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今年は九州の山へ!オススメの紅葉スポット4選と映え写真のポイント

0円でかなうコト のぼろ編集部

今年は九州の山へ!オススメの紅葉スポット4選と映え写真のポイント

のぼろ編集部

赤や黄色に染まった山々が楽しめる紅葉シーズンがまもなく到来。今年は美しい紅葉を見るために山へ出かけたいと思っています。見ごろの時季や編集部お勧めの山は? 紅葉狩り登山のいろはについて、季刊のぼろ編集部の中村真悟さんに聞いてきました!

山の紅葉シーズンはいつ?

紅葉した木々
のぼろ編集部

「そもそもきれいに紅葉するには条件があることを知っていますか?」と中村さん。まずは、その条件について伺いました。

「最高気温と最低気温の気温差が大きい」「日当たりがよい」「適度な湿度がある」という3つの条件が揃うときれいに紅葉するそう。そもそも紅葉とは、落葉樹が冬の寒さと乾燥から身を守るために葉を落とし、活動を停止する準備段階に起きる葉の色の変化です。そのため紅葉は、桜とは逆に寒い北国から始まりますし、山では標高の高いところから染まり始めます。

ちなみに九州で最も早く紅葉が始まるのは、大分県くじゅう連山の大船山(1786.3メートル)山頂付近にある御池(おいけ)の周りです。標高が高いため気温差が大きいのはもちろんのこと、水面への照り返しによって日当たりもよく、湿度も適度に保たれている、つまり、「きれいな紅葉の3つの条件」をしっかりと満たしているのです。

気象条件にもよりますが、御池の紅葉は例年10月15日あたりから始まるそうです。山の紅葉は2~3日でだいたい100メートルほど下りてきます。標高800メートルくらいまでは規則的に上から順に紅葉しますが、それ以下になると温暖化の影響もあるのか時季が曖昧になったり紅葉しなかったりと、ここ10~15年はタイミングの把握が難しい傾向にあるそうです。

「平地はだいたい12月初旬ごろに色づきますが、山に限れば、10月15日~11月20日の約1カ月がシーズンといえるでしょう」(中村さん)

美しい紅葉が見られるお勧めの場所

山の紅葉
のぼろ編集部

「九州の山で一番人気の紅葉スポットは大分県のくじゅう連山、祖母山、由布岳、福岡県の英彦山ですね。圧巻の紅葉が見られますよ」と中村さん。しかし、これらの山は標高が高く、健脚向きとのこと。そこで、気軽に登れて紅葉を楽しみたい人にお勧めの山や森を4つ紹介してもらいました。

まず、大分県玖珠町にある(1)「角埋山」。
山頂には角牟礼城跡があります。カエデが多く、手軽に楽しめる山です。

次に黒川温泉の裏手にある(2)「清流の森・すずめの地獄」。
ここはあまり知られていない穴場だとか。紅葉する木が多く、遊歩道も整備されているので、ウオーキング感覚で紅葉を楽しめるそう。温泉も近くにあるので、帰りに汗を流せます。

次に由布岳のそばにある(3)「日向岳」。
由布岳正面登山口から日向岳に向かう日向岳自然観察路がお勧めの紅葉ロード。「日向岳まで行くと結構距離があるので、紅葉を楽しむ人は途中で引き返してもいいですね」と中村さん。

最後に福岡市の(4)「油山」にあるもみじ谷。
つり橋からも紅葉は見えるのですが、お勧めは管理棟からつり橋方面に遊歩道を歩き、つり橋は渡らずにそのまま遊歩道を直進。もみじ谷を左手に見ながら進み、谷の裏側から紅葉を見ること。お~!という景色が待っているそうです。

「山登りしない人は、くじゅう連山の周りをドライブしたらいいですよ。街中の紅葉とは全然違う美しさに驚くと思いますよ! その場合は10月25日以降がお勧めです」(中村さん)

紅葉写真を上手に撮るコツ

鮮やかな紅葉
のぼろ編集部

美しい紅葉に出合えたら、写真に撮って思い出を残したいもの。しかし、「わー! きれい」と思い無我夢中でシャッターを切っても、後で見返すとその時の感動が感じられない・・・なんてことも。季刊のぼろの誌面で「ネイチャーフォト講座」を執筆している中村さんに上手に紅葉を撮るコツについて伺いました。

上手に撮るコツは大きく分けて3つあります。

まずは、(1)「主題をはっきりさせる」こと。
要は自分がどこに一番惹かれたのか。「この赤の色合いが好き」「赤と黄色が重なっているのが好き」というように、感動したポイントをはっきりさせることが大切です。

次に(2)「逆光で撮る」こと。
もし大きなカエデがあって、木の周りを歩き回れそうならば、順光と逆光で撮り比べてみるといいでしょう。逆光で撮ると色や輝きが全く変わってくるそうです。

最後に(3)「背景を選ぶ」こと。
あれもこれもと入れようとはせず、できるだけシンプルに、色もできるだけ2色くらいでまとめるのがお勧めだそう。例えば、「黄色に色づいた紅葉を背景に、赤く紅葉した1枚のモミジを撮る」「バックの色を暗く落として、真っ黒の中に黄葉を撮る」など。

撮影の際に注意しておきたいのが、デジタルカメラの場合、特に赤や黄が「色飽和」しやすい点。色飽和とは、ベタッと絵の具で塗ったように色がつぶれ、諧調やディテールが失われた状態のこと。これを避けるには、モードをナチュラルにするなど彩度を低めに設定するとよいそうです。

「最後にひとネタ。カエデの名前の由来を知っていますか? 正解は・・・カエルの手→カエルデ→カエデなのですよ」(中村さん)


紅葉にも条件があるんですね! 今年の秋は色鮮やかな紅葉を見に、山に出かけます!