介護費用は最低でも300万円以上必要!誰が、どう準備するの?
いつ直面するか、そしていつまで続くのかわからない親の介護。日常生活に加えてどれぐらいのどんな費用がかかるのか、まったくわからないという方も多いのではないでしょうか?気になる介護費用について調べてみました。
介護費用、ずばりいくらかかる?
介護費用は、要介護度などさまざまな条件によって大きく変わってきますが、厚生労働省が公表しているデータによると、その平均は月5万7161円(医療費含む)、生命保険文化センターの調査によると、介護期間の平均は4年9カ月です。約5万7000円×4年9カ月で計算すると、総額は300万円を超えます。この金額はあくまで平均であり、施設や介護サービスの利用状況・介護期間によっては、さらに大きな金額が必要となることも珍しくありません。
一時費用として、自宅の増改築や介護用品の購入などが必要なケースもあり、これらに100万円以上の費用が必要となる場合もあります。また、介護保険で受けられるサービスの費用以外に、民間企業による介護サービスを利用する場合の費用(全額自己負担)や、家族が介護のために通う交通費なども見逃せない介護費用の一部です。
介護費用、誰が用意する?
このように大きな金額となる介護費用ですが、「親の介護費用は親自身が準備する」というのが基本的な考え方です。40代以降であれば、これを見越していつか来るかもしれない自身の介護のために、300万円を一つの目安として準備しておきたいものですね。また、親に備えがないことも想定して親孝行をするための貯蓄をしておくとよいでしょう。
介護をする子どもの立場である場合、親の希望や介護費用の有無を確認しておくことも大事。在宅がいいのか・施設を利用したいのかなど、親がどのような形で介護を受けたいのか希望を聞いておくことで、かかる費用をある程度想定することができますし、親に貯蓄や収入があるのかどうかも確認することで、自分がどれだけ蓄えておくべきかを考えることができます。
介護にまつわる話は、親が元気なうちだからこそ遠慮なくできるもの。「まだまだうちは大丈夫」と思えるあいだにきちんと話し合っておくことが、後々になって慌てないためのポイントです。
各自治体のいろいろな介護サービスも活用して
金銭的な準備以外に、自治体独自のサービスや職場の介護休暇の有無などについて、情報を集めておくことも大切です。
全国の各自治体では、介護手当ての支給やヘルパーの派遣など独自の高齢者福祉サービスが提供されています。例えば福岡市では、配食サービス・おむつサービス・住宅改造助成・
ショートステイの助成・家族介護者のつどいといったさまざまなサービスが提供されています。
また、家族みんなの生活を安定させるためにも、介護のために離職することは避けたいもの。介護が終わっても自身の生活は続いていきます。職場の介護休暇制度がどのようになっているのかを確認して活用することで、どうすれば仕事と介護の両立できるのかを、シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
介護の疲れにお金の不安が加われば、介護する側もされる側も、より一層、心の負担が大きくなってしまいます。今はまだまだ健康!という方でも、いつか来るかもしれない将来を見越して備えておくことが重要ですね。