温泉でキレイになれる!?「美肌の湯」ってどんなもの?
監修・ライター
近年よく聞くようになった「美肌の湯」という言葉。なんとなく肌によさそうなイメージですが、具体的にどんな泉質で、どういいのかよくわかりません。そこで「美肌の湯」の特徴や、温泉の効果的な入り方について、温泉のエキスパート・花田伸二さんに教えていただきました。
Q1 世間で言われる「美肌の湯」って、いったいどんなものなのでしょうか?
A1 一般的に肌にいいと言われる泉質は4つあります。古い角質をとる効果がある「アルカリ性単純泉」、肌の汚れを落としてさっぱりさせる「炭酸水素塩泉」、乾燥ぎみの肌をしっとりさせる「(ナトリウム)硫酸塩泉」、メラニン色素を分解し美白効果が期待できる「硫黄泉」。
中でも近年クローズアップされているのが、ph7.5~8.4程度の「弱アルカリ性単純泉」です。アルカリ性なので、石鹸に似た働きで肌の汚れを落としてキレイになるというわけ。トロっとしたなめらかなお湯で、入った瞬間から肌がツルツルするため「美肌の湯」と呼ばれるようになりました。
Q2 「美肌の湯」でおすすめの温泉地&宿は?
A2 福岡から近い場所では熊本県の山鹿・平山・菊池・植木エリアでしょう。この一帯は弱アルカリ~アルカリ性の泉質で、「美肌の湯」として人気です。
このエリアでおすすめの宿は、山鹿温泉『清流荘』。由緒ある料亭旅館で、地元産の旬の味覚を生かした創作懐石料理が味わえます。客室は、各室露天風呂付きの「水鏡亭」とリーズナブルな「鹿門亭」、2つの棟から選べて部屋のバリエーションも豊富です。
平山温泉の『湯の蔵』も人気の高い宿です。敷地内には小川が流れ、館内は古民家風の風情ある佇まい。温泉はまるで美容液に浸かっているような肌ざわりで、何度でも入りたくなる心地よさ。
宿泊棟はすべて露天風呂付きの離れでありながら、1名1万5000円前後というコストパフォーマンスの高さも人気の理由。本館には日帰りで利用できる温泉や食事処もあるので、いろんなシチュエーションで「美肌の湯」を楽しめますよ。
Q3 温泉の効能を生かすために、効果的な入り方や注意点などあれば教えてください。
A3 実は温泉に10分浸かると、10分ジョギングするのと同じくらいのエネルギーを消費します。また入浴中の発汗で水分が不足すると、血液がドロドロに。入る前にはカロリーと水分を補給しましょう。旅館の部屋に用意されているお茶とお茶菓子は、入浴前の準備にちょうどいいんですよ。
次に温泉に入る時。「かけ湯」はマナーというだけでなく、これからお湯に入ることを自分の身体に知らせる合図でもあります。急激な血圧の上昇を防ぐため、足もとから徐々に上がって10杯くらい。心臓に近い場所には最後にかけましょう。
入浴中には、冷たい水で濡らしたタオルを頭の上にのせると血液の急激な上昇が抑えられ、のぼせ防止に効果的。また、入浴中にマッサージすると血流がよくなり、温泉の効果をアップできますよ。入浴後は水分補給を忘れずに。
ひとくくりに「美肌の湯」といいがちですが、実はタイプが違うんですね。目的に合った泉質を選ぶのも、ツウの楽しみ方かもしれません。上手な入り方も身につけて、温泉ライフをもっと充実させたいものです。