主か否かで必要な保障額が変わります。ご自身が世帯主でない場合は、高額な死亡保障は必要なく葬儀費用程度を目安にすると良いでしょう。少額の保障を準備するのであれば貯蓄型の終身保険を選択すれば将来への備えにもなるので、教育資金や老後資金準備にも役立ちます。逆に高額な保障を準備するのであれば、掛け捨て型の収入保障保険や定期保険を検討してみてください。
また教育資金や老後資金の準備としては、迷わず貯蓄型の保険を検討すると良いでしょう。学資保険や終身保険、個人年金保険が代表的な商品となります。
属性別に保険を見直すポイント
30代女性の保険ニーズは、独身、既婚、子供がいるかいないか、賃貸住まいなのか持ち家(住宅ローンあり)なのかなどの属性によって大きく異なります。それぞれの属性別に保険の見直しポイントを紹介します。
【独身】
独身時代は、自分自身の医療費をカバーする医療保険やがん保険などを中心に考えると良いでしょう。余裕があれば貯蓄型の保険も検討してみましょう。
【既婚(子供なし)】
結婚しても子供がいない場合は、大きな保障は必要ありません。独身時代に続き医療保険やがん保険をメインに考えてください。ただし、配偶者を守るために最低限の保障を準備するのも良いでしょう。
【既婚(子供あり)】
子供が生まれた場合、死亡保障を追加で検討することが重要です。もちろん医療保険やがん保険も引き続き必要となります。併せて教育資金の積み立てを始めることもおすすめします。学資保険や終身保険を活用してみてください。
【賃貸の場合】
賃貸住まいの場合、特に世帯主に万一のことがあった時には生活費だけでなく住居費を確保することが難しくなります。遺族年金などを考慮し、遺族保障として大きめの死亡保険に加入することを検討しましょう。
【持ち家(住宅ローンあり)の場合】
持ち家の場合、住宅ローンに団信(団体信用生命保険)が付いているケースが多いでしょう。団信により、死亡保障を一部減額することが可能となります。
ご参考まで賃貸の場合と持ち家の場合の死亡保障額の目安を以下の表にまとめました。
上表の金額はあくまでも目安の保障額です。収入や職場の福利厚生制度により保障額は変わりますので、詳しくはお近くのファイナンシャルプランナーまでご相談ください。
公的保険がカバーしてくれる範囲
保険を見直す際には、公的保険でカバーされる範囲を把握することがとても重要です。公的保険でカバーされる部分と不足する部分を理解して、公的保険で補えない部分を民間保険で補うという考え方で保険を見直していくと良いでしょう。
「遺族年金」
遺族年金は、配偶者や子供が一定の条件を満たした場合に、遺族の生活を保障してくれる制度です。死亡保険を見直す際は、遺族年金をきちんと把握しておきましょう。例えば報酬月額30万円、配偶者と子供が2人いる場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせて月額約14万円の遺族年金が支給されます。公的保険である程度の保障があることで、無駄な支出を抑えられます。
「高額療養費制度」
健康保険制度には、高額療養費制度という制度があります。高額療養費制度は、1カ月にかかる医療費が一定金額を超えた場合、自己負担額を軽減する制度です。医療保険を見直す際には、勤務先の健康保険における高額療養費制度の範囲を確認しましょう。その上で、不足する部分を民間保険で補うことがおすすめです。
まとめ
今回は、30代女性が保険を見直す際に考慮するタイミングやポイントについて解説しました。特に以下の3点を抑えておいてください。
・ライフイベント(結婚、出産、住宅取得など)に合わせた保険の見直しが大切です。
・雇用形態や家族構成に応じて、必要な保障額と保険種類を選択しましょう。
・公的保険を正しく理解して、最低限必要な保障を民間保険で補いましょう。
30代は、結婚や出産、住宅購入などライフスタイルが大きく変化する時期です。ご自身のライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、賢く保険を見直していきましょう。迷った時はいつでもファイナンシャルプランナーにご相談ください。