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共働き世帯は約7割!子育てと仕事の両立に「外注」の活用も

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共働き世帯は約7割!子育てと仕事の両立に「外注」の活用も

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物価高や教育費の増加などもあり、共働き世帯が増えています。そんな状況でも、女性の家事育児の負担は男性より多いというのが実情。仕事と子育ての両立に悩んで退職を選ぶ人も少なくありません。厚生労働省の「令和5年度雇用動向調査」によると、出産・育児を理由に退職した女性の割合は、25-29歳で3.4%、30-34歳で4.8%、35-39歳で4.6%に上ります。

そんな中、注目されているのが育児と家事を「外注」する方法です。今回は、支援サービスの内容や費用相場、企業などからの支援についてご紹介します。

日本の夫婦で共働き世帯は約7割

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家族の在り方が多様化してきたのはバブル崩壊以降。世帯の平均年収の減少や女性の社会進出などで共働き家庭が増加してきました。総務省統計局「労働力調査」によると2023年の共働き世帯は1278万世帯で、専業主婦世帯の517万世帯を大きく上回りました。

共働き世帯比率(共働き世帯数÷共働き世帯と専業主婦世帯の合計数)は7割を超え、今や共働き世帯が「普通」の状況にあると言えます。

共働き世帯は家事や子育ての負担が大きい

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共働き世帯の増加を後押しするために、女性の社会進出を支援する企業も増えていますが、それでも家事や子育ての負担は大きな問題の1つです。特に女性の負担が大きくなる傾向があり、家事の分担だけでなく子どもが病気になった時にどうするかなど、あらかじめ夫婦で検討しておくことが重要です。

その際の選択肢の1つとして考えたいのが家事や育児のアウトソーシング(外注)です。さまざまな支援サービスが充実してきており、必要な時に必要な部分だけ依頼することができます。依頼する内容をしっかり検討しておけば、費用を抑えながらも負担を軽減することが可能なのです。

家事・育児を外注してみよう

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家事の外注(アウトソーシング)には、掃除や洗濯、料理など日常的な家事を依頼する「家事代行サービス」と、子どもの世話を依頼する「ベビーシッターサービス」などがあります。

家事代行サービス

テレビ番組で「家政婦のプロ」が登場することも増え、家事代行サービスを利用することも当たり前になってきました。料理だけ、掃除だけなど依頼する内容を細かく指定したり、時間で依頼したりすることも可能なので、予算や要望に応じてサービスを利用できます。

初回お試しプランなど、初めにサービス品質を確認できるプランがあるところもあり、安心して依頼できます。定期的に依頼したければ定期契約すればさらに費用を抑えられることも。各社のホームページには代表的な利用料金も明示されているので、いくつか比較して利用できます。

家事代行サービスの利用率は「中小企業基盤整備機構」による2022年の調査ではわずか5%ほどですが、20~30代女性の利用意向は高くなっています。

ベビーシッターサービス

出張や残業などの際にお世話を依頼できるだけでなく、学校から習い事への送迎や病気の際の病児保育など、さまざまなサービスがあります。子どもとの相性などもあるので、しっかりお試しして利用するのがおすすめです。「B-search」による2022年の調査では利用率は2.4%。近年は需要も高まっており、利用する人の割合は増加していくと考えられます。

また、病児保育は自治体でサービスを行っているところもありますが、事前登録などが必要な場合もあります。事前に確認していつでも利用できるよう準備しておきましょう。

家事・育児のアウトソーシング、費用相場は?

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「家事代行サービスを利用してみたいけれど、費用が心配」と利用に踏み切れない人も少なくないでしょう。

家事代行サービスの料金相場は、時間あたり3000~5000円程度が一般的です(交通費、食材費を除く)。多くの利用者は1回2~3時間で依頼しているというデータもあり、6000~1万5000円程度が相場と言えそうです。

例えば、大手家事代行サービス会社の「ベアーズ」は、1回ごとに依頼するスポットプラン(3時間~)の場合、交通費込で1万6170円(税込)。時間内であれば掃除機かけや料理など、時間内で希望のサービスを組み合わせて利用できます。

ベビーシッターサービスの料金相場は、子どもを1時間程度預けた時の利用料は1000~4000円程度です。1カ月あたり1万~2万円で利用している人が多いというデータもあります。ほかに利用登録料などが発生する場合もあります。深夜や早朝、兄弟がいる場合は別途費用がかかるので事前に詳細を確認してみましょう。

ベビーシッターサービス会社の「Kids Park」の場合、基本料金は依頼するシッターさんによって設定が異なります。例えば、1時間1400円のシッターさんに週に1日、保育園のお迎えから保護者が帰宅するまでの見守りを2時間依頼した場合、交通費、手数料を含み3470円(税込)です。

家事・育児のアウトソーシングを支援する企業もある

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便利な家事・育児の代行サービスですが、やはり費用負担が気になるところ。近年、そんな人を支援するために、自治体や企業で家事代行サービスやベビーシッターサービスの利用費用を補助する動きも出ています。

家事支援サービス企業と提携し、福利厚生として家事代行やベビーシッターを利用した際に使えるクーポンや費用補助をしている企業もあります。ソニーのグループ会社である「ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社」では、共働きの社員が仕事を理由にベビーシッターサービスを利用した際に申請をすると、1回あたり3000円を上限とした補助を受けられます。

また、こども家庭庁の「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」に申請している企業であれば、従業員は1日最大4400円のベビーシッターサービスの利用料割引券を利用できます。

2024年度には経済産業省が「家事支援サービス福利厚生導入実証事業」を実施。家事代行サービスの利用料補助を福利厚生として導入する中小企業への支援で、この動きは多くの企業に広まっていきそうです。

利用料の補助を行っている自治体もあります。東京都の一部の区では、一時保育が必要な場合のベビーシッター費用を補助したり、家事代行サービスの費用を援助したりする事業を行っています。子どもの年齢などで制限があるので、調べてみるとよいでしょう。

家事代行サービスやベビーシッターサービスは、共働き家庭の強い味方になってくれます。いつも利用するのは難しいかもしれませんが、いざという時や本当に困った時に利用できるよう、事前に情報収集して準備しておくとよいですね。