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パート主婦に立ちはだかる年収130万と106万の違いとは?

そなえる 内山 貴博

パート主婦に立ちはだかる年収130万と106万の違いとは?

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目次

「旦那の扶養の範囲で働きたいです!」

このような相談、質問はよくあります。結婚や出産を機に仕事を辞め、その後、働ける環境になると、正社員ではなくパートとして一定年収の範囲で働こうとする方が非常に多いです。家事、育児の時間もある程度確保でき、さらには社会保険料の負担も生じません。

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社会保険への加入条件の目安「年収130万円」

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「旦那の扶養の範囲」という表現を用いましたが、本来は「被扶養者」といい、年収130万円(60歳以上は180万円)未満の人で、かつ被保険者の年収の2分の1未満の人が被扶養者になることができます。また、週30時間以上勤務すると社会保険対象の従業員となるため、週30時間未満の勤務であることも要件になります。

社会保険の話は大変複雑で分かりにくいので、「マイモ家」を前提にお伝えします。会社員のマイモ タカシさん(30歳・年収450万円)は3年前にエミさん(28歳)と結婚。エミさんはしばらく家事に専念していましたが、現在はパートとして近所で働いています。勤務は週20時間程度、月額9万円(年収約110万円)です。

この場合、エミさんの年収が130万円未満であり、かつタカシさんの年収の半分未満であるため被扶養者になれます。すなわち、タカシさんの会社の健康保険組合などに加入し、健康保険証をもらうことになります。保険料負担はゼロです。合わせて、国民年金の保険料も払う必要がありません。いわゆる「サラリーマンの妻」(第3号被保険者)として、基礎年金部分の保険料は払っているとみなされます。

ちなみに、2018年度の国民年金保険料(月額)は1万6340円です。自営業の方は毎月1万6340円払うことで将来、老齢基礎年金を受け取ることができるのですが、エミさんは保険料を払わなくても同じように老齢基礎年金を受け取ることができるため大変有利です。

まとめますと、被扶養者(社会保険に加入せず働く)の主なメリットは以下2つです。

社会保険に加入せず働く主なメリット
1.健康保険料、国民年金保険料の負担が無い
2.老齢基礎年金は自営業者等(第1号被保険者)と同様にもらうことができる

一方、社会保険に加入するメリットも!

病院で子供を抱く夫婦
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働き方改革によって法整備はもちろん、企業内の風土、実際の労働環境も変わりつつあります。育児のため早退をしてよい会社、あるいは、会社内で子供の面倒を見てくれるところもあるようです。そんな中、エミさんは仕事にやりがいを覚え、正社員として働くことになりました。週40時間勤務、毎月の給与(標準報酬月額)は24万円となり、社会保険に加入することになりました。では、パートのときと、どう違うのでしょうか?

まずは、エミさんの勤め先の健康保険に加入することになります。エミさんの会社は健康保険組合が無いので、福岡県の協会けんぽに加入しました。各都道府県で保険料が異なりますが、エミさんは毎月約1万2000円の健康保険料を負担することに。さらに、年金についても違いが生じます。会社を通して厚生年金に加入することになるため、毎月約2万2000円の負担に。

協会けんぽ(全国健康保険協会)の保険料は以下で確認できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h30/h30ryougakuhyou4gatukara

よって、パートのときよりもかなりお給料は増えましたが、その分、月々3万円以上の社会保険料が生じることになりました。ただし、これによるメリットもあります。

社会保険に加入するメリット
1.傷病手当金、出産手当金の対象に
2.老後の年金が増える
3.万が一(死亡・障害)の際の保障も充実

1.の手当金はケガや病気、出産等で働けなくなったときのお給料代わりです。よって社会保険加入者が対象となり、長期休養が必要となっても一定の手当金を受け取ることができます。また、厚生年金に加入するため、老後の年金の2階建て部分にあたる「老齢厚生年金」の額が加入期間や報酬額に応じて増えていきます。さらには、厚生年金に加入したことで万が一の場合の保障(遺族厚生年金・障害厚生年金)も手厚くなるといったところが大きなメリットです。

年金生活とお金
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501名以上の従業員の会社は「106万円」が壁に

2016年9月より従業員501名以上の会社に関しては健康保険加入条件が以下の要件になりました。
・週20時間以上勤務で1年以上の勤務見込み
・給与月額8万8000円(年換算約106万円)

パートのときのエミさんは20時間以上働きお給料が9万円だったため、もしパート先が従業員501名以上の会社であれば、エミさんは社会保険に加入することになります。この場合、もっと年収を減らすか、もしくは、思いきって社会保険に加入するか?こういった選択を迫られることになります。

保険料負担が生じるというデメリットばかりに目が行きがちですが、今回紹介したメリットも参考に、最適な働き方、生き方を模索してください。

※上記社会保険の要件等は一部です。詳細は年金険事務所等でご確認ください。

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