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夏場のエアコン「つけっぱなし」が安くなるのは気温何度から?

そなえる

夏場のエアコン「つけっぱなし」が安くなるのは気温何度から?

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エアコンは「こまめに消す」よりも「つけっぱなし」のほうが電気代が安いと言われることがあります。しかし、夏場にエアコンをつけっぱなしにして本当に損はないのでしょうか。

今回はエアコンの特性を交えながらこの両者の差を解説していきますので、夏場の節電にご活用ください。

外気温36℃以上なら「つけっぱなし」がお得

エアコンのリモコンを操作する女性
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パナソニックの検証によると、“外気温36℃以上で1日に2回、30分以内の外出をする場合は「つけっぱなし」のほうが電気代が安い”という結果が出ています。

“外気温”がポイントとなり、36℃を超えるような猛暑日はつけっぱなしのほうが電気代が安くなりやすいのです。一方、35℃以下の日であれば、外出の度にこまめに消したほうが節電になりやすく、30℃以下の日ではこまめに消すことが節電になります。

なぜ猛暑日は「つけっぱなし」がお得?エアコンの仕組み

ソファーに寝ころびエアコンのスイッチを入れる女性
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猛暑日になると、なぜエアコンはつけっぱなしにしたほうが電気代を抑えられるのでしょうか。ここではエアコンの仕組みも交えながらその理由を解説します。

エアコンの仕組み「起動後に最も電力を使う」

エアコンの消費電力は一定ではありません。ゼロから起動し設定温度に到達するまでに最も多くの電力を使います。そして設定温度到達後は、惰性的に稼働しますので消費電力は減ります。そのため、こまめに消すよりもつけっぱなしにしてゼロからの起動を減らしたほうが節電に繋がりやすいのです。

いわば「自転車」のようなイメージであり、自転車はこぎ始めに体力を使いますが、一度走り出せばあまり力を入れなくても進んでいきます。エアコンも同じなのです。

猛暑日は設定温度に到達するまでに時間がかかる

エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど多くの電力を使います。たとえば外気温30℃の日よりも38℃の日のほうが、設定温度(28℃前後が目安)に到達するまでに時間がかかり、その分余計に電力を使うことになるのです。

そのため外気温の高い猛暑日ほど、つけっぱなしにして部屋を冷やしたままにしておいたほうが節電に繋がりやすいのです。

具体的な消費電力の見方

パナソニックのスタンダードエアコン「CS-225DJR(6畳用)」の冷房時の消費電力は135~720Wです。設定温度に到達するまでは最大消費電力となる720W近くで稼働することになり、設定温度到達後は消費電力が落ち最小で135Wになるという見方をします。

「こまめに消す」のがお得なケースとは?

室温28℃を示す温度計
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エアコンは状況によっては「こまめに消す」ほうがお得になるケースもあります。ここでは代表的な3つのケースを紹介しますので覚えておきましょう。

外気温がそれほど高くない日

外気温がそれほど高くない日であれば、こまめに消したほうが節電に繋がりやすいでしょう。前述したパナソニックの検証でも、外気温が30℃以下の日であればこまめに消したほうが圧倒的にお得であるという結果が出ています。

たとえば初夏や秋口など、それほど暑くない時期であれば、こまめに消しながらエアコンを使うのがおすすめです。

夜間

夜間は気温が下がりやすいため、こまめに消したほうが節電になりやすいです。ダイキンの検証によれば、日中(9:00~18:00)はつけっぱなしのほうがお得、夜(18:00~23:00)はこまめに消したほうがお得という比較結果も出ています。

30分以上の外出

外食、買い物、子どもの送り迎え等で、1時間、2時間と長く部屋を離れる場合には、つけっぱなしよりもこまめに消したほうが節電に繋がりやすいです。目安として外出時間が30分以上かどうかが境目とされており、ダイキンの検証においても「30分以上の外出ではエアコンの運転をOFFにしたほうが消費電力は小さくなる」と結論付けられています。

すぐにできるエアコンの節電テクニック5つ

エアコンを操作する
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最後にすぐに実践できるエアコンの節電テクニックを5つ紹介します。こうした方法を併用してさらなる節電を目指してみてください。

風向きは「上」もしくは「水平」

冷たい空気は部屋の下部に溜まりやすいため風向きは「上」もしくは「水平」に設定しましょう。空気の対流が起こり、効率的に部屋を冷やすことで節電に繋がります。

また「サーキュレーター」を使って、部屋の下部に溜まった冷たい空気を上部に送る方法も交えるとより効果的です。

「自動運転モード」を活用する

「自動運転モード」では、エアコンが最も効率の良い風量に調整し温度を下げてくれるため、手動で操作するよりも電気代の節約に繋がりやすいです。具体的には、自動運転だと設定温度に到達するまでは最大運転を行い、到達後は弱運転や送風運転で効率良く部屋を冷やします。

設定温度を上げる

エアコン(冷房)の場合、設定温度を1℃上げると消費電力が約10%減ります。環境省が推奨する夏場のエアコンの設定温度は室温28℃であるため、節電を目指すのであれば温度を下げ過ぎず、室温が28℃前後になるように使うことを心がけましょう。

フィルター掃除をする

エアコンのフィルターが汚れていると冷却力が下がり、余分な電力を消費することになります。こまめに掃除をすることが節電に繋がります(2週間に1回がベスト)。

室外機の掃除や日除けをする

室外機が汚れていても熱の排出が妨げられるため、余分な電力を消費することになります。1年に1回程度、室外機周りの掃除をしておくことが大切です。

<室外機の掃除例>
・室外機のファンの前を塞いでいる物やゴミを片付ける
・室外機の表面・裏面に付着したホコリや汚れを、雑巾などで拭き取る
・「水抜き穴」に詰まったゴミを取り出す など

また夏場には「日除け」や「遮熱シール」などを設置し、室外機を日光から守ることも節電に繋がります。

以上、「つけっぱなし」と「こまめに消す」での節電効果について解説しました。エアコンの特性上“外気温”がポイントとなり、36℃を超える暑い日であればつけっぱなしのほうが節電に繋がるようです。さらに外気温の変化や、生活リズムに合わせてこまめにオン・オフすると効果的。今年も猛暑が予想されているので、酷暑の日にはつけっぱなしを意識し節電に取り組んでみてはいかがでしょう。