お金

FPが見た「お金が貯まる人」と「節約上手な人」の共通点 (2ページ目)

そなえる 内山 貴博

5. 貯金と節約が上手になるポイント、Debitカード、電子マネー、クレジットカードを活用

スマホで決済
【画像出典元】「iStock.com/visualspace」

今後、キャッシュレス化が進んでいき、私たちの生活スタイルは大きく変わるかもしれません。よって、電子マネーやクレジットカードなどを上手に使う方法を身につけることは、かなり有効です。

公共料金、新聞代、生命保険料、そして国民年金の保険料までもクレジットカードで支払えます。毎月確実に払わないといけないものは、ポイントやマイルが有利なクレジットカード決済にしておくことが賢明です。また、大手スーパーやコンビニも、それぞれ電子決済方法を持っているため、できれば、かさばらない程度に上手に使い分けてください。

それから、ポイントについては年内や年度内など一定期間で無効になるものも少なくありません。コツコツ貯まったものが知らない間に無くなっていては、もったいないです。ちなみに私は、ポイントは少額からでもなるべく早く利用する派です。その理由は2つ。1つは、既に触れましたように、期限切れを防ぐ。もう1つは、「ポイントには利息がつかない」という理由です。

例えば、大型電気店で貯まるポイントは皆さんどうしていますか?できるだけ貯めて、今度TVを買うときにまとめてポイントを使いたい、こういう考え方の方も多いのでは?その気持ち、よーく分かります。ただ、私はポイントが付与されればすぐに、プリンタのトナーやコピー用紙などの消耗品を買う際に毎回ちょっとずつ使っていきます。ポイントもそのお店では現金と同様に使えるならば、場所を選ばず使えて利息のつくお金よりも、そのお店で買い物をする機会にポイントを優先して使う方がとってもおトクだと思いますよ。

6. 貯金上手な主婦がやっている「お金が貯まるテクニック」

貯金
【画像出典元】「iStock.com/lovelyday12」

上手にお金を貯めている主婦の方から話を聞くこともよくありますが、そういう方々はどのような方法でお金を貯めているのでしょうか?

6-1. 貯金の目標を決める
目標は貯金に限らず、具体的に定めることが重要です。「絶対に1000万円貯める」というだけではなく、「20××年までに1000万円を貯めて〇〇な生活を送る」というように具体的に目標を立てたいところです。目標を立てることでより日々実施することが明確になります。

6-2. 目的によって口座を分ける
1つの口座で生活費や将来への貯金を管理するとわかりにくいので、銀行口座を複数に分けることも1つの方法です。今の生活環境を踏まえて、あえて不便な金融機関を貯金用口座に選ぶのも良い方法です。不便で頻繁に利用できないがゆえに、1回ごとに預け入れを行うことで貯金ができているという手ごたえを感じ、楽しいと思えるようになります。また、気軽に引き出しできないのもメリットになります。

6-3. 積立口座、社内預金や財形貯蓄を活用
財形貯蓄に代表されるように、企業にはさまざまな積立制度があります。ぜひ、どのような方法があるのか調べてみてください。今はiDeCo(個人型確定拠出年金)はじめ、老後に向けて税制優遇を受けながら資産形成を行う方法があります。公務員の方など、独自に金利の高い預金を提供している場合も。こういった制度を活用することで、給与として手元にすることでつい使ってしまうということも回避できます。

6-4. 月の収支を頭に入れて使える額を把握
予算を意識することと同様ですが、「月次単位で生活に必要なお金がいくらぐらいか?」を常に意識しておくと、無駄遣いも減っていきます。できれば、日ごろよく目にする手帳などに書き込んでおきたいですね。

6-5. 小さなムダを排除
ムダを省き、貯金に回すー。これが今回の大きなテーマです。たとえ小さな差でも取り組むことで、将来の大きな資産につなげていきたいところです。例えば、生命保険料。毎月払っている人が多いと思いますが、これを年払いにすると2~3%程度保険料が安くなります。1年に1回、まとまった保険料を払うことに抵抗があり、月払いにしている人も多いと思います。一概に「ムダ」とは言い切れませんが、考え方次第です。

月々4000円だと負担感がなくても、年1回4万7000円だと(年払いで1000円安くなっていても)負担を感じるという人もいます。ただ、負担を感じるからこそ、年1回の保険料支払いのためにとお金の管理意識が高まるともいえます。年払いで保険料が安くなり、さらに高い意識でお金を管理できれば、さらなる節約につながるかもしれませんよ。

7.20代、30代夫婦の生活費の平均はいくら?

ここまで通信費や光熱費、食費や娯楽費など毎月の生活費の見直しや支出を下げるコツを お伝えしてきましたが、普段の生活を送る中でみなさんどの程度生活費(支出)を使っているのでしょうか。下記リンク先ページでは、20代、30代夫婦の平均収入と生活費を調査した結果を紹介。もう一方のページでは30代、40代夫婦の生活費の内訳が詳しく紹介されています。食費や居住費、保険料など、一般的にどの程度の支出があるのかを見ていくことができます。また家計簿診断もされているので、ご自身と近い内容があれば参考にもできるでしょう。

「20代・30代夫婦の生活費」1ヵ月の収入と支出の平均と家計管理のコツ

夫婦2人の生活費はいくらが妥当?年代別20代~40代の支出額平均を比較してみた

8. 貯金と節約が上手な人になるための「つもり貯金」

私は、ひと仕事終えたあとのビールが何より楽しみです(笑)
あるとき、スーパーで350ml缶と500ml缶、どちらを買うのが安いのかを計算したところ、私のよく行くスーパーでは、350ml缶の方が安かったのです。そして、1缶ごと買うよりも6本ずつ買う方が当然1本あたりの値段は安くなります。さて、これは上手な節約方法になるでしょうか?

一見、節約につながっているようですが、結局、500ml1本だった晩酌が350mlを2本飲むようになっては・・・これ以上は私の名誉のため伏せておきますが(笑)。

「節約につながった分を、貯金に回そう」と意識することも大切です。「つもり貯金」が有効ですよ。

お得なビールの買い方に気付かなかったつもりで・・・
上司にごちそうしてもらった食事代を自分で支払ったつもりで・・・

その分をすぐに貯金に回すことができれば、効率よくお金も貯まっていくと思います。

そして最後に、私が見てきた節約や貯金の達人は、「自分が好きなことにはしっかりお金を使っている」印象があります。人生を豊かにするもの、生活の彩りになるものにはお金を惜しまず使いこだわる。だからこそ、日頃の生活の中で食費や買い物の節約や貯金を楽しく頑張れるのかもしれません。

 

  • 2
2 / 2