温泉のプロが選ぶ、家族旅行におすすめの「離れ」のある宿
監修・ライター
今、自由に使える10万円があるとしたら・・・。たとえば、家族と一緒に温泉宿の「離れ」で過ごす休日、というのはいかがでしょう? 混雑する(かつ料金も高い)ゴールデンウィークをやり過ごし、新緑の季節にゆっくりと温泉を満喫する旅。温泉のエキスパート・花田伸二さんに、シチュエーション別のおすすめ宿をピックアップしていただきました。
ケース1:30~40代の兄弟が両親を招待して親孝行旅行するなら
「黒川温泉の『旅館 山河』は落ち着いた雰囲気で、大人だけの旅には特におすすめ」と語る花田さん。
最大のポイントは「泉質の良さ」。「薬師の湯」(単純硫黄泉)と「美肌の湯」(ナトリウム塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉)2つの自家源泉を持つかけ流しの温泉で、露天風呂や貸切などお風呂の種類も豊富です。料金は1泊2食付で1名2万円前後(和室2間+切石風呂付:4名1室の場合)。
「ここのご主人は黒川エリアに植樹をするなど、街づくりのキーマンの一人。雑木林の中に本館・離れや温泉棟、囲炉裏のあるロビーが点在する静かな空間で、緑に包まれてのんびり過ごせる宿です」
ケース2:夫婦+子ども2人。贅沢気分が味わえて子どもも喜ぶ温泉旅
花田さん曰く、「子ども連れならアミューズメントが近くにある宿がいいですね。別府地獄めぐりや水族館『うみたまご』にも近い海辺の宿『晴海』がぴったりでしょう」
国道10号線沿い、別府湾に面して立つ『晴海』の客室はすべてオーシャンビュー。その屋上、玉砂利が敷かれた和風庭園の中に3タイプのモダンな「展望離れ」があります。離れにはそれぞれ露天風呂が備えられている上、「別府で一番海に近い」と言われる1階の露天風呂や、最上階にある宿泊客専用の展望風呂も入浴可能。リビング+2ベッド+和室のタイプで大人4名なら10万円前後(2食付)、子どもが小学生であれば8万円前後に。
「館内には和食・海鮮・創作料理と3つの食事処があり、大分の豊かな山海の幸を専用の個室で味わえます。またカフェバーやラウンジ、ケーキ工房などもあり、バーでジャズライブが行われるなど館内での楽しみ方も多彩。宿の中でリゾート気分を満喫できますよ」
ケース3:子連れファミリーがおじいちゃん・おばあちゃんと一緒に
「温泉付の離れで非常にコストパフォーマンスが高いのが、筋湯温泉の『小松別荘』」と花田さん。
古民家風の離れは、掘りごたつに2ベッドの洋室1室、和室2室と専用檜風呂付きのメゾネットタイプ。3世代でも、2~3家族でもゆったり過ごせる広さだそうです。料金は大人4名以上の場合、2食付で1名1万6000円~、小学生の子どもは1万1000円。繁忙期でなければ、大人6人でも10万円でおつりが来ます。
「ここの離れは、食事が部屋食というのもうれしいポイント。おじいちゃん・おばあちゃんにも料理をゆっくり味わってもらえると思いますよ。ここのご主人は湯布院の『亀の井別荘』で修業を積んだ料理人で、地元の旬を活かした懐石料理が楽しめます。イチオシは『地鶏のスープ』。最後の一滴まで残さず飲みたい美味しさです!」
ひとくちに「離れ」といってもいろんなタイプがあり、場所や温泉、料理など「何を重視するか」によって選択肢は違ってきます。行き先を「泊まりたい宿」で選ぶ旅、というのも素敵ですね。