NISA初心者のZ世代必見。相場が急変動している時の「続け方」とは

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これぞトランプ相場?米国株価を中心に急落したり急上昇したり
このコラムが掲載されるタイミングがどうなっているかは予測不能であるほど株式市場は激しく動いています。3月から4月にかけて「トランブ相場」というべき株式市場の急変動があり、その余波はいつ治まるか分からない状態です。
アメリカの大統領が関税の大幅引き上げをぶち上げては、交渉を求めたり実施延期をちらつかせたりと、政治的な思惑が経済の見通しを不安定な状況にしました。これに株式市場は敏感に反応、不安増大で大幅下落があったり、安心感が増して大幅上昇になったりと、通常ならあり得ないアップダウンを繰り返しました。
例えば4月7日の日経平均株価は1日で7.8%も値下がりしました。かと思えば、4月10日は1日で9.13%も値上がりしたと記録されています。
こういう時期、若い世代の人達がどう投資するかは悩ましい問題です。
「大きく下げる前に売らなくちゃいけないの?」
「大きく下がったところで買えば大儲けできるんじゃないの?」
「売買タイミングを教えてくれるいい情報、ネットにないかな?」
のように、あたふたしてしまった人も少なくないのではないでしょうか。
あなたがもし、この時期が落ち着かない日々であった(あるいは怖くて売ってしまった)のであれば、今回の記事を読んでみてください。
パニックになりそうな時期ですが、実はほとんどの個人は落ち着いて対応している
まず、意識するべきは、マスコミは「史上○番目の下げ幅」「○円の上昇」のように連日大きな見出しを載せましたが、金額と割合はまた異なるということです。例えば日経平均株価が10000円の時代に1000円下がることは10%ダウンですが、35000円の水準にあった場合、3500円の値下がりで10%ダウンです。金額の数字で示すことで記事のインパクトを大きくしているわけです。
インパクトのある見出しをみて、投資初心者ほどパニックになりがちですが、実は、NISA等で運用をする個人投資家の多くは、落ち着いてこれに対応していたようです。
昨年の8月に相場が急落した時も、NISA口座からの極端な解約・出金はありませんでした。今年のトランプ相場でも同様です。
NISAのつみたて投資枠、iDeCoのような、毎月コツコツと積立購入をするような個人のほとんどは「しばらく待てば株価水準は戻るでしょう」「むしろここで新規購入できれば割安で購入できるチャンスでしょう」と余裕を持っていたのです。
モーニングスターのレポートなどでは、つみたて投資枠での定期積立購入をストップした人の割合は限定的であったとみられています。
パニックになった人はその理由を自問自答してみよう
もし、大きな下落時に焦ったとしたら、それは投資に臨むスタンスに何か問題があったのかもしれません。例えば、
1.投資経験が浅くて大きな値下がりが初体験だった
2.値下がりに動揺するほど高額の入金をして投資していた
3.短期的に大きな値上がりを期待しすぎていた
のようなケースは、下落時にどうしても焦ってしまいます。それぞれ簡単に説明しますと
1.初心者が投資経験が浅いことは仕方がありません。こうした上げ下げに慣れていく第一歩だと考えてみましょう。
2.経験が浅い、あるいは投資の値下がりリスクに耐えられない場合は、値下がりの可能性を踏まえて投資金額を低く抑えることが有効です。
3.短期的な大幅上昇を期待すると、無理に高いリスクを取ることがあり、さらに下落可能性を高めることがあります。
もし値下がりに焦った理由が分かれば、投資の怖さも少し小さくなっていくはずです。
下がったり上がったりを繰り返しつつ、経済は基本的に上昇に転じていく
2024年1月に新NISAがスタートしてから、そろそろ1年半になります。それ以前からNISAをやっていたという人もアベノミクス以降の上昇相場が続いてきたこともあって、大きな下げを経験していない人が多いと思います。
株式市場は私たちがイメージしているよりも大きく上がったり下がったりを繰り返しています。また回復に時間がかかることもあります。数日から数カ月かけて大きく下がった株価水準が戻ることに何年もかかることもしばしばあります。
しかし、長い目でみれば株価は回復し、その後さらに上昇をしていきます。
日本の日経平均株価は10000円を大きく割るところまで下がりましたが、4万円を何度か伺うところまで大きく上昇しました。アメリカのS&P500総合指数は、リーマンショックの頃、半分以上下がったと言われていますが、トランプ相場前の水準はその9倍まで上がっていました。
これだけ大きな上昇があるのは、長い目で見れば、短期的な下落を経済の発展や成長が上回るからです。そう考えることができれば、下落に焦らなくても済むようになるでしょう。
個人の積立投資、守りたい2つのルール
一定額を毎月ちょっとずつ積み立てるような長期投資家の場合、こうした短期的な変動相場は気にしないことが第一です。そして2つのルールを徹底することをおすすめします。つまり、
1.積立は止めないこと(といっても何もしなければ積立は続く)
2.短期的に焦って売らないこと(といっても何もしないだけでいい)
です。どちらも「今すぐ行動してください」ではなく、「無理に行動しなければいい」だけなのがポイントです。
経済がいつかは落ち着き、回復すると考えられるならば、焦らずにただ一定額の積立投資を続けていくことが、長い目で見れば資産形成を上手に成功させるテクニックとなるのです。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。