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共働き夫婦がふるさと納税の控除額をフル活用するための注意点は?

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共働き夫婦がふるさと納税の控除額をフル活用するための注意点は?

【画像出典元】「iStock.com/Milatas」

自治体に寄付をすることで特産品がもらえるお得な制度「ふるさと納税」。意外と知られていないのが共働き夫婦がそれぞれの名義で寄附をする場合の注意点。年収や扶養者の数、配偶者控除の有無などで、全額控除されるふるさと納税額の限度額も変わってきます。これから始める人はもちろん、リピーターの人も、ぜひチェックしてみてください!

ふるさと納税のシステムと限度額とは?

赤いマグカップと積まれた書類や電卓
【画像出典元】「iStock.com/kiddy0265」

そもそもふるさと納税とは、自分が応援したい地方自治体に寄付をすることでお礼に地元の特産品がもらえ、さらに寄付金のうち2000円を超える金額分について、所得税の還付や翌年の住民税の控除が受けられる制度。複数の自治体へ寄付ができ、寄付金の使い道を指定することも可能です。

ただし、ふるさと納税で税金の還付や控除ができる金額には上限があります。そのため、ふるさと納税関連の各種ポータルサイトや総務省のサイトでは、自分がいくらまでの寄付なら全額控除が可能か、目安の一覧表が掲載され、シミュレーションもできるようになっています。

そこで気になるのが共働き夫婦の場合。

夫婦二人ともふるさと納税が可能なのか、例えば総務省ふるさと納税ポータルサイト「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」一覧表で、家族構成のどの欄を確認すればいいのか、疑問に思う人も多いはずです。

総務省 ふるさと納税ポータルサイト 全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安

共働き夫婦の限度額は?合算はできる?

ふたりが喜ぶ
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結論からいえば、共働きでそれぞれに所得税・住民税が課税されている場合、ふるさと納税の寄附を二人とも行うことができます。どちらかに合算することはできませんので、夫婦それぞれの名義で寄付をし、ふるさと納税をフルに活用するのがおすすめ。二人とも控除を受けることができます。

例えば、夫婦共働きで二人とも年収300万円の場合、お互いに「共働き」の欄の「2万8000円」を寄付の上限の目安としてふるさと納税が可能です。

もし子どもがいる場合でも、中学生以下であれば控除には影響しないので、二人とも「共働き」の欄を確認します。高校生以上の子どもになると所得控除額に関わってきますので、夫婦のうち税制上の扶養をしている方は子どもの人数をプラスした欄を、扶養に入れていない方は「共働き」の欄を確認することになります。

ただし、もし妻の年収が201万円以下で夫が配偶者(特別)控除の適用を受けている場合などは、夫は「共働き」の欄ではなく「夫婦」の欄の金額を上限の目安とすることになります。

気になるのが妻の目安金額です。ふるさと納税で控除されるのは、本来払うべき所得税・住民税の一定割合部分のみ。しかも2000円を超える控除額が必要です。パートやアルバイトの収入で本人に所得税・住民税がかかってくる金額は、所得税は年収103万円を超えた場合。住民税は、地域によって税率が異なりますが98~100万円がボーダーラインです。

それ以上収入があり課税されていても、ふるさと納税でお得になるとは限りません。一般的にふるさと納税でメリットがあるのは年収200万円以上といわれています。ぜひ自分の上限金額の詳細は、ふるさと納税を行った翌年の、1月1日時点で在住の市区町村で確認をしてください。

夫婦共働きのふるさと納税、その注意点は?

PCを見ながらクレジットカードを手にする男女
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その他に、夫婦共働きでふるさと納税を行う際の注意点を挙げてみます。

・ふるさと納税を利用する際は、注文者の名義(寄付金受領証明書の名義)に注意しましょう。
ポータルサイトによっては、クレジットカードの名義も注文者と同じでなければならないところもあります。よく確認して夫婦それぞれの名義できちんと寄付が行われるようにしましょう。

・基本的に夫婦それぞれが確定申告を行います。
条件を満たせば確定申告が不要になる「ワンストップ特例制度」を利用できる人でも、医療費控除や住宅ローン控除などがある場合は、必ず確定申告が必要です。ただし医療費や住宅ローンの控除を申告する場合は、「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」などの一覧表は使えません。必ずシミュレーションを使ったふるさと納税上限金額を確認するようにしましょう。

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一覧表の金額やシミュレーションは、あくまでも目安です。イレギュラーな控除がある場合は必ず自治体に確認するようにしてください。また、ふるさと納税による税金の控除は、いわゆる「税金の前払い」と同じです。税金を払わなくてよいわけではありませんのでご注意を。好きな自治体を応援して、その地方の魅力的な特産品をついでにもらえてうれしい!というスタンスで楽しみましょう。