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隣の夫婦の生活費、覗いてみると貯まるか貯まらないかの差が明確に!

ふやす 権藤 知弘

隣の夫婦の生活費、覗いてみると貯まるか貯まらないかの差が明確に!

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 気になるけど聞けないお隣のご家庭のお財布事情。 今回は夫婦の生活費に関して考えてみましょう。結婚して夫婦二人の生活が始まったら、収入が増え家計は潤うはず。 しかし、実際に30代、40代のご夫婦に話を聞くと…驚きの実態が見えてきました。

20代、30代、40代の平均所得と生活費を含め、詳しく見ていきましょう。

(1)    20代、30代、40代夫婦二人の平均生活費

最初に夫婦二人でかかる生活費の平均額について。世代によって収入に差があるケースが多いので、年齢で区切り、所得と生活費についてみていきます。

      (所 得)  (生活費)
20代夫婦    28万円   24万円
30代夫婦    46万円   27万円
40代夫婦    55万円   31万円

※「平成28年国民生活基礎調査」厚生労働省
※「家計調査年報」総務省2015年調べ
※夫婦合算の総支給額を12か月で平均化、住居費は除く

年功賃金制度の企業は少なくなりつつあるといいますが、やはり基本的には世代が上がるにつれ収入は増える傾向にあり、同様に支出も増えています。

(2)家賃や光熱費、食費、娯楽など夫婦二人以上の生活費平均の内訳

夫婦の生活費は各ご家庭の事情、世代で大きく変わります。また家族構成やライフプランによって各項目のバランスも変わってきます。

夫婦の生活費グラフ
※「家計調査年報」総務省2015年調べをもとに筆者作成

年代別の生活費平均ですが、おおよそ消費支出の20%~24%ぐらいが食費という調査結果が出ています。家族の成長に合わせて食費も上昇し、20代夫婦では約5万円ですが50代夫婦では約8万円まで上昇。

また世代が上がるにつれ教育費の占める比率が上がり、40代~50代のご家庭では支出の10%程度を占めるようになります。どのご家庭でも、金額差はあるにせよ概ね同じ傾向です。また50代終盤になると教育費のピークも過ぎ、余暇への支出が増えていきます。

(3)30代ご夫婦、40代ご夫婦の生活費の内訳を実例で紹介

家計
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過去のご相談事例です。家族構成は異なりますが、二組のご夫婦のお金に関する考え方や使い方により、大きな違いが出ていることがお分かりいただけるのではないでしょうか? なお、お名前は仮名です。
 
例①     30代の武井さま夫妻
 夫 32歳  月収 38万円
 妻 30歳  月収 17万円
 長男 1歳の3人家族です。

お子さまが誕生して今後のライフプランを考えたいということが相談のきっかけです。家計を診断したところ、

住居費  6.5万円
食費   5.0万円
教育費  4.0万円
水光熱費 1.5万円
保険   0.4万円
その他  4.0万円
合計で毎月20万円程度でした。

生命保険は共済などを活用、保険料を抑えながらも必要保障額をきちんと確保されていました。

基本的には「夫の収入で生活し、妻の収入を将来へ向けての貯金と予備資金として積み立てる」というスタイルで家計を運営。その結果、毎年120万円程度の貯金ができていました。

このご家庭はお子さんがまだ小さいため、今後は生活費の上昇が見込まれますが、お子さんの教育資金準備やマイホーム購入など将来の夢の実現に向かってご夫婦で進んでいます。家計のバランス的にはまさに理想の生活費といえるのではないでしょうか?

例②     40代の永田さま夫妻
 夫 49歳 月収 56万円
 妻 41歳 月収  8万円

結婚後1年経過したところで貯金がどんどん減っていくという相談でした。家計を診断したところ

住居費    8.8万円
食費   12.0万円
教育費     なし
水光熱費  2.5万円
保険    3.5万円
その他   10.0万円
合計で36万円程度でした。

収入的には十分に貯金ができそうですが、家計簿はつけておらず、生命保険も独身時代の契約内容を継続、内容や保険料も結婚後の保障としてはあまり役立つようなものではありません。

何かと出費がかさみ使途不明金も多く、毎月のように貯金を取り崩し、やりくりが上手くいっていませんでした。

高収入・高支出家庭の典型的なパターンになっていました。こうなると抜本的な見直しが必要ですね。

(4)夫婦の生活費についてまとめ

夫婦で家計を確認
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夫婦の生活費は各ご家庭のご事情や価値観がありますので、「理想の生活費」として決めるのはなかなか難しいところですが、可能であれば手取りの10%~20%を貯蓄すると将来への準備もスムーズにいきそうです。

ファイナンシャルプランナーが考える理想の家計バランスは以下の通りです。

【理想の家計バランス】
 住居費     20~30%以内
 食費      15~20%程度
 教育費     10~25%程度
 水光熱費    10%
 保険        5%以内
 こづかい    10%
 日用品       5%
 レジャー費     5%
 貯蓄      10~20%以上

上記の配分はあくまでも目安ですが、固定費はなるべく少なめに抑えましょう。

住居費や保険料などの固定費を多めにとると毎月の生活費はどうしても嵩みますので、きちんと家族で必要な金額に調整しましょう。多すぎても少なすぎても無理が出ますので、ぜひバランスを気にしながらやりくりしましょう。


20代、30代、40代夫婦の生活費の平均、ご自身のご家庭と比べていかがでしたか?この記事を読み終えたら、生活費のこと、お金の使い方、貯め方についてご夫婦で話し合ってみてください。