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赤ちゃん名義の銀行口座、開設するメリットは?贈与税はかかる?

ためる 白浜 仁子

赤ちゃん名義の銀行口座、開設するメリットは?贈与税はかかる?

【画像出典元】「iStock.com/Amax Photo」

子供が生まれると、万感の思いが湧いてきますね。周りからもたくさんの祝福をもらうでしょう。お祝いがお金の場合は、子供の将来のために貯金しておきたいと考えるパパママも多いようです。

折角なので赤ちゃんの銀行口座を作ろう…いや、そもそも生まれたばかりの新生児の名義で口座なんて作れるのか?と思っている人はいませんか?…実はちゃんと作ることができます。今回は、赤ちゃんのうちから子供名義の銀行口座は必要なのか、口座を作るメリットやよく心配される贈与税の注意点などを紹介していきます。

0歳のうちから子供名義の銀行口座を作るメリット

赤ちゃんの口座を持つメリットは、3つあります。1つ目は「お金を明確に分けられる」ということです。

もらったお祝いをそのまま自分の財布にしまったり、普段使っている生活費の口座に入金したりすると、いつの間にか使ってしまったということになりかねません。お祝い金に限らず、お金をとっておく(=貯める)コツは、資金使途を明確にしてお金を色分けすることが一番です。

その方法として、目的・用途ごとに口座を分けるやり方は楽に分かりやすく管理できるのでおススメです。口座を親の名義にする方法もありますが、赤ちゃんの名義にする方が子供のお金であることをより明確にできるので手が付けにくく、しっかり貯められます。たとえばまとまった資金が必要になる大学などの進学費用や留学費に充てるのもいいでしょう。

2つ目は子供名義の通帳は愛情を感じる機会にもなるということです。誕生日や七五三など節目ごとのお祝い金、お年玉などもその都度入金して、誰から何のお祝いでいただいたお金かを通帳にメモしておけば、先々通帳をみせながら周りから多くの愛情をもらっていたことを感じる機会にもなります。

3つ目のメリットは、そのまま金銭教育にも使うことができるということです。例えば、子供が小学生になり算数の計算ができるようになった頃に、これまで親が管理していた通帳を今度は子供に引き継ぎます。

お年玉やお小遣いなどから少しずつ貯金をしていく習慣を身に着けたり、お金が貯まると普段は買えない高価なもの(たとえばゲーム機など)が買えるようになること、また、使うと通帳の残高が減っていくことなど身をもって学べます。

赤ちゃんの口座開設に必要な物

通帳と印鑑
【画像出典元】「iStock.com/bee32」

口座開設は本来、本人が手続きをしなければなりません。でも赤ちゃんはそれができないので、親権者が代わりに行います。必要なものは以下の通りです。

口座開設に必要なもの (例:福岡銀行の場合)
・現金
・届出印(ゴム印・シャチハタは不可)
・健康保険証
・住民票(発行から6か月以内のもの)または、母子健康手帳(出生届出済証明印があるもの)
・ママやパパ(手続きする人・同居の親権者)の免許証やパスポート

届出印はゴム印やシャチハタはNGですが、苗字の印である必要はありません。つまり名前のみの印鑑で届け出ることもできます。そうすれば、結婚して苗字が変わってもずっと使えますね。

本人確認資料は、健康保険証や、住民票、母子健康手帳などです。金融機関によって異なることがあるので事前に電話で確認しておくといいでしょう。他には、親権者の本人確認も必要です。

それから入金するお金も準備しましょう。ここで”ほっこり”することをひとつ。それは、初めての入金額を意味のある数字にすることです。例えばお子さんの出生時の体重。3,250グラムなら3,250円で口座開設をします。これは「出生体重貯金」としてインスタグラムやCM動画で話題になりました。ずっと通帳の1行目に残るので、何度ながめてもホッコリすること間違いなし!子供も喜びます。

子供に通帳を渡すときは贈与税に注意!

子供名義の通帳でも、実際は親が管理している通帳です。注意が必要なのは、子供に通帳を渡すときのこと。例えば将来の子供のためにとパパが給与から子供の通帳に少しずつ積み立てをして500万円貯まったとします。この通帳を子供が大きくなったときに渡すとしましょう。

この場合、通帳を渡した時点で親から子供に500万円をあげた、つまり贈与をしたとみなされます。贈与は年間110万円を超えると贈与税がかかります。子供の頃から少しずつ積み立てているから一度に500万円をあげたわけではないと言いたくなりますが、贈与は、貰った人がいつでも自由に使える状態になっていないとあげたと見なされません。

通帳や印鑑を親が管理しているうちはまだ親のお金なのです。この辺りはケースによって捉え方が異なりデリケートな部分ですので、このようなこともあることも念頭に、気になる人は税理士などの専門家などに相談しましょう。

赤ちゃん口座の種類 おすすめの口座いくつか

まず最初に総合口座通帳を作りましょう。学費がかかる時期まで使わない、成人したときに渡したいなどでしたら預金に寝かせたままはもったいないと思います。例えば、未成年でも申し込めるジュニアNISAで資産運用をしてみるのもいいでしょう。

新規の投資資金は2023年までしか入れられませんが、一度入れたお金は非課税で(利益に対する税金がかからずに)長期運用をすることができます。資産運用に関心がないのなら、総合口座通帳の後ろにある定期預金の欄に預けるとほんの少しだけ金利が高くなります。

定期預金は金利が印字されるため、子供が大きくなったとき「あなたが小さいころは、金利が0.01%でとても低かったのよ。それが徐々に上がって今は5%ね」なんて話してあげられます。願望がこもった会話例になってしまいましたが、このように金利を通してお金のこと、経済のことに関心を持つきっかけになるかもしれません。その他には、積立定期預金などもあります。

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児童手当、幼児教育無償化分のお金もしっかり貯金しよう

幸せそうな家族
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赤ちゃんが生まれるという人生の大きな節目にライフプランを立てよう、と考えるパパママからの相談依頼は多くあります。そのときに、児童手当は手を付けないで貯めておきたいという希望もよく伺います。

児童手当は中学卒業までに約200万円もらえるので、大学の費用などまとまった資金が必要なときのためにとっておくと、後々とても助かります。また、2019年10月から幼児教育無償化がスタートしたことも忘れてはいけません。今すでに幼稚園や保育所に通わせているご両親の多くは、無償化で浮いた分を子供のために貯めていこうと貯蓄にシフトチェンジしています。

これから赤ちゃんが生まれるというパパママも、無償化が当たり前と考えるのではなく、払ったつもりで貯金するのもおすすめです。最近は、初めて第1子を授かったご夫婦にそんな話をしています。

口座開設は、平日の日中でなければ窓口で手続きができません。赤ちゃん連れで銀行に行くのは、途中で泣いたらどうしよう、おむつ替えをどうしようなど色々と気掛かりなこともあるでしょう。

例えば、福岡銀行のように、口座開設の用紙を郵送で取り寄せ、時間があるときに記入して窓口に出向くことができる銀行もあります。また、同行には窓口の混み具合がWEBで確認できるといううれしい仕組みも。

これなら赤ちゃんのお世話をしながらでもスムーズに手続きできそうです。わが子が生まれたときにもこんな風だったら良かったのに・・と羨ましいばかりです。

https://www.fukuokabank.co.jp/personal/service/kouza/child/