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サラリーマン必読、ベストな年金運用とは?FPがズバリ解説!

FPに聞きたいお金のこと 内山 貴博

サラリーマン必読、ベストな年金運用とは?FPがズバリ解説!

こんにちは。FP(ファイナンシャルプランナー)の内山貴博です。今回のFP相談は「確定拠出年金制度(DC)」について。確定拠出年金には企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))の二種類があるのですが、今回は企業型DCをされている方のご相談です。

私たち日本人は投資について保守的な人が多いといわれています。ただし確定拠出年金制度の導入で、投資についての知識や経験の有無にかかわらず、20代、30代の若い年代でも投資に向き合わなければならない人が増えてきました。よって、しっかり知識を身につけて積極的に運用することも大切です。それでは内容を見てみましょう。

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《相談内容》
会社の退職金や年金制度が数年前から変わり、DCセミナーに参加して自ら運用するようになっています。しかし何度参加しても申し込みや変更については分かるのですが、運営方法のベストが分かりません。教えていただけますか? (30代・女性)

《相談者の家族構成》
夫婦2人、子どもなし(将来的に1人希望)
夫:自営業+バイト
妻:正社員

確定拠出年金(DC)は従来の確定“給付”と違い、将来の退職金の給付額が確定しているのではなく、積み立てていく“拠出額”が確定しているため、毎月会社が拠出してくれる金額をどのように運用するかは従業員次第です。

「会社の同期で長年、同じように頑張ってきた人よりも、明らかに退職金が少ない」。こんな状況はできれば避けたいですよね。そのために、どのような運用方法が良いのか?と考えることはとても良いことだと思います。

確定拠出年金で失敗しないためのベストな運用とは

資産運用
【画像出典元】「iStock.com/RomoloTavani」

ご相談者は最も良い運用方法を追及しているようですが、なかなかベストを求めることは難しいです。明日以降の相場展開は誰にも分かりませんし、ファンドの運用成績が今は良くても、今後もその状態が続くとは限りません。

運用のプロであるファンドマネージャーでさえ、うまくいかないことも。よって、DCの場合は長期的に積み立てを行っていくことになりますので、基本的な運用ポイントをおさえて、のんびりと定期的に見直しをしながら模索してください。最終的に「きちんと向き合っていて良かった」という状況になることを目指しましょう。

20代、30代の若い年代は株式中心の積極運用がおすすめ

ご相談者はまだ30代です。まだまだ30年近く退職まで期間があります。当面は積極的に株式を中心とした運用をおすすめします。DCの運用会社が指定しているファンドの中から「世界株」や「日本株」といった株式で運用しているファンドなどがそれに該当します。

また、「〇〇バランスファンド30」「〇〇バランスファンド50」「〇〇バランスファンド70」といったバランスファンドも用意されているかもしれませんが、この場合、一般的に数字が大きいほど株式の割合が高く、リスクも高い分リターンも期待できます。よって、70を選ぶのが良いと思います。しかも株式のみならず、分散投資でさまざまな資産が入っていますので、安心して長期的に積み立てもできます。

運用を見直すタイミングは50歳以降

相場が大きく動いたときなどはリスクを取って運用していると不安になるものです。ただ、DCは老後資金。長期運用が大前提です。例えば、プロ野球やサッカーでも長いシーズンの中で負けることがあれば連敗することもあります。でも、最終的に優勝することが目的なのです。

おそらくセミナーなどに積極的に参加されているということなので、ドルコスト平均法なども理解されていると思います。30代、40代は「種まき」の時期だと割り切って、株価が大きく下がるような局面はむしろチャンスと捉え、積極的な運用を継続してください。

そして50代など一定の年齢に達してからが見直しのタイミングだと思います。「種まき」を行ってきた大事なDC資産。大きく育って、立派な樹木になり、たくさんの実をつけているときに台風直撃となっては困ります。つまり、60歳手前で「リーマンショック」のような世界同時株安などに見舞われると大きな影響を受け、また取り返すチャンスもない。ということだけは避けたいところです。

よって、これまで積極的に運用してきたファンドを、債券を中心としたリスクの低いファンドや元本確保型などに変更(スイッチングといいます)するほか、定期的な買い付けファンドを見直す(配分変更といいます)のも1つの方法です。

DC以外の資産との配分も意識してリスク分散

貯金を手に笑顔の老夫婦
【画像出典元】「iStock.com/annebaek」

おそらく今後、DC以外にも株式や投資信託など資産運用を行うことになると思いますが、DCを含めて家計の金融資産全体でリスクの取り過ぎにならないように注意してください。DC以外の資産は換金することも想定しておく必要があります。

世界的な不況で、相場展開がさえず各種株価指数が大きく下落。勤め先の業績も悪化し、期待していたボーナスも大幅ダウン。そんなときに予想以上に子どもの学費がかかるといった状況も。学費や車、住宅などのイベント費用は計画的に準備しておきたいところですが、プランどおりにいかない人も多いです。そこで何か投資商品を解約した際にリスクが低めのファンドがあると、こういった局面でも大きな損失は生じておらず解約もしやすいです。

長期的な視点、そして家計資産全般を見渡しDCのファンド選びを工夫してください。ベストな運用は難しくても、真剣に向き合っていればきっとベストな人生を送ることができると思います。

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