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【2025年最新】初心者必見!副業している人の確定申告ガイド

そなえる 白浜 仁子

【2025年最新】初心者必見!副業している人の確定申告ガイド

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毎年2月から3月は確定申告のシーズンです。会社員の場合、年末調整があるため確定申告は不要な方が多いですが、最近は副業をする人も増えています。副業で一定の収入を得るようになると確定申告が必要になります。今回は副業に関する確定申告のポイントを解説します。

確定申告が必要な理由

私たちが1年間で稼いだ所得に対して納めるのが所得税です。所得税の「所得」を簡単にいうと「儲け」のこと。「1年間で稼いだ儲けを計算して申告や納税をしてください」というのが本来の納税方法で、申告納税方式といいます。

ただし会社員には毎月の給与から所得税を天引きする「源泉徴収」という仕組みがあるため、原則として確定申告は不要です。源泉徴収は「税金の前払い」のようなものですが、年末に正しい税額をもう一度計算して、引かれすぎている場合は還付されます。

とはいえ、会社が年末調整によって手続きできない他の所得や所得控除があるケースも。その場合は、最終的に正しい納税額を確定するために確定申告をすることになります。今回のテーマである副業も会社が管理把握できない所得となるため、年末調整で対応することができません。副業である程度の儲けがある時は、確定申告が必要になるのです。

確定申告が必要な収入の種類 

本業と副業
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会社員で給与以外に所得がない場合は、基本的に確定申告をする必要はありません。医療費控除など年末調整で対応してもらえない控除を適用したい場合などは確定申告をした方が良い場合もあります。ですが、必ず確定申告をしなければならないわけではないのです。

一方、会社員でも給与以外の所得がある場合は確定申告が必要です。例えばアパートや駐車場などを賃貸し家賃収入がある場合、保険の解約金がある場合などは確定申告が必要となります。副業もその1つで、通常は雑所得の扱いです。確定申告が必要となる主なケースを以下にまとめます。 

副業2つのパターン

副業は大きく分けると2つのパターンが考えられます。1つは、他の会社に勤務する場合、もう1つは個人で仕事を行う場合です。

他の会社で働く場合

主とする勤務先があり、週末や空いた時間に別の会社で働くようなケースです。副業先での雇用契約次第ですが、一般的に副業先から支給される報酬も給与という位置づけとなり、副業先からも主たる勤務先と同じように源泉徴収されます。ただし副業先では年末調整を行いません。そのため2カ所以上で勤務している場合は、確定申告を行うことで正しい税額を計算し納税することになります。

個人で仕事する場合

もう1つは、個人で仕事をする場合です。例えば会社の業務時間外にSNSなどを活用し商品の販売を行う、資格やスキルを活かしレッスンや教室を開く、YouTubeやブログで広告収入を得るなどが挙げられます。この場合は通常「雑所得」という位置づけとなり、自身で収入や必要経費について確定申告で手続きをするのです。

経費で賢く節税!控除対象になる経費は? 

経理
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副業として個人で仕事をする場合、収入から必要経費を差し引いたものが「所得」となるため、経費の管理が重要です。会社員の給与所得は、実際にかかった経費を差し引くことはできませんが、その代わりに「給与所得控除」という一定額の控除が定められています。

副業で経費に該当しそうな場合は、領収書やレシートをもらっておくことを意識しましょう。物販を行う場合は当然、商品の仕入れが必要です。例えば動画配信をする場合だと、インターネットの月額通信費、撮影のために外出する場合は交通費なども経費となります。

難しいのはプライベートとの線引きです。例えば移動にマイカーを使った場合、ガソリン代の全額を経費にすることはできません。利用頻度を基に「ガソリン代のうち3割は必要経費」というように合理性のある範囲内なら必要経費にできそうです。

また、経費だと思っていたものが税務署に否認されたり、反対に経費に該当するのに見落としていたりということも十分考えられます。迷った場合は念のため領収書やレシートを保管し、確定申告の際に税務署や専門家に相談しましょう。

確定申告に必要な書類の準備

2カ所以上勤務しているという場合、それぞれの源泉徴収票があれば確定申告は可能です。副業先の会社では年末調整が行われないことは前述の通りですが、副業先かどうかは、源泉徴収票の「乙蘭」に〇が付いていることで確認できます。

一方、個人で副業を行っている場合は以下を準備します。

<本業に関する書類>
・勤務先の源泉徴収票

<副業に関する書類>
・帳簿(売上や経費が分かるもの)
・通帳(取引先との振り込みがある場合)
・各種領収書やレシート(経費の証明)
・車やパソコンなど減価償却対象の資産の取得価額や取得日が分かる明細
・マイナンバーカード

確定申告の手続きの流れ

会社員が副業で得た所得が20万円以下であれば、基本的に所得税の確定申告は不要です。しかし医療費控除など他の理由で確定申告を行うという場合は20万円未満の副業による所得も申告する必要があります。

確定申告は、スマホで行うのが簡単なのでお勧めです。国税庁も分かりやすく案内しています。

参考:国税庁「スマホで確定申告

QRコードを読み取り、一通り必要な情報について帳簿などを見ながら入力し、納付はコンビニなどで行います。

まとめ

慣れない税金の手続きは煩わしく感じて後回しにしたくなりますが、今は非常に手続きがしやすくなっています。また確定申告を行うと、1年を振り返ることにもなります。副業の収入と経費を整理しながら課題や新たなチャンスに気付くこともあるでしょう。