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もう戻れない!便利すぎる「ファミマ服」が130億円売れる理由とは?

経済とお金のはなし 織瀬 ゆり

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「コンビニで服を買う」なんて、つい数年前まで考えられなかった光景ですが、今では日常になりつつあります。特にファミリーマートの「コンビニエンスウェア」は2024年3月~7月の期間で前年同期比160%超、2024年度の年間売上は130億円を突破するなど急成長を見せ、家族ぐるみで愛用している人も多くいます。

私自身もスウェットトレーナーやファミマラインソックス、子ども用靴下を日常的に使っており、その「利便性」と「品質」の両立に驚かされています。今回の記事では、なぜこれほど多くの人に支持されているのか、その理由について探ります。

コンビニエンスウェアとは? 

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コンビニで本格的な衣料品が買える時代が到来しています。その先駆けとなったのが、ファミリーマートが2021年3月にスタートした「コンビニエンスウェア」です。世界的デザイナーの落合宏理氏(FACETASM)が監修し、「いい素材、いい技術、いいデザイン」をコンセプトに展開されています。

従来のコンビニ衣料品とは一線を画し、本格的なアパレルブランドとして設計されているのが特徴です。全国1万6300店舗で展開し、多くの店舗で24時間購入できるという圧倒的な利便性と、驚くほど手頃な価格設定で話題を集めています。

品質の高さとコンビニならではの利便性という魅力

私が最初に購入したのは、スウェットトレーナーでした。価格は2990円(税込)とファストファッション並みでしたが、実際に着用するとその品質の高さに驚きました。USAコットン素材を使用したヘビーウェイトの生地は、有名ブランドと遜色ない仕上がり。何度洗濯してもヨレることなく着続けられています。

また、子ども用ソックスは子どもの激しい遊びにも耐える丈夫さがあり、すぐに穴が空く心配がありません。しかも価格は400円台という家計にやさしい設定です。「保育園用の予備として常に買い置きしておく」「洗濯が間に合わない時の緊急調達」など、子育て家庭にとって頼もしい存在になっています。

さらに、24時間いつでも購入できる利便性も大きな魅力。私自身も何度か助けられたことがあります。急きょ出先で着替えが足りなくなった時、旅行先で子どもが服を汚してしまった時など、コンビニがあるだけで安心感が違います。専門店への移動時間、駐車場代、そして何より「買い物に行く」という心理的ハードルが大幅に下がるのです。

コンビニアパレル市場でのファミリーマートの優位性

ファミリーマートの成功を受けて、他のコンビニチェーンも参入していますが、そのアプローチにはそれぞれ違いがあります。

セブンイレブンは宝島社との提携により期間限定でコラボアパレルを展開しており、シリーズ累計40万着を突破する成果を上げています。ローソンはFREAK'S STOREとの協業で「ローソンフリーク」を約2000店舗で展開していますが、こちらも期間限定の商品展開が中心です。

一方、ファミリーマートは年間130億円の売上規模で継続的な本格ブランドとして展開しています。他社が期間限定やコラボ商品として展開している一方で、ファミリーマートは通年商品として定番化し、デザイン、品質、価格のすべてで妥協しない戦略を取っているのが大きな違いです。この継続的なブランド戦略が、リピーターの獲得と市場での優位性確立に繋がっています。

家計への影響と新しい買い物スタイル

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コンビニエンスウェアの普及は、家計管理の考え方も変えつつあります。従来の「まとめ買い」から、「必要な時に必要な分だけ買う」スタイルへ移行することで、タンス在庫の無駄や使わない洋服への支出を抑えられます。

特にソックスや下着類などの消耗品は、定期的な補充購入により計画的な家計管理が可能になります。季節商品も気候の変化に合わせてタイムリーに購入できるため、「去年買っておいた厚手の服のサイズが合わない」「流行が変わって結局着なかった」といった無駄を減らすことができます。

実際にファミリーマートのコンビニエンスウェアは2020年の立ち上げ以来、数年間で年間130億円の売上成長、前年同期比160%増という伸びを見せており、単なる一過性の流行ではなく定着しつつあることがうかがえます。

一方で、商品の回転率が高いため、お気に入りのアイテムが突然店頭から消える可能性があることや、サイズ展開が限られている点は課題です。それでも、これらを上回る利便性とコストパフォーマンスの良さが、多くの消費者に支持され続けている理由ではないでしょうか。

まとめ

コンビニエンスウェアは「手軽に買えて家計にやさしい」新しい消費スタイルを生み出しました。家計にやさしく、品質も満足でき、いつでもどこでも買える利便性。この三拍子そろった商品群は、まさに現代の節約術の新常識と言えるでしょう。

私自身の経験から言えることは、一度この便利さを体験すると、もう元には戻れないということです。忙しい毎日の中で、効率的かつ経済的にアパレル需要を満たすコンビニエンスウェア。まだ試したことがない方は、ぜひ一度手に取ってみることをおすすめします。きっとその品質と利便性に驚くはずです。